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文香ヒロ / AYAKA HIRO
2021年6月4日 14:34
言葉の切れ端を集めながら、海岸線を歩く貝殻の裏にテトラポッドの先端に波打ち際の湿った土の上に見つけては つまみ取る手のひらに一つ一つ重ねながらそして次第に両手で抱えるほどのそれは可笑しいくらいに不揃いだったアスファルトの上に広げてみるとなんだ、阿保らしいそれらは全て私の口癖だったけれど西陽のせいだろうか色がやわらかに、形がかろやかに見えるのはなんだ、阿呆らしい
2021年6月4日 14:24
目を細め、天を仰ぎながらアーケードを歩くそこに広がるは破れたビニール屋根といつから切れたかもわからないガラスの照明の連なり千切れた屋根にぶら下がるは哀愁と懐古と祖母に手を引かれて連れられた日の温もりであった肩を窄め、俯きながらアーケードを歩くそこに広がるは幾何学にも見えうる割れたタイルの連なり連綿と続くその溝の果てには遥か彼方記憶の端にコツリと落ちた駄菓子のクズが顔を覗くか
2021年6月4日 14:13
山椒ピリリ、麻痺させて痺れて不感にさせてみて酸いも甘いも忘れた先に真の快をもたらすの山椒ピリリ、汗吹かせ毛穴を広げ、したたらせ頬を伝う一筋は畜生のタトゥーと化すの山椒ピリリ、香らせて腐卵の街をかき消して鼻腔の奥に突き刺す香は都会の迷彩脱がせるの山椒ピリリ、呼び醒ませ虚な目の奥、火を灯せ片目を瞑って構えたキューで眠った何糞、散らかすの