梶井彩子

右の立場から言論における右左について、対米関係について考え中。雑誌やネットメディアに時…

梶井彩子

右の立場から言論における右左について、対米関係について考え中。雑誌やネットメディアに時々寄稿。読んだ本のレビューや、テーマを深めるための記事を公開します。第二次安倍政権に関する本を読む「あべ本レビュー」も。ご連絡はこちらまで→ayako_kajii(a)yahoo.co.jp

マガジン

  • Netflix+書籍で知識を深めるシリーズ①

    動画と本で、様々なジャンルの知識が深まる組み合わせをご紹介、おすすめポイントや勘所を解説するシリーズです。

  • あべ本レビュー 10冊パック③

    第二次安倍政権について書かれた親安倍・反安倍書籍を読んで好き勝手に解説する「あべ本レビュー」、#21から#30までをまとめたマガジンです。この10冊は「記者職」の方の著作が多く並びました。中身はもちろんピンキリです。

  • あべ本レビュー 10冊パック②

    第二次安倍政権について書かれた親安倍・反安倍書籍を読んで好き勝手に解説する「あべ本レビュー」、#11から#20までをまとめたマガジンです。今回は香山リカ氏の隠れた「あべ本」や、反あべ本を連発している佐高信さんの本などを取り上げました。

  • 嫌韓と知韓を考えるシリーズ

    日韓関係の悪化で、「嫌韓メディア」と称される右派が過激なタイトルで雑誌を売ったが、左派(リベラル)メディアは右派に物申すだけで自らの主張を展開できていなかったのではないか。一方で、書籍では「知韓」を促す良書も。日韓関係が気になる右派にも左派にも読んでもらいたい記事をまとめました。

  • あべ本レビュー 10冊パック①

    第二次安倍政権について書かれた親安倍・反安倍書籍を読んで好き勝手に解説する「あべ本レビュー」、#1から#10までをまとめたマガジンです。今回は望月衣塑子記者、山口敬之氏、安冨歩氏、相澤冬樹元NHK記者らの本など幅広い著作をチェック。

最近の記事

安倍晋三はなぜ人を狂わせるのか

なぜ、安倍晋三という人は、ここまで人を「狂わせた」のだろうか。 2022年7月8日、銃弾に倒れた安倍晋三元総理。事件の捜査や真相究明はさておき、事件直後から「親安倍派」「反安倍派」のこの事件に関する書き込みが恐ろしいほどに続いている。もちろん一方は「なぜ」「どうして」「悲しい」というものから、その死を悼み功績をたたえるもの、あるいは「国葬を行うべき」とするものなど。 もう一方は「礼賛化に危惧」「(事件の犯人が理由に挙げた)統一教会と自民党、安倍との関係について報じよ」とい

    • 【あべ本#35】橋本勝『風刺漫画 アベ政権』

      ■まだ開けていない扉があった!某大手書店でこれまた平積みになっているのを見つけて驚きました。 橋本勝『風刺漫画 アベ政権』(花伝社)、2017年に出版されていたのに、完全に見落としていました。私としたことが! 書店の「平積み台(平台)」はどの出版社の営業も「自社の本を置いてほしい!」と切望するスペース。いつから置かれていたのかはともかく、発売から5年を経ようという今も平台に置かれているということは、書店側の熱意か、あるいは実際売れているのか。 おそらく両方なのかなと思う

      • 【すが本#1】西谷文和『ポンコツ総理 スガーリンの正体』

        出オチ感満載の「すが本」「すが本もレビューしようかな…」などと思っているうちに、菅政権があとひと月ほどで終わるという事態となっております。すでに刊行されている「すが本」の何冊かは「あべ本」と重なっており、当欄で取り上げたこともありますが(例えばこちら)、「純粋なるすが本」というのも当然、存在しますし、新政権に切り替わってからもぽつぽつと発売されるに違いありません。 で、こちらの本なのですが。タイトルのインパクトだけで押そうという出オチ感が満載なのですが、読んでみました。とい

        • 【あべ本#34】朝日新聞取材班『自壊する官邸』

          ■安倍批判の弾幕が薄いよ! 何やってんの朝日新聞紙面でも連載していた「未完の長期政権」。安倍政権の総括をしつつ、そのあとを継いだ菅政権の課題を浮き彫りにしようという内容で、その連載が書籍化されました。 「え……新書なの?」と思ったのは、朝日新聞の気合が感じられないから。これまで、集団的自衛権行使容認やモリカケ問題などでは、四六判単行本でねっちりとインサイド情報含めて分析していたのに(「あべ本」1冊目でもある)、今回は新聞連載にさほどの加筆もないまま、しかも200ページに満た

        安倍晋三はなぜ人を狂わせるのか

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        • Netflix+書籍で知識を深めるシリーズ①
          6本
        • あべ本レビュー 10冊パック③
          10本
        • あべ本レビュー 10冊パック②
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        • 嫌韓と知韓を考えるシリーズ
          5本
        • あべ本レビュー 10冊パック①
          10本

        記事

          【あべ本#33】齋藤芳弘 (文)、矢吹申彦 (絵)『嘘つきシンちゃんの脳みそ』

          ■「あべ本」ウォッチャーとして不覚でしたいやー、やはりコロナ禍と言えど、定期的に大きな書店に行かないとこういう本を見逃しますね。政治コーナーにこんな本が面陳されているとは! 思わず二度見しました。こんな本が出ていたことに気づかなかったなんて、「あべ本」ウォッチャーとしては不覚。 本書、当然、反安倍の方々の手になるものですが、なんかもうここまで来ると「愛なのでは?」と思いたくもなります。もはやファンブック。この本を家に置いておきたくないですよね、普通は。安倍嫌いならなおのこと

          【あべ本#33】齋藤芳弘 (文)、矢吹申彦 (絵)『嘘つきシンちゃんの脳みそ』

          【あべ本#32】安倍寛信『安倍家の素顔』

          ■ハロプロ写真集系出版社が出した「奇書」なぜか新宿紀伊国屋書店(3階)で大展開されているのを目撃した、装丁からしてかなり独特の雰囲気を漂わせているこちらの「あべ本」。なにせ筆者は安倍前総理の実兄・安倍寛信氏だというのだから読まないわけにはいきません。 達筆で安倍前総理の字にそっくりな題字は、ゴッドマザーこと安倍洋子氏、つまり安倍前総理らの実母の手によるものでございます。 不思議なのはこの本、オデッセー出版というところから出版されているのですが、こちらの出版社はハロプロ系の

          【あべ本#32】安倍寛信『安倍家の素顔』

          【ネタバレ注意】シン・エヴァンゲリオンを観てきました(個人的メモ)

          ■ 何をもって「ネタバレ」というかはともかく、事前情報を極力仕入れないまま作品に対峙したかったため、公開初日に劇場へ足を運びました。この記事も、ネタバレというほどには細かい点には触れませんが、でも「こうだったよ」「ああだったよ」というそれ自体が一種の「ネタバレ」でもありますので、注意として表示しておきます。 いやー、旧劇場版も公開時に観ていたものとしては感慨深いというか、とにかく「シン」を観ての一言は、「憑き物が落ちた」というこれに尽きるように思います。 旧劇は、それは

          【ネタバレ注意】シン・エヴァンゲリオンを観てきました(個人的メモ)

          森発言をめぐるあれこれにモヤモヤしている皆さんと考えるための個人的論点整理

          「森発言」について、なんだかなあと思いながらも、流れてくる情報やツイートが目に留まる。しかし「黙っていたら黙認と一緒」「即刻辞めさせろ」「いいや、あれはむしろ女性をほめている!」などと極論が飛び交うと、うっかり口にも出せないというか、どっちにも与したくないんだけど、という方もいますよね。 この記事はそうした「極端な立場のどちらにも参加できない」「なんかモヤモヤする」と感じている方にお読みいただきたい論点整理の一案として書いてみたものです。そして、読み終わったからと言っていず

          森発言をめぐるあれこれにモヤモヤしている皆さんと考えるための個人的論点整理

          陰謀論拡散、悪いのはAIではなくやっぱり人間である

          ■開けたウェブに生まれた「閉ざされた言語空間」米大統領選をめぐる「情報ソースの大混乱」や「陰謀論の広がり」が改めて話題となっております。SNSやYouTubeにおけるエコーチェンバー現象や「関連動画」が次々と再生されるアルゴリズムの仕組みによって、「開けているはずのインターネットで、閉ざされた情報に漬け込まれてしまう」状況が生まれていることが指摘されております。また、「いいね」や「RT」を得たいという報酬系を刺激され、より「ウケる」ネタや言説を振りまいてしまう行為も問題視され

          陰謀論拡散、悪いのはAIではなくやっぱり人間である

          陰謀論とは何か―自分を「正義の側」に置いたらおしまいです

          ■どこにでも広がる陰謀論の入り口『週刊プレイボーイ』2020年12月21日号の「ギャルの流行語大賞2020」を読んでいたら、陰謀論への入り口が開いていました。 「安倍さん辞任したけど、数年前にとっくに別人に入れ替わっていたらしいよ。耳が数年前とまったく違うから、誰かが整形して成りすましてたんじゃないかっていう都市伝説」 私自身、陰謀論関係の本が昔から割合、好きで、『ムー』的なものはもちろん、9・11の自作自演説などの政治的陰謀、最近はグローバルIT企業の陰謀を扱って人気の

          陰謀論とは何か―自分を「正義の側」に置いたらおしまいです

          【あべ本#31】田原総一朗×望月衣塑子『嫌われるジャーナリスト』

          「もはや望月本」レビューか「安倍政権は終わっても、あべ本レビューは終わりません」 というか、むしろここからが本番と言いますか、今後安倍政権総括・検証本がたくさん出ることでしょうから、モチベーションを上げつつレビューに取り組んでいきたいと思います。 本書は安倍総理・菅官房長官時代の対談。「もはや望月本レビューじゃないか」と言われそうですが、じゃんじゃん出るので読まないわけにはいきません。 少し前にも佐高信さんとの対談本をレビューしました。 あの本は本当に得るものがない一

          【あべ本#31】田原総一朗×望月衣塑子『嫌われるジャーナリスト』

          【中国崩壊論・番外編#1】宋暁軍ほか『不機嫌な中国 中国が世界を思い通りに動かす日』

          中国の人々の「むき出しの本音」とは急に忙しくなったり図書館がコロナの影響で閉館していたりで進んでおりませんでした「中国崩壊論検証シリーズ」。まだ一冊しか取り上げていないのにもう番外編かという感じですが、このシリーズに合わせて「中国人の本音は那辺にありや」ということで、中国人による中国論的なものもご紹介していこうと思います。 というのも、安全保障関係で手に取った、胡波『中国はなぜ「海洋大国」を目指すのか―「新常態」時代の海洋戦略』を読んでいたら、あまりに赤裸々に、しかもそれを

          【中国崩壊論・番外編#1】宋暁軍ほか『不機嫌な中国 中国が世界を思い通りに動かす日』

          【あべ本#30】毎日新聞取材班『公文書危機』

          破棄された文書を追って本欄でも取り上げました「桜を見る会」に関する書籍『汚れた桜』に続いて二度目の登場、毎日新聞取材班による『公文書危機』。こちらも「桜を見る会」の名簿がすでに破棄されている件に対する疑問から始まっています。 本当にないのか、あるのに隠しているのか、いずれにせよ問題だというのは同感ではあり、私もある官公庁のイベントに関する議員の出席・欠席に関する情報が欲しくて関係者に記録がないのか問い合わせたことがありますが、「ない」との回答で驚いたことがありました。たった

          【あべ本#30】毎日新聞取材班『公文書危機』

          【あべ本#29】駒木明義『安倍vs.プーチン ――日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか?』

          現実を直視せねばならない筆者の駒木明義氏は朝日新聞の元モスクワ支局長で、現在は論説委員をおつとめになっています。取材に加え、日露双方の報道ベースに乗った両政府関係者の発言、中でもタイトル通り、「安倍とプーチン」の発言を追いながら、安倍政権の北方領土交渉・平和条約交渉が「いかに先方の意向を汲み取らず(汲み取れず?)ずれにずれて今日に至ってしまったか」を詳述しています。 タイトルに「安倍」も入っていてまごうことなき「あべ本」なのですが、これまた某社の某記者と同じカテゴリーに入れ

          【あべ本#29】駒木明義『安倍vs.プーチン ――日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか?』

          【あべ本#28】森功『官邸官僚―安倍一強を支えた側近政治の罪』

          同じ読むならこういうレポートを読むべき実は本書、は2019年5月の発売直後に読んでいたのですが、当時は「森友・加計問題について新情報が書かれているかどうか」に注目していたため、「綿密な取材だけど、なー」くらいの感想でしかなかったのですが、最近もう一度読み直して、評価がかなり変わりました。「あべ本」としても、時間に限りのある方はこういう本を読むべきだと思うのです。 前回の望月衣塑子・佐高信の対談本があまりにひどかったから比較して本書の評価が上がったわけではありませんが、自ら取

          【あべ本#28】森功『官邸官僚―安倍一強を支えた側近政治の罪』

          【あべ本#27】望月衣塑子×佐高信『なぜ日本のジャーナリズムは崩壊したのか』

          飲み屋でやって、どうぞ〈権力が隠し、メディアが伝えない この国の「中枢」の真実!〉という一文も勇ましく、この「あべ本レビュー」でもおなじみのお2人がそろい踏みする今回の本。ですが「中枢」にはまったく迫れていない悲しい結果となりましたことをご報告いたします。 最初の往復書簡からして嫌な予感がしました。「前略 佐高さま」「拝復 望月さん」などと始まるわけですが、ところがそうした嫌な予感を下回る本文(対談部分)だとは思いもよらず、閉口するばかり。 「あなたは、ゼミは?」(佐高)

          【あべ本#27】望月衣塑子×佐高信『なぜ日本のジャーナリズムは崩壊したのか』