ボーダーを越えたい

英語が話せない。

小学校から大学まで、みっちり学んだはずなのに。

英語が話せない。

公文式も通ったし、塾にも通ったし、大学でも学んだのに。

英語が話せない。

わたしは机の上でしか英語を学んでこなかった。
実際にコミュニケーションで使ってこなかった。

受験英語はできるのに、コミュニケーションはできない。

読めるけど、話せない。
理解できるけど、伝えられない。

バイリンガルな友人を前に「わたしも標準語と大阪弁のバイリンガルやで！」と冗談を言ってみるも、冗談しか言えない自分に実はこっそり劣等感を抱いている。

以前泊まったゲストハウスで。

同じ日に泊まっていたイギリス人留学生に、言われてしまった。

「日本人は、僕が言ってることは理解しているのに、"自分は英語ができない"って恥ずかしがって全然話してくれないんだ」

わたしは何も答えられなかった。

笑いながら話す彼の英語を、わたしははっきり理解していたのに。

返す言葉が見つからなかったわけじゃない。
何も感じなかったわけじゃない。

でも、その時に感じた気持ちを英語で表現することが、わたしにはできなかった。

完璧主義で、間違えることが怖くて。
伝わらないことが怖くて。

そんな、ほんのちょっとの不安や恐れのせいで、ボーダーを飛び越えることに対して足踏みしてしまう。

わかっているのに。わかっているはずなのに。

それでも、ちっぽけなことで足踏みしてしまう自分が、なんだかとても悔しい。

yeah!とジェスチャーでなんとなくコミュニケーションはできるけど、そこを越えられない。

でも、越えたい。

自分の中にあるたくさんのボーダーを、わたしは越えていきたい。

越えた先に、きっとまだまだ楽しい世界が広がっているって思うから。

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