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✨️組織の認知バイアスを回避するためのアプリデザイン⚖️

こんにちは。綾沙汰です。

今回は組織の認知バイアスによる意思決定の判断ミスを予防するようなアプリデザインについて議論をしていきます。



✅️はじめに

当記事の読者は『アプリ開発者で、アプリを使用するユーザに誤った意思決定を回避してもらうためのノウハウを知りたい』もしくは『ユーザの視点からアプリデザインのやや深堀りした話を聞きたい』という方を対象としています。

なお、当記事の内容は「ユーザに(特に開発者の利益となるような)特定の行動を促す」ような誘導を意図したものではなく、あくまでユーザの判断ミスを減らすことを目的としたものです。

また、「『組織の認知バイアス』って何?またその普遍的な予防策は?」という方向けの記事が既にございますので、ご興味がある方は是非ご確認下さい。(こちらの記事でも簡単に説明をさせていただいておりますが、より詳細に知りたいという方は以下のリンクから記事を見ていただければと思います)


✅️アプリデザインにおける「組織の認知バイアス」

先程の記事にも書きましたが、認知バイアスとは、私たちが意思決定をするときに、先入観や経験則、直感などに頼って非合理的な判断をしてしまう心理傾向のことを指します。

特に組織のような集団で行なう意思決定は、多くの人々の認知バイアスが重なることで、判断ミスを発生させる確率が非常に高くなります

組織で利用するアプリと言えば様々なタイプのものが想定されますが、今回は『Web会議が可能なチャットアプリ』、そして『フリーボードアプリ』を取り上げて議論をしていきたいと思います。

ここで述べる『フリーボードアプリ』とは、まっさらなキャンバスに複数人で自由に図などの描画、文章の記述が可能で、その変更がリアルタイムに反映されるコラボレーションが可能なアプリとします。

これらのアプリは通常、仕事で使用する場合、何らかの結論を出す、もしくはそのための提案をすることが期待されます。(大きな決断の場合は実際に会議室などに集合して結論を出すかもしれませんが、私達は日常の何気ない業務において、小さくとも多くの様々な意思決定をしているはずです)

そのとき、これらのアプリを使用する際に認知バイアスがどういう影響をしていくかを確認し、その対策を考えていきましょう。


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✅️バイアスにおける判断ミスを予防するデザイン

組織の認知バイアスによる意思決定のリスクの記事でも説明しておりますが、提案者が提案をする際、そこには3つのフェイズで認知バイアスが潜む危険性がありました。更に、それらを予防する上で普段から「正当性・専門的・機械的」なアプローチで普段から意思決定の質を担保することで、バイアスによる影響を減らすことが可能であることも解説いたしました。

これらをアプリデザインに落とし込む場合、一体どうすれば良いでしょうか。まず、アプリ上で認知バイアスとなりうるものを列挙してみます。

  • 確証バイアス

  • アンカリング

  • 感情ヒューリスティック

  • 利用可能性バイアス

これらの特徴と、その対策をこれから議論していきます。


📑確証バイアス

『確証バイアス』とは、自分の先入観と矛盾するような証拠を無視してしまうバイアスで、これがアプリ上で起きうる例としては、「チャット欄を眺めた際、自分の意見と異なる情報をスルーする」こと、更には「ブックマーク機能により、確証バイアスの影響を強めてしまう」ことなどが挙げられます。

アプリは普通、各個人で使用するもののため、情報の無意識的な取捨選択はどうしても起きてしまいがちです。これに対処するには、アプリの使用におけるルールを決めることが挙げられます。

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