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鉱物界のお荷物と揶揄される雲母(うんも)をフルスロットルで弁護してみる|うんも裁判|

どうもこんばんは。
後に、おはようございます。


今日もお仕事、並びにnoteの執筆
お疲れ様です。

音楽の先生と教頭の詳しいプロフィールと活動内容は
こちらの記事へ。
※アイディアや発想などの権利を完全には放棄しておりません。
一次使用、二次使用などの場合は然るべき配慮を
宜しくお願い致します。


はじめに

まず、雲母(うんも)とはどのような鉱物かという説明をするのが妥当であると思います。
しかし、やめておきます。
今回の取り組みにおいては、
徐々にわかっていった方がより楽しめるのではないか
という考えからであります。

議題はタイトル通り、
鉱物界のお荷物と揶揄される雲母(うんも)を全力で弁護してみるでございます。

法廷メンバーはこちら
検察官・教頭  弁護士・私  
被告人・雲母(うんも)
裁判長・デベベ(マスコットキャラクター)


それでは早速、うんも裁判の様子を覗いて参りましょう。





うんも裁判


検察「いいかね。君。
鉱物採集家にとって雲母はガッカリするハズレ鉱物である。」

弁護「違います。」

検察「苦労して採集した鉱物が雲母だと、
なんだまた雲母かよぉという気持ちになる。」

弁護「決めつけです。」

検察「実際に世界中の何処でも採れてしまうし、
その数も驚くほど多い。
これじゃあもう石ころと変わらない。」

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弁護「それは貴方の私見でしかありません。
そして、数が多いのは悪い事ではありませんよ。
希少性があるものほど優秀であるという考え方は
いささか短絡的かと。」


検察「いや、それだけじゃあない。
こいつは厄介な事に光を反射するんだ。
本来の目的である鉱物を、その光で邪魔して
隠してしまう目くらまし野郎でもあるのさ。
つまり、いない方が良いに決まってる厄介者だ!」

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弁護「なんですって。
裁判長、反論させてください。」 

裁判長 こくり。(ゆっくりと頷く)

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弁護「雲母の性質としてまず、非常に強い耐熱性がございます。」

検察「そんな特性は他の鉱物にだってある。」

弁護「いえ、採集し易いので他と比べてコストを抑えられます。」

検察「それは価値の低さを自ら認めているのと
同じではないのかね。」

弁護「いえ、まだまだございます。
電気を通さない性質もあって絶縁体として使われているのです。」

検察「ゴムでいいだろう。」


弁護「特に電気を貯めるコンデンサというものには
絶対に必要なものなのです。
ゴムでは代用出来ません。
コンデンサといえば電化製品に
なくてはならない必需品ですよね。
コンデンサマイクなんて※ライバーにとっては
命と同義。」

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※ライバー 
音楽の先生と教頭とはライブ配信で活動している
俗に言うライバー(Liver)なのである。

検察「へっぽこライバーはガンマイクで十分だ。」

弁護「更に自動車の塗料やお化粧品にも使われています。
ファンデーションのキラキラしている所などは
雲母です。
ですから今、この時にも私の顔面に雲母が付着している状態であります。」

検察「だからなんだ!」

弁護「雲母は目立たないけれど、
既に我々の生活の基盤に組み込まれているのです!
要は、私たちの快適な生活に
雲母は欠かせないということです!」


被告人
「……。」 

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検察
「それはどうかな。
そう言えば…以前、
建材として使われていた
バーミキュライト素材にアスベストが
含まれていたことがありましたなぁ。」

弁護「…!」

検察「バーミキュライトの原料となるのは※蛭石だ。
そして、蛭石とは黒雲母(くろうんも)なのだ!」

※蛭石 ひるいし
土壌改良に使われる鉱物。
その実、黒雲母が風化したもの。

傍聴人 がやがやがや。

検察「こいつは前科一犯だ!つまり、雲母は人体に害を及ぼすのだ!」

弁護「意義あり!!裁判長、よろしいですか。」


裁判長
 こくり。(ゆっくりと頷く)

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弁護「まず最初に訴えたいのは、
バーミキュライト自体に毒性があるわけではないという事です。」

検察「蛭石(黒雲母)に含まれているのだ。」


弁護「違います。
バーミキュライトの原料となる蛭石(黒雲母)と
アスベストを同一の物質と勘違いしている人が
非常に多く見受けられます。
アスベストについて懸念されているのは「混入」なのです。」

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検察「どっちにしろ入ってるじゃあないか。
同じ事だ。」

弁護「同じではありません。
バーミキュライトの原料となる蛭石(黒雲母)と
アスベストの鉱脈が近い場合があって、
採掘時に誤ってアスベストが混入してしまう可能性があるだけです。」

検察「だから、混入した時点でアウトなのだよ。君。」

弁護「いえ、それは意見のすり替えです。
混入は人災です。外的要因に他なりません。
つまり、アスベストは雲母自体に含まれていないという証拠なのです!」

検察「なに。」

弁護「ましてや、雲母が有毒だなんて
いわれなき罪、まさに冤罪です!」

傍聴人 がやがやがや。


検察「さ、裁判長!ひとまず休廷をお願いしたい!」

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検察「…ぬうぅ!」

弁護「そして!
かつては安価で万能な材料として普及していたアスベスト。
後に、人体への危険性が叫ばれ規制が進み、同じような性質を出すことが出来る代替品として、
なんと今はこの雲母が使われているのです!
罪人などではなく、むしろ救世主なのです!!」

傍聴人 がやがやがや。

弁護「何か反論はありますか。」


検察
「ど畜生がぁぁぁぁっ!!」

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弁護
「雲母って本当に私たちの生活の根っこに入り込んでいますよね。
きっと、まだまだ私達の知らないところで
雲母は重要な役割を果たしているに違いありません。
私からは以上です。」



あとがき


日の目を見ない不遇の鉱物、雲母。
知らない所での活躍は評価に至らず。
そんな雲母が昔から気になっていました。
なんだか放っておけない感じ。



だけど、テーマとしては渋すぎる。
思いの丈をぶちまけたとしても
最後まで読んではもらえまいと、
長らく胸の奥深くの引き出しに閉まっておりました。

しかし、今回のフォーマットを思いついた事がきっかけで、また気持ちが再燃したわけであります。
遂に引き出しを開ける時がきたと。





雲母に何を感じ、何を想い、どこに魅力を感じたのか。
私自身の中で答えは明確にございます。
しかし、それを吐露することはあまり意味がないような気がします。
雲母を知って皆さんがどう感じたか
そこが一番大事なのです。
もちろん、ただの鉱物に思う事なんてないよ
という意見が大多数ではあると思います。
そして、それでいいのです。
それも立派な一つの意見だからです。


この世はダイヤモンドばかりではなく、
雲母の方が大多数を占めます。
雲母の存在がダイヤを輝かせるのです。

そんなことを考えていると
私は、なんだかとても切ない気持ちになるのです。
どうしてでしょう。



どうしてでしょう。




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