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転職活動で拓けた未来

「これまでやってきたこと、経歴も成果も全部忘れて、自分の言いなりになるように」呼ばれた先で一時間の洗脳が毎月続いた。日本語は通じず、私は口を開きようもなく黙っていた。
30年かけてやり遂げてきたもの全てを奪うこと、すなわち心の核を奪うことは廃人にすることと変わりない。部長と課長は私の精神を荒廃させると言っている。

心が拒否した。
すると「詰まっているから転職するように」と言われた。詰まっているのではなく詰めたんじゃん。その言葉も飲み込んだ。息もできない猛暑の最中のことだった。
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私は自分の人生を諦めたくない。気付いた時には動いていた。同僚、友人に対策のアドバイスをもらい執行役員、業務本部長、事業部長に交渉を行っていた。「横取りされた成果、消された成果を返してもらいたい」と。

併せて、転職活動を始めた。せっかく「勤務時間を活用していい」とまで言われたので、フル活用させていただくことにした。
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やむを得ず始まったこの転職活動が新たな発明を知り、私を成長させることになる。

食品メーカーの法務担当を受けた。
有名メーカーいくつかは飲食業用から家庭用にシフトし、過去最高益をあげていた。
新製品という液体のこうじ味噌を使ってみた。味噌汁が別格に美味しい。素材を殺さずして深い味を引き立てる。更にここに新製品という粉末の出汁を入れてみた。袋から出す時点でいい香りがする。これまで昆布や煮干を1時間近く煮立ていたのが時間の無駄でしかなくなった。
毎日「あー、美味しい」と味わっていた味噌汁はただのお湯に野菜を浮かせたものにしか感じられなくなった。
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技術メーカーも負けてはいない。
これまで「便利」「早い」にばかり気を向いていたが、「安全な空気」に向いた。エアーカーテンの大手メーカーは会話中の唾液を吸い取る機械がバカ売れ、医療機関の注文に対する納品が3ヶ月待ちだそうだ。
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さらにコンプライアンスも進む。
この御時世、「管理部門は」と思うかもしれないがそんなことはない。
例えば虐待をAIが判断するシステム開発に邁進している企業や、
男女平等は当たり前。LGBTも含めた多様性の組織づくりのためお手洗い、更衣室の配慮を始めている企業もあった。
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世の中を知ることは、心の栄養。
「辞めろ」と言われてからどんどん元気になっていく。

プライム市場の役員様と面接させていただけることなど滅多にないから、貴重な時間を大切にすべく自分を成長させる。
原則を言わずに例外を話すと極端に見えるからまずは原則を丁寧に。かといって従順さを押し出すとイノベーション能力が欠如してみえる。だから、イノベーションの手順も話すこと、但しコンパクトに。
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気付いたら、転職を勧めてきた相手に、「ある自動車メーカーは、自動運転車に先立ち損害賠償条項を変えてくるから、うちも手を打たないと」なんて、未来に向かった話をしていた。
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ただ、煙たがられているリアルはそのまま。12月24日有休を消化し、第一志望の最終面接に挑む。その朝8時丁度だった。

「役員が呼んでいる。28日に出社するように。」との連絡だった。
最高位の役員が
「貴女を辞めるように言っているのはあいつらだけだから。これからは二人で一緒に仕事しよう」と仰ってくださったのだ。
信じられなかった。
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結局、私は現職にいるが、転職活動前の私とは違う。眉間にシワを寄せ、不平不満でため息か挨拶か分からない「おはよう」をし、生気を失い俯いて歩いていたあの頃の私はもう居ない。
今は、世の中を知り、多くの知識や情報で未来を向いている。転職活動で出会った人々と尊敬する代表取締役との出会いが導いたここは、私が切り開いた場所なのだ。
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自分の人生を切り開けるのはただ一人自分だけ。だから、出来ること全てやってみる。
明日、何が起こるかわからないけど、私は明日が楽しみ。なぜならそこは、どんな場所でも自分が切り開いた自分の人生なのだから!

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