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「カタルーニャ版バレンタインデー」 サン・ジョルディの日の過ごし方

4月23日は、サン・ジョルディの日でした。一体なんの日かというと──。
 
「世界本の日」でもあるこの日は、カタルーニャ州では男性は女性にバラの花を、女性からは男性に本をプレゼントするカタルーニャ版バレンタインデーでもあるのです。なぜ赤いバラをプレゼントするのか。それにはこんな伝説がありますが、代表的なものを。

昔々、ドラゴンが街の人間を食い荒らしていました。それを止めるため、毎日一人の人間を生贄にすることに。そしてある日、お姫さまが生贄の順番にあたってしまいました。そこでジョルディさんが彼女を救うため、ドラゴンを刺したのです。すると、地面に落ちたドラゴンの血の滴からバラの木が生え、毎年4月に豊かな花を咲かせたのでした。おしまい。

ということで、今年もバルセロナの街は本とバラで溢れかえりました。

ガウディのカサ・バトリョもバラで彩られます

カタルーニャ州の守護聖人でもあるサン・ジョルディ(聖ジョルディ)の日ということで、この日は同州にとってとても大切な日です。街の中心部であるグラアシア通りやランブラ・カタルーニャのあたりには本屋の出店やバラの花を売るスタンドが立ち並びます。なのですが、なぜか祝日ではありません。だから普通の大人たちは、18時までそわそわと働いて、終業後に街へ繰り出すわけです。今年はきちんと社会人をしているパートナーに合わせて、仕事終わりに行ってきました。


作家のサイン会もおこなわれます。右奥でサインしているのは、『雪山の絆(原題:La sociedad de la nieve)』の映画版の監督を務めたフアン・アントニオ・バヨナ


私はこの混雑のなかで本を買う気がなかったので、彼にプレゼントする本は前もって買っておいたのですが、彼曰く「普通は一緒に散歩しながら買う」のだそう。そして最近では、男性からも女性に本を贈る(そうじゃないとどう考えても値段的に不平等)ので、めでたく私も本をもらいました。 


サン・ジョルディの日限定で、バラのエキスを抽出したピンクビール

サン・ジョルディの日はカタルーニャに住む人々にとって、とても特別な日です。バルセロナ旅行を考えている方は、この時期を狙ってくるのもいいかもしれません。  

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