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永遠に残したい今が、手の平からどんどんこぼれおちてゆく

最近つくづく思う。子どもの成長は一瞬なのだと。

後追いが激しかった赤ちゃんの頃は、わたしがトイレに行くだけで泣いていた娘ちゃん。それが今では「お母さんちょっとトイレいってく「ばいばい」」と、食い気味でバイバイしてくれる。わたしが多少トイレにこもって姿が見えなかろうが全然平気らしい。

公園で遊ぶのも、ただ広い場所さえあればそれでよかった。小さな石を拾ったり、階段を上ったり、坂道を駆け降りるだけで楽しかった。それが最近は、お友だちが誰もいない公園ではつまらなさそうにするようになった。誰かと一緒に遊びたい気持ちが出てきて、でもその「誰か」は「お母さん」ではなくて。

あぁ、わたしと2人で遊ぶだけで満足する時期は、もう過ぎてしまったのかな、なんて、少し寂しくなった。

できることが増えていく。どんどん成長していく。そして、わたしの手からどんどん離れていく。もちろん嬉しい。でも、やっぱり寂しい。

もちろんまだまだ手のかかることは多くって、ひとりで出来ないことも多い。でも、確実に自立していっているのを感じる。幼児ではあるけれど、ひとりの人間として、めきめきと成長しているのを感じる。

2年前のわたしと今のわたしを比べても大した成長は見られないのに、我が子の2年前と今は全然ちがう。わたしがのんびり彼女のことを眺めている間に、ぐんぐんぐんぐんと成長していって、きっと本当にわたしの手から離れてしまうその日はあっという間に来るのだろう。

あぁ、寂しい。なんて寂しいんだろう。でも、そんな成長を待ち望んでいるわたしもいる。矛盾した気持ち。複雑な想い。きっと、母になったことのある立場の人ならよく分かると思う。

あれもこれも、写真に残して、動画に残して、記録として文章に起こしておきたい。この瞬間を、永遠に閉じ込めておきたい。一瞬たりとも忘れたくない。毎日がそんな日々の繰り返し。
でも、どれもこれも記録に残すことなんてできない。永遠に閉じ込めておくこともできない。
かけがえのない瞬間を、贅沢にも取りこぼしながら毎日を過ごしている。両手で頑張ってすくってみても、指の間からぽろぽろとこぼれおちてしまう大切な日々のカケラ。一生懸命すくっている間に、我が子はどんどん先に進んでいってしまう。待って、置いてかないで、もうちょっとここにいようよ、と呼びかけたいけれど、彼女の歩みを止めたくはない。

あぁ、なんて幸せな日々なんだろう。

すやすや眠る娘ちゃんの寝顔を見ながら、やっぱり思う。

「この時間が永遠に続けばいいのにな」

永遠なんてないって、分かってはいるのだけれど。


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