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【詩】雨音

地上42階のあの部屋では
よほど強い風が吹かない限り 
雨音はほとんど生まれない
窓の向こうの直線たちは
時折つるつると走るだけ
いくら曇り空が号泣しても 
声は霞の果て 聞こえない

地上3階のこの部屋では
ぱらばらぱらりと雨は鳴く
目の前の公園の木が広げた
緑の葉に受け止められて
直線は終着点に安堵して
断末魔か、最期の吐息か
声を上げて、四方に散る

窓に 葉に 地に 誰かに 何かに
出会うから音がする
出会うから声になる
弾けながら ぱらばらぱらり 砕け

そうして、半地下の秘密の小部屋を
飛沫はそっと誰何する

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雨の季節になったので、雨の詩を書きました。
梅雨、何とか乗り切りたいものです。

素敵なお写真をお借りしました。ありがとうございました。

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