4.2「仕事」 日本とスペインこんなにも違う「働く」ということ──【イベリコ豚の国で迷子になって】
和田が話していたように「大学時代は企業に就職するのが当たり前」という意識は、現代の日本社会においても驚くほど変わっていない。大学3年生からほとんどの人が本格的な「就職活動」を始める。毎年、新卒の就活生が選ぶ「人気企業ランキング」なるものが発表され、誰もが知っている有名企業の名が連なる。そして、その会社が何をしているのかよくわからないまま、みんなこぞってランキング上位の企業に群がる。こうして3月になると学生たちはとってもダサい真っ黒のスーツを着て企業の説明会に駆けずりまわる。み