ayuse

メモします。 (映画・舞台など心に響いた作品の備忘録)

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最近の記事

同志少女よ、敵を撃て

独ソ戦、女性だけの狙撃小隊がたどる生と死。 これは、少女セラフィマが母を撃ったドイツ人狙撃手と、 母の遺体を焼き払った赤軍の女性兵士イリーナに復讐を誓い 狙撃兵として成長していく物語である。 以下、ネタバレあり。感想の備忘録です。 女性兵士を主人公に据え、新たな視点で戦争を描いたこの物語。 一貫して『なんのために戦うのか』を問いかけつづけている。 セラフィマはただ、復讐のために戦っていた。 しかし仲間との交流や、戦いの最前線で様々な経験をすることで、 その答えは 『

    • 残り59分で1年を振り返る2022

      今年も無事に紅白で星野源を見て、一年に感謝したところです。 2022年、残り59分。 今年できるようになったことをまとめてみます。 新しいことに沢山挑戦できた楽しい年でした。 1.一層深いリサーチ、企画書のいろは 今年は色んなジャンルの本を読んでリサーチすることが多かったのですが。 どんなことが描きたくて、そのためにはどんなことが必要か 他にどんな方法で描けるか、他に必要な情報は何か というような一段階深い階層のリサーチが身についてきたように思います。 企画書も、去年

      • iphoneのきらめきと恋人たちのクリスマスの話

        一日中ずっと、頭の中でマライアキャリーの『恋人たちのクリスマス』が鳴り響いている。 なんで???と思ったら、 上司のスマホの着信音が曲のイントロにめっちゃ似てたからでした。 iphoneの着信音『きらめき』 マライアキャリーを頭から追い出したくて、他の曲を漁っていたら、 楽しくなってきたので好きなクリスマスソングをメモしておきます。 Ariana Grande - Santa Tell Mehttps://youtu.be/nlR0MkrRklg Jackson 5

        • VHSにしか残らない作品に巡り合えた話

          まとまった時間が取れたので『王様のレストラン』を見るために FODプレミアムに入ってみた。 すると幻の三谷作品『今夜、宇宙の片隅で』も見られると知って 早速1話を鑑賞。(一生見られないと思ってた…) ニューヨークで暮らす3人のこじんまりとした話だ。 『アパートの鍵貸します』であり『ワンフロムザハート』であり… 三谷さんが好きな作品の要素が詰まってる。 そしてこれは三谷作品の中でもものすごく切ない。 ディズニーランドの閉園時のような切なさを全編通して感じる。 異国の地ニューヨ

        同志少女よ、敵を撃て

          これから一緒に殴りに行こうか

          『今から一緒に これから一緒に 殴りに行こうか』 これはチャゲアスのyayayaの歌詞の一説だが、 映画の構造を発見したのでメモする。 最近鑑賞したこの2作品。 『生きるべきか死ぬべきか』エルンスト・ルビッチ監督 『ジャッキーブラウン』タランティーノ監督 どちらもいよいよ最終決戦!という直前のシーンに yayaya現象が起っている。 「もう戻ってこないかもしれない、お別れのキスを」と、 当たって砕けろ精神な前者。 「もし店に助手が隠れていたらお前を殺す。最後に言ってお

          これから一緒に殴りに行こうか

          すいかの話

          2003年放送のドラマ『すいか』 人生に行き詰まっている30代半ばの信用金庫職員が、同僚の3億円横領事件をきっかけに家を出て、賄い付き下宿のハピネス三茶で暮らす話。 一話完結の全一〇話。 女性四人が下宿で暮らす日常のそれぞれの一日が一話ずつの内容になっている。 このドラマの魅力をメモする。 まず、『キャラクター』がひとりひとり粒立っていて全員愛おしい。全員。 主人公の信用金庫職員の基子:小林聡美 売れない漫画家の絆:ともさかりえ 大学教授の崎谷:浅丘ルリ子 大学生の大家

          すいかの話

          思わぬ不幸でプラマイゼロな話

          2日前。いつも通り化粧を終え立ち上がろうとすると足が痺れて右足の甲を捻ってしまった。めちゃくちゃ痛かった。 その日は予定があったのでそのまま家を出る。 腫れと内出血と痛みがひどい。 次の日、予定が昼からだったので病院に行った。 レントゲンを撮って待機。もう予定の待ち合わせの時間には間に合わない。のでちょっとイラついている。 名前を呼ばれ、診察室へ。 医者「どうする?」  担当医は日焼けをした60歳ぐらいの親近感が湧くおじいさん先生だった。 年で目が淡い緑色にとてもきれいに

          思わぬ不幸でプラマイゼロな話

          すべてはタイミング 2019

          2019年は183本の映画を鑑賞した。 作品の点数や順位をつけるのは苦手だけど、 心に残った作品を書き留めておきたいので羅列する。 ①『テルマ&ルイーズ』1991 ドライブに出かけた二人の女が男を殺してしまい逃亡する話。 お手本のような脚本の構成。テルマとルイーズの対照的なキャラクターと、二人が徐々にワイルドになる姿が印象的。 二人の女のロードムービーをやりたいと思っていたから もうやりたいこと全部やられてた感じ・・・ (午前10時の映画祭で鑑賞@立川シネマシティ) *

          すべてはタイミング 2019

          法廷とバナナの話

          私が世界で最も敬愛する人物、三谷幸喜 の最新作『記憶にございません!』 もちろん公開初日に観に行った。 随分と日にちが経ってしまったのは感想を書こうかめちゃくちゃ迷ったからだ。 三谷作品では他の作品にも多く見られるパターンがある。 廊下ですれ違う2人のカットバック。 『記憶にございません!』では敵対する黒田総理と鶴丸官房長官が 『ステキな金縛り』では、敵対する段田と小佐野弁護士が 『清洲会議』では、かつて仲間だった勝家と丹波が すれ違うシーンで同じ構図を用いている。 きちん

          法廷とバナナの話

          夜中の浜辺で何度もじゃんけんした話

          備忘録としていつか書こうと思っていた話。 6月のある水曜日。20時ごろ。 学校の門の前で友達3人が私を待っていた。すでにご飯は食べたらしい。 私だけ二次会からの参加のノリで合流した。 「どこ行く?」「どうしようかー」 「カラオケ?」「なんか微妙じゃない?」 と全く前に進まない会話を駅前のファミマで繰り広げる。 一人がドライブしようと言い出した。私は渋る。絶対に今日中に帰れなくなるからだ。帰りたい。帰って早く寝たい。 しかし多数決で負け、3対1でドライブに行くことになっ

          夜中の浜辺で何度もじゃんけんした話

          青いウィルスミスについての話

          大学受験が終わってから、自分のご褒美に劇団四季の『アラジン』のチケットを買った。 目の前で繰り広げられるエンターテイメントショーにめちゃくちゃ感化され 特にジーニーのキャラクターに強く惹かれた私はジーニー役の阿久津さんにファンレターを送った。 (阿久津さんは残暑見舞いのハガキと年賀状の返事をくれた。優しい) 私は本当に感動すると、一定の期間その余韻から抜けられなくなる。 アラジンは二ヶ月近く余韻から抜けられなかった。 そんな思い入れのある『アラジン』を初日の初回に鑑賞した

          青いウィルスミスについての話