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あの手この手のクリエイティブ

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何者でもない」
ジェームス・W・ヤングが提唱したこの言葉を、私は心底信じている。
私は牛のようにこの言葉を何度も何度も反芻し、
自分にとっての「アイデアの作り方」の答えを持って今を生きている。

アイデアとは私のアイデンティティーのようなものであり、
生み出さずにはいられないものの一つである。
だからこそ「この手があったか!」と思わせるアイデアに出会った時、
SHITな嫉妬とアイデアの無限の可能性を再認識するのである。

この動画を見て私はびっくり昇天してしまった。

先日のグラミー賞でも大活躍した、Billie Elishさんの「Bad Guy」である。
歌が上手い人が「カバー」とか「歌ってみた」みたいな動画を
UPしているのはYoutubeあるあるなのだが、
こちらは「チキンが鳴いてみた」である。

容姿・鳴き声、どれをとっても気が抜けるあのチキンのおもちゃ。
正式名称はわからない。誰が作ったかもわからない。
でも大体の人が知っているあのチキンのおもちゃである。

それを巧みに操り、カバーしているこの動画は1000万回以上の再生を誇る。
ちなみに私は昨日この動画を知り、十回以上は再生している。
個人的には「DAH」の部分がやべぇのである。

これはいわゆる「手法の置き換えによるアイデア」である。
本来は本人が歌うべきものを、チキンのおもちゃで表現してみる。
そうすると独特の世界観が生まれ、もはや別物のエンターテイメントが生まれる。
カバーやパクリではない。もはやこれはオリジナルなのだ。

Billie Elishとチキンが発案者の頭の中にインプットされており、
発案者独自の切り口によってアウトプットされたものがこちらなのだ。
おら、ゾクゾクすっぞぉ!

Glenn Gouldという好きなピアニストがいる。
彼はバッハの「ゴルトベルク変奏曲」の奏者として有名である。
彼のプレイスタイルも見てみよう。

もはや古典派への冒涜である。
まず楽譜をガン無視している。超早いのである。
そしてなぜか歌っている。
弾いていたかと思えばいきなり立ちあがり、
タッタッタータタッターとか歌い出したりするわけである。

私にとってチキンとグールドは、手法の置き換えという部分で同一であり、
そうなるためには常識を打ち破る偏狭さが必要不可欠だと教えてくれる。

とても飲酒ピレーションを感じたのだ。
クリエイティブに生きよう。
クリエイティブに人生を捧げよう!

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