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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】大地の太陽「ひまわり」のヒミツ

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

最近、街中で見かけることは少なくなりましたが、夏の花の代表と言えば「ひまわり」ではないでしょうか。
青空に向かってすくすくと背を伸ばして真っ黄色の大きな大輪を咲かせている姿はまるで太陽のようで、見ているだけでなんだか元気が出てきます!

今回はそんな「ひまわり」をとりあげ、東洋医学的な効能を含めた、そのヒミツをいろいろと探ってみたいと思います。

『5.千葉と「ひまわり」』では夏休みのおでかけに最適な千葉のひまわり畑をご紹介します。

では、どうぞ最後までお楽しみください!


1.「ひまわり」の由来

みなさんがよくご存知の「ひまわり」はキク科の一年草です。
北アメリカの原産で、コロンブスがアメリカ大陸を発見した後の16世紀にスペインを経由してヨーロッパに、その後、ロシアや中国へ伝わりました。
当時の中国では「丈菊(じょうぎく)」と呼ばれていたようです。

日本に伝来したのは1660年頃、当時の資料には「丈菊(じょうぎく)」や「天蓋花(てんがいか)」などいう記述が残っていますが、後に「日まわり」に変化しています。

この頃の日本は、ちょうど江戸時代の頃、かの有名なな徳川家康から始まる徳川家の時代ですね。
ここで、東洋医学的な観点から、その頃の日本における鍼灸の歴史をのぞいてみましょう。

安土桃山時代から江戸時代にかけては、日本鍼灸が発展をした時期にあたります。
安土桃山時代には、御園 意斎(みその いさい)という禅のお坊さんが金や銀の鍼を木槌で叩いて打ち込む打鍼術を考えて、それを広めました。
また、江戸時代前期には、盲人の鍼師である、杉山 和一(すぎやま わいち)が盲人に対する鍼灸の教育制度を確立し、現在日本で主流の鍼を管に入れて使用するタイプの『管鍼法』を編み出しました。

こんな時代に、ひまわりは日本に伝来したのです。
では、話題をひまわりに戻しましょう。
現在では、自然に成長する野生種のほか、園芸用として品種改良されたものがたくさん出回っており、代表的な大輪の品種以外にもたくさんの種類があります。

品種によって草丈は30cm程度の小さなものから3mを超えるものまであり、花の色も黄色だけでなく、レモンイエローのような薄い色のもの、またオレンジや褐色に近い濃い色のものなどさまざまです。

八重咲のひまわり

この写真は、どうでしょう?? 実はこれもひまわりなのです。
こうした八重咲のひまわりには、品種の名前として『テディーベア』や『ソラヤ』などよぶものもあります。
いったいどんな「ひまわり」が咲くのか、見てみたくなりますよね!!
なかには、有名な画家がモチーフとしたことにちなんで名前が付けられた、『ゴッホのひまわり』や『モネのひまわり』という品種もあります。
ゴッホやモネの代表的な作品はインターネットに情報が出ていますので、絵と実物を見比べてみるのも楽しそうですね。

2.「ひまわり」の名前のヒミツ

「ひまわり」は、みなさんご存知のように漢字で「向日葵」と書きます。
それぞれの漢字は
向(向かう): ある方向に向かうこと
日(ひ): 太陽
葵(あおい): アオイ科の植物の総称
という意味を持っています。

あわせると「太陽に向かうアオイ科の植物」という意味です。

???アオイ科の植物???

タチアオイ(アオイ科)

お気づきかもしれませんが、「ひまわり」はキク科の植物でしたよね。
では、なぜ葵という字が使われているのでしょうか。
この理由には諸説あるようですが、その一つには、くさかんむりの下にある「癸」が太陽で方位を知るための道具を表しており、「太陽の方向に向かって成長する植物」を「葵」の文字で表現していると言われています。
そこから、太陽に向かって成長する性質がある「ひまわり」にも「葵」の文字が当てられてたそうです。

「ひまわり」は別名を日輪草(ニチリンソウ)、あるいは日車(ヒグルマ)と言います。
一方、世界を見てみると、英語ではサンフラワー(sunflower)、ドイツ語ではゾンネンブルーメ (Sonnenblume)、イタリア語 ではジラソーレ(girasole)。sunもSonneもsoleも太陽を意味していますので、いずれも太陽と関連した名前です。
その他の国ではどうでしょうか?
興味をお持ちになった方は、インターネットなどで調べてみてくださいね。

3.栄養学としての効果

観賞用の花として知られている「ひまわり」ですが、種からは良質な油がとれるため、古くから食用とされてきました。
種は搾油用として使われるほか、そのまま食用とされています。

3-1.ひまわり油の栄養学

ひまわり油には、リノール酸が多く含まれています。
リノール酸は体内で合成することができず、食品から摂取する必要のある必須脂肪酸です。
また、血中のLDLコレステロール値を下げて、動脈硬化のリスクを減らす作用があると言われています。
ただし、逆に、リノール酸の摂り過ぎが動脈硬化をすすめたりアレルギーの発症の要因となるという報告もあるようです。
一般的に、脂質の摂り過ぎは健康の大敵です!
からだに必要な適度なリノール酸も、摂取量には心がけたほうがよさそうですよ。

3-2.ひまわりの種の栄養学

ひまわりの種の主成分は脂質ですが、種子そのものにはタンパク質も多く含まれています。
また、鉄分や亜鉛、銅、カルシウム、リン、ナトリウム、マグネシウム、セレンなどのミネラル類やビタミン類も多く含まれており、特にマグネシウムとビタミンEが豊富です。

●マグネシウム:
骨の成分として重要で、体内の60~70%が骨に含まれています。残りは肝臓や筋肉、血液などに存在しています。
筋肉の収縮にも必要で、また、酵素の働きを助ける役割もしています。

●ビタミンE:
抗酸化力が強く、細胞の老化を遅らせます。ビタミンEの働きは、一定量を含む食品に対して栄養機能表示をすることが認められています。

4.東洋医学的な効能

東洋医学的な効能としては、花そのものではなく、その種の中国名を「向日葵子」といい、生薬としても現在でも使われています。

日本の場合、ひまわりの種は、小動物の餌として知られており、スーパーマーケットで食用として食べるものはあまりみかけませんが、中国や台湾などのアジア地域では、食用に使うものとして収穫されたものを味付・加熱処理して袋に詰めたものが大きな袋でたくさん売られています。
おそらく、日本でいうところの落花生のように、普段から慣れ親しんだ健康食品として食べられているのでしょう。

【性質と味】 
甘、平(甘・鹹、寒、滑)
【関連する臓腑経絡】 
肺・大腸経(心)

①補虚(ほきょ)
気・血・津液など、本来からだに必要なエネルギー、血、水分が不足している状態を回復させます。
不眠、神経衰弱、高血圧症、体力低下による頭痛などに効果的です。

②活血(かっけつ)
血液循環を改善して良くします。
血の巡りがわるいことを原因とする、月経痛をやわらげる効果が期待できます。

③瀉下(しゃげ)
身体の弱りからくる便秘に対して、腸を潤して便秘を改善する効果があります。

④解毒(げどく)
体内の毒(からだの正常なはたらきを阻害するもの)を取り除きやすくする効果を持ちます。

5.千葉と「ひまわり」

千葉には、ひまわり畑が見られるおすすめスポットがたくさんあります。
なかでも、ふなばしアンデルセン公園、成田ゆめ牧場はいずれも千葉駅から1時間以内です。

ふなばしアンデルセン公園では、7月中旬頃から「ひまわりまつり」が開催されています。アンデルセン公園には風車もあるので素敵な写真を撮ることもできますよ。また、ひまわりめいろを楽しむこともできます。

成田ゆめ牧場では、背の高さの違う2種類のひまわり畑があり、9月中旬ごろまで楽しむことができます。

ぜひ、一度、この機会に千葉県のひまわり畑を訪れてみてくださいね。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?
『大地の太陽「ひまわり」のヒミツ』はお楽しみいただけましたでしょうか?

ひまわりは、植物の中では比較的簡単に育てることができます。
今年の花が終わった頃に種を入手して、来年の花をご自身で育ててみてはいかがでしょうか?
その際には、マンションや集合住宅のベランダで育てると、背丈が大きくなり過ぎてしまうことがありますので、お気を付けください。

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

食養生、毎日の食事こそがわたしたちの身体をつくるもととなっています。最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『食材効能大事典』、『オールガイド食品成分表』ほか
参考資料:日本大百科全書(ニッポニカ)

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