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大絵描き「西炎子」の小説を絵描きが紹介してみる[その1]


本文に入る前に少しだけ。

優しく強き女神


今回は、絵描きの弘生が敬愛して止まぬ女神、リアル界の絵描きの大先輩であり執筆家としての顔も持つ、大絵描き、西炎子氏の描いた最新刊の小説を紹介させていただくものであります。
その絵画作品は、瞬時の全集中により一瞬で描き切るという、呼吸を忘れる程の圧巻ものですが、ここでは単行本の装丁のみの紹介に留めおきます。
私がこの大絵描きを女神と崇め、勝手に師匠と慕っているのは、その恐るべき感性と言動に畏敬と憩いを溢れんばかりに感じ続けているからです。


甘えなさい


心身共に壊れ果て、筆を持つことすら出来なくなっていた私が、今こうして絵描きとして存在しているのは、この女神の一言から蘇ることが出来たからです。
「甘えなさい」
がんばれ、弱音を吐くな、甘えるな、病気は気のせい……当時原因不明の動けぬ病の中で、そんな言葉に消滅したくなっていた私に、かけられたたった一言の言葉。
「うーんと甘えなさい」
女神が入院中の私にくれた最強のお見舞いでした。いえ、その後の人生への最高のお見舞いです!というか、私の座右の銘です!
そして言葉通り私は女神に甘え、女神は私が再び筆を掴むようになるまでずっと見守っていてくれたのでした。

そんな強き深き愛溢れる大恩人である大絵描き、執筆家、西炎子氏の最新の短編集を、大好きなnoterの皆様に紹介いたします。させて下さい!


「灯下の男」 

西炎子(にしえんこ) 著  
(装丁 西炎子)


人の世は出会いと別れの数珠つなぎ


収録作品 五篇

灯下の男
花火
リンゴの芯
シマウマ
母のアマン


生きていること、生きていくこと、誰の後ろ側にも必ずドラマがあるのです。そのドラマは決して一人では生まれ得ない、出会いや別れを繰り返し育ててきた、または育てていくものだと思うのです。
ひとりひとりの異なる人生(ドラマ)だから、ある日、他人の人生を知った時、その人の人生に関わった時、自分のドラマが変化していく。彩を添えるのか、削ぎ落とされるのか。

炎子ワールドの五つのドラマ。いい意味での結末の裏切りもあったり、読後の余韻を残していたり。
短編だとは思わせない内容の深さは必見と思われます。
他人の人生を覗き見る気持ちで読んでみてもいいのかな、とも思います。

個人的には選び難いのを無理に選ぶとしたら、歌人であった母の話「母のアマン」でしょうか……謎の男とチャーミングな青年画家の話「シマウマ」も泣き笑いしたし、これまた謎の男の人生を垣間見る若き女性の話「灯下の男」、吃音症を題材にした青春の「花火」、こんな出会いが……と冒頭で心を掴まれた「リンゴの芯」
あっ、やっぱり選べませんでした!全部面白いのですから。


裏表紙


こちらが単行本のカバーデザインです
著者自身の作品です
↓↓↓


是非是非気になっていただけたら、読んでみて下さい。
炎子氏も弘生も大変に喜んでしまいます。
満足度は保証します〜!



蛇足?ちょっと不安な575

内容に触れぬ分、俳句超初心者弘生が、恥ずかしながらテーマ別にむりやり俳句らしきものを詠んでみました。自己満足句です。

灯下の男   
グーパーや灯下通りし秋の風

花火     
図書室のきみと手つなぎ大花火

リンゴの芯  
食べかけのリンゴを放る夏の海

シマウマ   
シマウマよ色褪せぬ桜はいずこ

母のアマン  
花曇りまことの母の歌隠し


最後までお読みいただきありがとうございました。
西炎子氏の既刊の小説も、続編で記事にしたいと思っています。

是非読んでみて下さいませ。ふふふ






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