茗荷マナ

今、この世界で大切なこと。 それは、知ることではない。 いかにして正気を保つかというこ…

茗荷マナ

今、この世界で大切なこと。 それは、知ることではない。 いかにして正気を保つかということだ。

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はじめまして。茗荷マナです。

 はじめまして。茗荷マナです。  「茗荷」は「みょうが」と読みます。  こういう名前なので一応説明しておきますが、私は男です。  茗荷というと、そうめんのつけ汁の薬味を…

茗荷マナ
1年前
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夏の俳句15句

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茗荷マナ
1日前
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「見えないのか/聞こえないのか」
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茗荷マナ
2か月前
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見えないのか/聞こえないのか(R-18指定)

 見えないのか  眼の前で家が燃えている  見えないのか  眼の前で家が燃えている  あの家には40歳の母親と14歳の娘が住んでいた  40歳の父親は戦争へ行ったきり行方…

茗荷マナ
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ピンク色に染まっても戦車は戦車

私はほとんどの映画をDVDで見る。 映画館へはめったに行かない。 人見知り(ひとみしり)がひどいのだ。 朝、ゴミを捨てるのは5時30分。誰にも会いたくないからである。 電話をする…

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ラブホでは死にたくない

 風俗嬢(ふうぞくじょう)の勤務(きんむ)時間は13時間  その13時間の間(あいだ)に  何人もの男とアナルファック(肛門性交・こうもんせいこう)をする  その人数は  多い…

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8か月前
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雲を見ていたら

 「風評被害」(ふうひょうひがい)という言葉は、放射線(ほうしゃのう)について、原発(げんぱつ)について語ることをタブーにする。  たとえば私が、  「森は除染(じょせん)で…

茗荷マナ
9か月前
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たとえ雨が止まなくても

 雨、雨、雨……  雨、雨、雨……  明日という字を  書いてすぐに消した  雨、雨、雨……  希望という字を  書いてすぐに消した  雨、雨、雨……  雨、雨、雨……  雨は降…

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科学は人を幸せにしない

 科学は人を幸せにしない。  こう言ってみる。  友は何も答えない。  物を置けば影ができる。  それと同じように  「便利だ。便利だ。」  と言っている人の影には  苦…

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春の歌

 春の歌、歌え、歌えと  どこからか、声が聞こえた気がしたので、  私は窓の外を見た。  雲の隙間(すきま)から光が差している  子供達が駆け抜ける(かけぬける)  道端のお…

茗荷マナ
1年前
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はじめまして。茗荷マナです。

はじめまして。茗荷マナです。

 はじめまして。茗荷マナです。
 「茗荷」は「みょうが」と読みます。
 こういう名前なので一応説明しておきますが、私は男です。
 茗荷というと、そうめんのつけ汁の薬味を思い浮かべる人が多いと思います。私はみそ汁の具にします。組み合わせは玉ねぎと茗荷や茄子(なす)と茗荷といったところ。
 最近「くらしのきほん100の実践」という本の中に、とうもろこしと茗荷と大葉のまぜごはん、というものを見つけました

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夏の俳句15句

夏の俳句15句

夏燕君の声しか聞こえない

新緑へそっと小さな死亡記事

赤蟻や政府を倒すスマートフォン

万緑や鉄腕アトムもういらない

紫陽花や慕うこととは祈ること

イチエフは棺桶のままさみだるる

みそ汁の濁りの奥の梅雨出水

父と子の無言の朝や夏の海

胎内の景色はきっと夕焼空(ゆやけぞら)

星空へ渋谷は沈み月見草

原子炉は水に溺れて夏の雲

君の胸ばかり見ていた暑さかな

夕立の世界にたった二人だ

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「見えないのか/聞こえないのか」
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見えないのか/聞こえないのか(R-18指定)

見えないのか/聞こえないのか(R-18指定)

 見えないのか
 眼の前で家が燃えている
 見えないのか
 眼の前で家が燃えている

 あの家には40歳の母親と14歳の娘が住んでいた
 40歳の父親は戦争へ行ったきり行方不明

 敵の軍人たちは
 ヒゲをたくわえた男たちは
 狩りをしにきたのだ
 母親と娘を自動小銃で小突いて(こづいて)
 トラックの荷台に乗せると
 家に火をつけた
 彼女たちの帰る場所を奪った(うばった)のだ

 燃えている家

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ピンク色に染まっても戦車は戦車

ピンク色に染まっても戦車は戦車

私はほとんどの映画をDVDで見る。
映画館へはめったに行かない。
人見知り(ひとみしり)がひどいのだ。
朝、ゴミを捨てるのは5時30分。誰にも会いたくないからである。
電話をする前に10分間よく考えて、あらかじめ話す内容を決める。そして深呼吸を3回してから電話する。
DVDの話に戻る。DVDは便利だ。見たい所だけを見ることができる。なぜ?という声が聞こえてきそうだが、説明は省く。(はぶく)この頃は

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ラブホでは死にたくない

ラブホでは死にたくない

 風俗嬢(ふうぞくじょう)の勤務(きんむ)時間は13時間
 その13時間の間(あいだ)に
 何人もの男とアナルファック(肛門性交・こうもんせいこう)をする
 その人数は
 多いときは10人にもなる

 男たちは風俗嬢を輪姦(りんかん)しているのだ。

 大学2年生(19歳)のとき
 結(ゆい)は体を売った
 学費を払うため
 奨学金(しょうがくきん)を早く返すため
 勉強する時間をつくるため

 

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雲を見ていたら

雲を見ていたら

 「風評被害」(ふうひょうひがい)という言葉は、放射線(ほうしゃのう)について、原発(げんぱつ)について語ることをタブーにする。
 たとえば私が、
 「森は除染(じょせん)できないんだよね。今年の秋もキノコ狩りは無理かな。」
 などと言おうものなら、非難がゲリラ豪雨のときの雹(ひょう)のように降ってくるにちがいない。
 私たちは、もう原発を批判(ひはん)することはできないのだろうか。
 「放射線?

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たとえ雨が止まなくても

たとえ雨が止まなくても

 雨、雨、雨……
 雨、雨、雨……
 明日という字を
 書いてすぐに消した
 雨、雨、雨……
 希望という字を
 書いてすぐに消した
 雨、雨、雨……

 雨、雨、雨……
 雨は降り続く(ふりつづく)
 降り続く雨が、水が、
 やがて地球全体を覆い尽くす(おおいつくす)……
 雨、雨、雨……

 雨が強くなった
 風が唸る(うなる)
 雨は拳(こぶし)となって大地を強く打つ
 その拳が、まさか私に

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科学は人を幸せにしない

科学は人を幸せにしない

 科学は人を幸せにしない。
 こう言ってみる。

 友は何も答えない。

 物を置けば影ができる。
 それと同じように
 「便利だ。便利だ。」
 と言っている人の影には
 苦しんでいる人が、必ずいる。

 友は言う
 「世界中(せかいじゅう)の人をいっぺんに幸せにすることはできないよ。」

 うん。そうだね。
 影を無くすことはできない。
 だけど、だけど、だけど……。

 科学よりも工夫(くふう

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春の歌

春の歌

 春の歌、歌え、歌えと
 どこからか、声が聞こえた気がしたので、
 私は窓の外を見た。
 雲の隙間(すきま)から光が差している
 子供達が駆け抜ける(かけぬける)
 道端のお地蔵さんが微笑んでいる
 (みちばたのおじぞうさんがほほえんでいる)

 春か……。

 私は下着姿になって
 姿見(すがたみ)の前に立つ
 「こんな体形では夏の砂浜を歩けない」
 「気にすることなんか、ないよ」
 自分自身と

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