2024年上半期 ベストミステリー
えっ、もう6月終わるの？
気がついたら蒸し暑い季節… 今年もあっという間に半分たっちゃいましたね。あと一ヶ月もすれば夏到来ですよ、月日の経つのは早いものです。皆さんはどうお過ごしですか、体調は崩されていませんか？
相変わらずミステリー大好きなわたくし。2024年1月～6月に発売されたミステリーのうち、これまでに読了した全51冊（国内30、海外21）からトップ10を選んでみました。年末のランキングにも入りそうな鬼オススメ作品ばかりなので、気になる本は感想・レビューを覗いてみてね。
・読了した国内ミステリー（全30冊）
・読了した海外ミステリー（全21冊）
※2024年6月30日までに読了した冊数です
1位 両京十五日／馬伯庸
2位 ビリー・サマーズ／スティーヴン・キング
3位 冬期限定ボンボンショコラ事件／米澤穂信
4位 すべての罪は血を流す／S・A・コスビー
5位 サロメの断頭台／夕木春央
6位 １９４７／長浦京
7位 魂婚心中／芦沢央
8位 検察官の遺言／紫金陳
9位 黄土館の殺人／阿津川辰海
10位 シャーロック・ホームズの凱旋／森見登美彦
次点 屍衣にポケットはない／ホレス・マッコイ
作品たちの紹介と総評
まず上半期のトップレベルは『両京十五日』と『ビリー・サマーズ』の二冊、控え目に言って必読。
『両京十五日』は中国は明の時代の冒険小説、大長編。追手から逃げながら、たった15日間で南京から北京に行かなければならないという激アツ設定。中国の時代小説なんですが内容はハリウッドドラマ、ヒリヒリしたシーンの連続でまさに読む手が止まらない。魅力的なキャラばかりだし、終盤からの展開はこれからの人生に影響を与えるレベル。
スティーブン・キングの新作『ビリー・サマーズ』は殺し屋を主人公にした犯罪小説。ドエンタメな一冊で、こちらも没入感がエグイ。闇の世界で生きる殺し屋稼業の人間ドラマと、後半からの物語のうねりに注目。
上半期の国内トップはみんな大好き米澤穂信先生、小市民シリーズ最新作『冬期限定ボンボンショコラ事件』。高校を舞台にした日常の謎ミステリーで、ついに二人の物語が完結します。まだシリーズを読んでない方は、春期限定から一気に読みましょう。全部めっちゃ面白いです。
昨年このミス（海外）で1位を取ったコスビーの新作『すべての罪は血を流す』。人種差別の問題をリアルに切り取った警察小説で、主人公の黒人保安官が超Cooooolでカッコイイです。日本ではあまりなじみのない人種差別を学べる一冊。
本格ミステリー枠でのNo1は『サロメの断頭台』。完成度がめっちゃ高くて超濃厚。終盤まで事件の全貌がさっぱりわからないのですが、怒涛の場面展開に目を見張る。キャラクターも魅力的で生命力があふれるているし、ミステリーとして読み応えがあります。
戦後の日本を舞台にした『１９４７』。混沌とした時代を背景に、謀略あふれまくりの歴史犯罪小説。だれが敵でだれが味方なのか…次々と命を賭けた駆け引きが繰り広げられ、緊張感がエグイ。終盤のアクションも力強くて大好きです。
短編集からは『魂婚心中』、一風変わった設定でのミステリー作品集です。全作バラエティーに富んだ内容で楽しく読めるし、芦沢央先生の発想力と文筆力に感嘆の声をあげまくり。
『検察官の遺言』は中国の骨太社会派ミステリー。正義を真正面から描いた作品で、巨悪に立ち向かう登場人物たちが鬼熱！そして中国なら本当にありそうで寒気がとまらないお話。
阿津川辰海先生の 館四重奏シリーズ最新作『黄土館の殺人』。いまやオーセンティックな本格ミステリーを書かせたら日本一。序盤の交換殺人からいきなり面白く、途中飽きさせることなく最後まで一気に楽しめちゃう。真相の腹落ち感も高く、さすがは人気シリーズでした。
森見登美彦先生の『シャーロック・ホームズの凱旋』は、絶不調ホームズが大冒険するドエンタメ小説。ミステリー味は少なめですが、シリーズおなじみのキャラが強烈でとにかく面白い。高品質な二次創作はさすがでした。
これまで未訳だった約90年前に書かれた『屍衣にポケットはない』。破天荒な記者が大暴れする社会派の犯罪小説。文春砲よろしく巨悪を暴くジャーナリズム精神に満ちた主人公、彼の狂った生き様を描く。昔の本にも関わらず、情報社会やマスメディアの在り方が現代と酷似していてビビる。
昨年末に発売された本も要チェック
今年の年末ランキングでは、2023年10月～12月の作品も対象になります。この2冊もオススメな作品なので、まだ未読の方は読み逃しなく！
地雷グリコ／相崎有吾
黒い錠剤／パスカル・エングマン
まだまだミステリーを読むよ
ミステリーと一括りにしても、ランキングを眺めると色んな味わいの作品がありますよね。2024年上半期に発売されたミステリーをしっかりと楽しませていただきました。ありがとうございました。
年末に各出版社からミステリーランキングが発表されるので、まだまだいっぱい読みますよ！他にもたくさんの作品をレビューしています。お時間があるかたは、ぜひ遊びにきてね。
ランキング作品リスト
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？