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悲しい出来事を嬉しいことに変えてくれるのは、自分ではなく他人

大雪でバスが止まり駅までタクシーで向かう。降りたところに500円が落ちていて、とりあえずいただいた。

図書館で勉強していたとき、ピンクの半透明の消しゴムを転がしてしまった。友達と一緒に探したが、見つからない。諦めて二本線で消す。

国家公務員試験、約500人はいるだろう巨大ホールの会場で、院卒の私の隣の席は、偶然、大卒のきょうだいだった。
………………
この出来事があった街は五大都市で、日頃から人は少なくない。特にバスが止まっていたからタクシーの数も、利用者も数え切れない。そんな場所で、私より先にタクシーで駅に向かったきょうだいが降りたところで落とした500円を私が拾ったのだった。偶然、同じ場所でタクシーを降車して、偶然、私が見つけた。

家に帰ると、食卓に私がなくした汚れたピンクの半透明の消しゴムがあった。偶然、図書館にいたきょうだいの足元に消しゴムが来たらしい。
…………………
祖母の体調不良の連絡で、駅からタクシーを飛ばす。
「お姉さん、その住所、さっき乗せた人と近いんだけど、『あやと』さんって家、分かりますか?」
という。
「何故聞くの?」
と答えると、タクシーの運転手さんは、私にきょうだいの定期券を渡した。
「『あやと』って名字が書かれた定期券を前のお客さんが忘れていたんだよ。」
きょうだいが乗ったのと同じタクシーに、偶然、私が乗り、きょうだいの定期券は私のもとに届いた。
駅からはタクシーで片道約30分で往復が簡単ではない。繰り返しになるがその上、5大都市でタクシーは数え切れないほどの列を成している。にもかかわらず、時差で同じタクシーに乗っていた。
………………
きょうだいと私は双子ではないのに、お互いの忘れ物やなくしものを拾ったり、街等で出会うことがある。

科学的には証明がつかないし、驚くのは家族ばかりで人には信じてもらえないからなかなか話せない。
しかし、そんな不思議な出来事がこれまで数え切れないほどあるのだ。

困ったり、大事な場面で出会う何かがあるのかな。
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ただ振り返ってみると、きょうだいに限らず縁ある人とは出会う場面と仲が深まる場面が異なったり、再会したりすることが暫しある。

知り合った場面は3年前、空白の時を経て今、仲良しとか。

面接官は、前職の懇親会で酌み交わした人だったとか。

人の縁や結びつきは、偶然なのか必然なのか?運命とか縁とか、見えないものの力を信じたくなるようなことがある。そして縁がもたらすものは、悲しい気持ちを打ち消す、喜びのことが多い。
だから出会いに期待したいし、世の中に希望を持てるのかな。
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きょうだいは500円をなくしたことも、6万円もする半年定期券をなくしたことも、悲しかったと思う。
私は消しゴムをなくして不便した。

しかし、帰ってくる。それは自分ではなく大事な人のところに。そして、悲しい出来事が驚きと喜びに変わる。

縁とか、テレパシーとか、分からないけど幸運を運んでくれるのは、自分ではなく他人。だから人との接点は大切にしたい。
悲しい出来事を解決出来るのは自分ではない。悲しい出来事や大事な出来事のときに、喜びを届けてくれるのは、縁ともいえる何かで結ばれた他人なのだから。
……………
打ち合わせも予告もなく、
きょうだいとなぜか出会ってしまう、きょうだいとたすけあっている不思議な体験。
それが私のレア体験。

とても嬉しいので、嬉しいことに使わせて下さい(^^)