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おすすめのスペイン語現代小説・エッセイ

語学学習の勉強方法は人それぞれですが、私はある程度のレベルにまで到達できたらその言語で本を読みます。理由は単純に読書が好きだからで、本を読む時間と外国語を勉強する時間が一緒になれば時短(?)になるし、一石二鳥だと思っています。
 
また、ある程度できるようになったのでもう勉強(問題集を解いたり、授業に通ったりする)はしていないけれど、そのレベルを維持もしくはブラッシュアップさせたいという言語でも、読書は気軽に日常生活に取り入れることができるのでおすすめです。
 
ということで、今回はスペイン語で書かれたお勧めの本たちを紹介したいと思います。といっても、かなり偏りがあります。私の好きなカタルーニャ出身の作家、ミレーナ・ブスケツの作品トップ3です。
 
1 También esto pasará

この小説は、『これもまた、過ぎゆく』というタイトルで日本語でも出版されています。もともとはスペイン語ではなく、カタルーニャ語なのですが……。これが初めて読んだ彼女の作品だったのですが、私の嗜好にどハマりしました。
 
自身を反映させたと思われる、バルセロナに住む中年女性のブランカが主人公。母の死の悲しみから抜け出せないブランカが、母の残したカダケスの別荘で気晴らしにバカンスを過ごします。そこで元夫たちや恋人が登場し、一夏の様子が描かれるというもの。淡々と過ぎていく日々が瑞々しい文体で描かれている作品です。
 
2 Gema

こちらは、日本語には翻訳されていません。主人公は40代の女性作家。2人の息子がいて、終わりかけの恋愛をしています。そんなときに何度も彼女の頭によぎるのは、白血病で、15歳で亡くなったクラスメート、ジェマの存在。もし、彼女がいきていたら? 最後に彼女に会ったのはいつだっただろう? 彼女ときちんとお別れをしただろうか? どうして時間は亡くなった友人の思い出を薄めていってしまうのだろうか? この小説は、忘れたと思っていてもいまでも付きまとう過去の思い出を描きながら、日常に溢れる親子、恋人、そして友人たちの愛に溢れる切なくも美しい作品です。
 
3 Hombres elegantes y otros artículos

こちらは彼女がさまざまな媒体で書いたエッセイを1冊の本にまとめたもの。彼女のセンスがよくわかります。また、スペイン語表現を磨くにも(彼女の文体が好きならばですが)お勧めです。
 
彼女の作品は言わずもがな現代文学なので文体も小難しくないけれど、言葉選びは洗練されていて、読んでいるのが辛くない。日本語でも同じですが、つまらなくて学びにもならない本を読み続けることほど苦痛なものはないですから、好きな作家に出会うことは大切です。
 
 

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