How to 情報整理(参考書編)
はじめに
今回の記事は、主に学生やこれから専門的な知識を学んでいく方々に向けた内容となっています。情報社会で生きていく上で、私達の周りには様々な情報が滝のように流れ、ときにはそれらをうまくさばく必要が生じます。
皆さんの中には似たような経験をされた方もいらっしゃるかと思いますが、特に学生時代などで受験期が近づくと、卒業生や予備校の関係者などが「1日何時間勉強しろ」や「参考書は何十周もしろ」といった奮起を促すようなありがたいお言葉を頂いた方も多いのではないでしょうか。
もちろんメンタル的な面で発破をかけることはモチベーションに繋がることもあるでしょう。しかし当時の私は「もう少し有用で戦略的なアドバイスをもらいたいなぁ」とちょっと冷めた気持ちで話を聞いていた記憶があります。
今回は、そんな当時の私と同じような思いをした方に少しでも支えとなるような「戦略的」かつ「より利用価値のある」、主に参考書などに含まれる情報との向き合い方を議論していきます。(当記事をお読みになった方からのご意見、どしどしお待ちしております)
人は必ず物事を忘れていく
深く心に刻まれた思い出などは長期間覚えているものもありますが、ほとんどの記憶は人の頭から消えていくのが普通です。その際、また参考書を一から読み直していくのは時間と体力のコスト面でとても勿体ないことだと思います。
参考書を読んでいく際、並行して「見直しやすいように情報を再加工し、メモしていく」作業はほぼ必須と私個人は考えています。(これの具体的な方法については後ほど詳しく解説します)
メモを取る
そもそも参考書というのは、大抵の場合は通読するのに時間を要するものです。そのため、一度読んだ後に再度情報を確認したくなった際、また1から読んでいくのはあまりにも効率が悪いため、参考書を初めて読む際は、並行して必ずメモを取り、内容を再確認する際はそのメモから見ていくクセをつけましょう。
なお、慣習的に「紙のノートにペンで記録する」方法を取る方も多いかと思います。しかし、どこに何を書いたかをすぐに参照したい場合は「電子データ」が断然オススメです。
何故かと言うと、「紙のノート」の場合、メモの量が多くなればなるほど検索性が極端に下がるからです。(わかりやすく言えば、びっしり文字が書かれた10冊のノートから、たった1つだけ書かれた単語を探すことを考えていただくとその難しさは容易に想像できると思います。)
そのため、特に専門分野や資格試験の勉強などには、検索性が爆上がりする『電子データへのメモ』を活用することを是非ともオススメします。(ただし、同一の単語の数が増えると電子データでも検索の効率が下がる場合があります)
参考書は読者にとって「再確認」しやすいものではない
参考書のような本は、見やすいようにまとまっていることもありますが、何らかの単語や情報のまとまりをすぐに索引するようにはできていないので、特に重要な情報は電子データとしてメモしておき、必要になったら検索して確認できるようにしておくと便利です。
書籍とメモの関連付け
ページをメモする
参考書を読みながら電子データにメモをしていく際、定期的に「何ページ目か」を一緒に記録しておくと、万が一原本の内容を確認したくなった場合に便利です。
こうすることで、「頻繁に参照する情報ではない情報」を参考書から索引したいときに、いちいち探すよりざっくりとページですぐに特定できるようになります。
見方を変えると、『頻繁に参照されることが期待される電子データをインタフェースとして利用できる』ことになります。以下の図で見ると分かりやすいと思いますが、より抽象化された情報により、情報の層が作られ、索引のスピードが上がることがおわかりいただけるかと思います。
情報を切り貼りする
不必要なものは切り捨てる
参考書を読む方々にとっては、「その本に書いてあることの全てが必要というわけではない」場合もあります。その際は必要な情報だけを抜粋しつつ、自分なりにまとめておくとさらに効率を上げられます。
テーマでまとめる
専門用語の解説や、それに深く関連する記述は、まれにですがページが飛び飛びになっている場合があります。
それを電子データに集約すると、その事柄に関する全体像がまとめて確認ができるようになるため非常に効率的です。
参考書の元々の情報の記し方によってはうまくできない場合もありますが、余裕があれば是非心がけてみて下さい。
図を活用する
絵や図、グラフなどの情報を電子データに記録しておきたいときもあるかと思います。その際にそれらの情報を文章に書き換えるのは難しかったり見づらくなったりする場合もあるので、PowerPointやKeyNoteなどを使用して図を併記する方法がオススメです。コツとしては各スライドに「図と文書を両方含める」ことです。
複数の参考書に散逸する情報の集約
これまでの方法を用いると、複数の参考書に散逸している情報を同一の電子データ内に記録することもできます。(参照元となる書籍の名前と、そのページを電子データに記録しておくと便利です)
別々の参考書でも同一のジャンルであれば、同じ電子データ内にまとめることで検索の観点からも非常に参照が楽になります。
特に、例えば別々の書籍で同じ専門用語の解説をしているものがあれば、それらの情報をくっつけることでより見やすい資料とすることが可能です。
これは情報整理において有名な著書「超整理法」でも知られる『ポケット1つ原則』に基づく考え方で、管理する対象(今回は情報)はなるべく一箇所にまとめることで検索の効率を上げることができます。
時系列でまとめる
参考書内の情報に時間の概念が存在する場合、可能であれば時系列順にまとめることをおすすめします。
時系列でまとめることで、注目する情報を「過去」「現在」「未来」の3つの情報(つまりマジカルナンバー数以内)に抽象化でき、流れるように情報を俯瞰していくことができます。
※マジカルナンバーについては以下のリンク先が分かりやすいです。
色でまとめる
専門用語ごとにイメージカラーを決めると、抽象化がしやすくなったり、文章をパッと見た際にすぐに意味を読み取れるようになります。
例えば、以下はWikipediaの「電磁場」についての記事を流用した文章ですが、電場を黄色、磁場を紫色に着色することで、その単語の分布がひと目で認識できるようになり、『出現の比重やどういう文章の中に出てくるか』などがパッと見でだいたい判断できるようになります。
着色する単語数が多くなると少し手間がかる方法ではありますが、特に読み取りがやや難しい文章などに対しては読解の煩雑さが抑えられるためオススメです。是非ご活用下さい。
気持ちがつらいときにはやらない
個人的な経験則として、「テンションが低かったり、落ち込んでいるとき」に参考書に向き合い、情報をまとめようとしてもかなり作業効率が下がります。
こういった作業は私の経験則ではありますが、将来の自分のために試行錯誤してメモを取ったり情報を整理することが『楽しいとき』、かつ『十分に体力が備わっているとき』にしかできないものです。
なので、参考書や電子データへのメモに取り掛かる際は、まずは精神的・肉体的に良好な状態に戻してから行なうことをオススメします。
しかし、人は窮地に追い込まれていたり、期限が迫っているなどの理由でなかなか理想的なコンディションで作業ができないこともあるかと思います。ですが、焦る気持ちを抑えてコンディションを戻せる余裕があるのであれば、まずは本調子に戻すことを最優先にして下さい。
というのは、『後で見直す』事を考えた場合、不十分なコンディションで作られたメモは、利便性が下がることが往々にしてあるからです。人は本調子でないと『発想を得ること』より『楽な作業』に逃げがちなったり、全体のチェックをしなくなったりすることがよくあります。
自分の「これから」を決定する楽しさを大切にする
『情報をまとめる』ということは、自分の人生の方針を決定することにも関わります。それはまさに人生そのものを決定すると言っても過言ではありません。意思決定のための情報を自分で整理整頓、装飾し、自分にとってより良く、心地いい状態に保ち続けることで、「楽しく、素早く」将来に向けての意思決定ができるようになります。
皆さんにもなんとなく似たような経験をされているかと思いますが、右も左も分からない状態で物事を決定しなければならないとき、とてもつまらなく、つらく、惨めな気持ちを抱いたことはないでしょうか。そういう経験をなるべく避ける上でもこの考え方は非常に重要だと私は考えます。
もし、これらのことを意識せずに情報と向き合い続ける生活を送ってしまうと、情報と向き合うことに嫌気が差し、物事に対するモチベーションが極端に下がったり、ひどい場合は他人を利用して一方的に仕事を押し付けることしかできないような人間になってしまうかもしれません。
他人の協力を得て物事を成し遂げることは良い結果を生む有効な手段の1つですが、少なくとも自分の人生を他人に委ねず自分で決定する気概は手放したくないところです。
この記事を通じて、あなたの未来がより明るいものになることを祈っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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