[遺稿シリーズ]第十二夜〜灯台の一番星
みこちゃんの下のシリーズを娘に読ませたところ、さらさらっと書いてしまいました。
chihayaん家の畳の下から、某文豪の遺稿が見つかったので掲載しました。
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吾輩は何であったか忘れた。
ただ某と呼ばれていたようである。
いつのことか、どこの記憶か判然(はっきり)と判らぬが
今になってよみがえってくるものがある。
あるいはこれは夢であったかもしれぬ。
自分は岬の突端に立っている。
風がひどく吹く。
日が真っ赤にもえてざぶんと海に沈んでいく。
俺は、いくら海でも太陽の火を消すことはできまいと思っている。
海の中で日は燃えるであろう。
向こうに灯台がある。
俺はあれに光を灯さねばならぬ。
くるりと振り向いたところに小僧が立っていた。
「僕がもう灯しました」
そう言って笑う。
俺は本当だろうなと尋ねた。
はい本当ですと小僧が答える。
自分は胡散臭く思っている。
役を横取りされて厭な心持ちである。
この世の中にませた奴ほど手に負えぬものはない。
どういう了見かこの小僧は日傘を差している。
まるで女みた様だ。
それで得意気に笑っているのが癪に触る。
小僧のくせに俺より偉そうにしている。
自分は腹が立ったから小僧の傘を取り上げてやった。
傘は風にあおられてふわっと飛んでいった。
「もうじき灯りますよ」
小僧が言った。
振り返って見ると、灯台のところに一番星がさしかかっていた。
小僧はたしかに光を灯したのである。
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嘘ですchihayaの娘ちゃんでした。
夏目漱石の真似でした。
みこちゃん、勝手に真似しちゃいました。
娘の創作意欲をステキに刺激する作品どうもありがとうございます!
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