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2021年同人問題

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2020年、同人業界は業界全体の存続危機に陥り始めた。そのピークは2021年だと予想ができるが、その実情を探り、新たな時代の同人文化の在り方を提案する。 ニュートラルなパースペク…
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2020年12月の記事一覧

同人文化をアップデートせよ

2020年に突如として陥った、同人業界の危機。しかし、イベントの消滅や印刷業者の再編が起きても、一部が危機を叫ぶ同人文化の消滅は起きない。危機なのは同人誌だけで、文化としては形を変えて存続される。既に、そのプラットフォームも展開されている。クリエイター支援サービスと呼ばれる、サブスクリプションの一種だ。

アメリカ発のPatreonが一般的には知られているが、国内ではイラストと小説向けSNSのpi

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2021年も同人イベント危機は続くか(後編)

同人流通を支えるのは、リアルイベントでの衝動買い需要だ。
サークルスペースを徘徊し、直感で手に取って、何も考えず大量の硬貨…釣り銭が出ないように予め硬貨をコインホルダーのようなケースに準備するのが「訓練された参加者としてのマナー」らしい…を矢継ぎ早に出して渡し、それと交換するように渡された本をバッグに突っ込む。その流れ作業が至る所で発生し、それが新たな売り手と買い手の出会いを生み出してきた。

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2021年も同人イベント危機は続くか(前編)

2020年、同人イベント業界は未曾有の危機に陥った。イベントを悉く潰さざるを得ず、同人印刷業者では既に廃業を決めた所も有る。コミケのカタログ印刷を長年手掛けていた業者もその一つで、本当にコミケ需要に売上を依存している業界の構造の脆弱性を垣間見た。

2020年3月、コミケは決断を下したのはその末だった。イベントまで40日を切った段階での発表は、同種のイベントが次々と潰れる中であまりに遅いものだった

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