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なんかスキ

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よくわからないけど、スキだと直観的に感じた記事を集めてみた。  何がスキなのかは、集めているうちに気が付くかもしれない大笑。
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#オールカテゴリ部門

ざわめきが聴こえる夢 -ロベール・ドアノーの写真の魅力

写真というのは、絵画と同じ二次元表現でありつつ、必ず「かつてあった現実」を切り取っていることに大きな特色があります。 そして、私が好きな写真は、現実を切り取ると同時に、その奥にある見えない何かを掴んでいる写真です。 フランスの写真家ロベール・ドアノーの写真は、私にとってそんな芸術の一つ。パリのかつてあった雑踏の中から、詩情と、ざわめきの音楽が立ち上ってきます。 ロベール・ドアノーは、1912年フランス生まれ。もともとは石版画を学び、広告会社に就職しますが、写

自叙架空#154

私の愛犬のハスは三歳の雄で、雌犬が大好きなお調子者のシベリアンハスキーだ     その日私はとある公園でハスと戯れていると、素敵なわんちゃんですね、と声を掛けられたので振り向いたところ、とても綺麗な女性とその女性が連れている美人犬がいて、私もハスも一瞬で心を奪わた上に、お互い愛犬家ということで私と女性は会話が弾み、足元ではハスと美人犬が情熱的にじゃれあっていた 私はとても綺麗な女性とお近づきになれて内心歓喜していたものの、そのうちハスが体をぶるっと震わせ『うれション』をし

アラフォー主婦が1か月野球をやり続けて得たもの【REAL ROOKIES⚾️】

何がどうしてこうなったのか分からない。 分からないけど、なぜだか私は今、野球場にいる。キラキラ輝く瞳の少年たちに囲まれて。 #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 ⚾️・・・ さかのぼること1か月前、小学4年生の長男が言い出した。 「野球やりたい!」 やきゅう〜? 我が家はどちらかというとサッカー派で、小学1年生の二男はサッカースクールに通っている。 聞くところによると、長男と同じクラスに少年野球チームに所属している子がいるらしい。その子は大谷翔平が大好きで、各

借物の外套

 私は本屋のアルバイトだった。しがない本屋のしがない学生アルバイト。  大学でも地味でぱっとせず、人付き合いのいい方でもないから、当然彼氏はいないし、友だちも少ない。合コンに誘われることもない。マッチングアプリで一度男の人と会ってみたことがあるが、これがひどいマザコン男で、女は嫁で、子どもを産む装置で、労働力と考えているような、前時代的、という言葉が優しい響きに聞こえるほど化石的な思想をもった人物だった。  初対面で経験人数を訊かれたので、ぐーで殴って帰った。ぐーで。幸い男は

【フォト小説】たどりついたら猫の島

※この作品はフィクションです  私が三十八歳のときに、夫は三十九歳で他界した。  夫の遺品を整理している最中、免許証を見て、その本籍地が香川県の佐柳(さなぎ)という場所であることを思い出した。夫の父は佐柳島という瀬戸内海に浮かぶ小さな島の出身らしい。横浜生まれで横浜育ちの夫も、その父と同じく本籍地はだけは佐柳島になっているらしかった。  一周忌が終わった後で、私はその佐柳島へ行くことにした。夫の父親も若い頃に島を出ているわけだし、本籍地の住所に行っても何も無いことはわか

写真作品「半透明の時間」

わたしは、具象表現と抽象表現、あるいは日常と非日常の懸け橋となる美を表現の中心に据え、アート作品の制作と発表を続けている写真家です。 これからご紹介する「半透明の時間」は、2023年7月、福島県福島市郊外の風花画廊において、個展を開催し発表した作品群です。 このnote記事では、それぞれの写真に籠めた精神をあらためて解釈し直し、自問自答や散文、詩に似た形で付記しました。それは解説でもあり、場合によってはそうでなくもあり、わたしの心が漏らしたつぶやきのようなものと受け止めていた

メンタル・マッチョ・ゴリラ<誕生編> vol.1   「一撃必殺」

時は就職氷河期。 糖分、炭水化物、脂肪の順で野菜以外の食べ物を愛し、漫画と遊びに呆ける最大重量70キロのおなご=私。 母子家庭かつ絶望的な成績と人一倍のやる気のなさで、もれなく就職が危ぶまれていた。 そんな親不孝な阿呆が、 一撃必殺 コネなしで業界トップの社を射落とした。 、、、しかし、その奇跡には裏があり、、、。 「ジャングル」と呼ばれた地での会社員時代を綴る。 私は、確かに底辺学生といえた。長野と長崎、宮城と宮崎を混同する度、仲良くなった留学生から「それは