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【映画16】カラオケ行こ!(2024)

都合や体調不良などが重なり、こちらのアカウントでは久しぶりの投稿になってしまいました。

久しぶりの鑑賞記録は、最近観た作品から。

映画のジャンルとしては、洋画ばかりを観る私ですが、邦画は評判が良かったり予告で気になったりした時に観ています。(ちなみにアニメは別です。)

この作品も、評判が良かったので気になっていました。
マンガの実写化は賛否両論にも関わらず、「原作の雰囲気が出ている」と意外と好評だったのでますます気になりました。

ちなみに鑑賞前はマンガ『カラオケ行こ!』は未読でしたが、和山やま先生の『女の園の星』は試し読みで読んだことがありました。シュールでありながらもクスッと笑えるかんじで、おもしろかったです。



※この記録にはネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。



◆あらすじ

雨降りしきる合唱コンクールの日。中学生で合唱部部長の岡聡実おかさとみはヤクザ・成田狂児なりたきょうじに声をかけられる。
「カラオケ行こ!」と。
狂児によると組のカラオケ大会で最下位になると罰ゲームがあり、それを回避するため悩んでいたそうだ。聡実に歌が上手くなるコツを教えてほしいと言う。一方で、聡実も変声期の時期で上手く声が出せず悩んでいた。
悩める中学生と、歌が上手くなりたいヤクザ。交わらなさそうな二人の関係性が物語が進むことでどのように変化していくのか?


X JAPANの『紅』が頭から離れなくなる

この作品のテーマソングと言えば、何といっても『紅』です。
主題歌になっているのはもちろんですが、作中に何度も登場します。
狂児の「紅だーーーーー!!!!」という雄叫びも含め、何度も聞かされたおかげで『紅』が頭から離れなくなりました。もちろん良い意味で。
しかも、歌詞が物語に上手くリンクしていて、最後の聡実くんの『紅』には思わず泣かされそうになりました。
また、音楽でいうと作中のインスト曲もとても良かったです。雰囲気によってテンポや楽器なども変えていてこれもまあまあ頭から離れなかったです。

クスッと笑える感じが良い

最初にも少し書きましたが、本作は和山やま先生の『カラオケ行こ!』が原作です。実写化と言えば評判が良くないことが多いですが、この作品はそうではなかったのが観ることを決めたポイントのひとつでした。
『女の園の星』を読んだときもそうでしたが、シュールでクスッと笑えるところがおもしろくて、今作の実写化はその雰囲気も上手く再現できていたように感じます。
狂児の”終始裏声が気持ち悪い”歌い方とか、たんぽぽの兄貴の話とか。最後の組長のリアクションもそうでしたね。
それに和田くんが聡実に突っかかるシーンや、聡実が狂児に思わずキレてしまうシーンも気まずくして終わるのではなく、返し方が上手いなぁと。会話の後味って大事なので、そういう意味でも好きでした。

キャストがピッタリ!

何より狂児を演じた綾野剛さんと、聡実を演じた齋藤潤くんがハマり役でしたね。この二人だったからこそ、作品の空気感を出せたのではないでしょうか。狂児のあっけらかんとした感じとか、聡実くんの初々しさと静けさの中にある戸惑いや情熱とか。
鑑賞後に気になって原作を買って読んでみたのですが、その後でも変わらずこのキャストで良かったと思えました。
他にも、細かいところではありますが、聡実のお父さんや狂児のおじいちゃん(名前を書き変えた人)やヤクザの人たちなども良かったです。脇役の人たちまで好きになれると、自分の中では良い作品といえます。

◆総評

実は配信サービスでこの作品を観ていたのですが、最初は聞き流ししていたんです。でも、聞きながら「あれ?なんかおもしろくない?」と思って、もう一度改めて真剣に観た経緯があります。
さらにその後、原作を読んだ後にもう一度観たので、結局この短い期間に少なくとも3回は観ています。そのくらいお気に入りの作品になりました。
原作と変わっているところや追加されているシーンもありましたが、それもすんなり受け入れることができました。逆に良かったのは『紅』の冒頭の英語を聡実が訳すシーンですね。あれがあったからこそ、最後の聡実の歌唱シーンがより染みました。それに、和田くんが異様に聡実に突っかかってくるなぁと思いましたが、それも中学生ならではの青春だな、と。そして何より、ラストシーンも良かったですね。原作とは異なりましたが皆までは言わないリスペクトした終わりかた、あれはあれで最高でした。
後味も悪くないですし、ぜひまた何度でも観返したい作品です。

ちなみに、『カラオケ行こ!』の原作には『ファミレス行こ!』という続編もあるようですね。これも数年後実写化されないか楽しみに待っておこうと思います。

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