見えてきた『未来の工場』の姿~3つのデジタル化が作るアフターコロナのニューノーマル~
日経電子版の記事【シーメンス、「未来の工場」変幻自在 生産性が14倍に ビッグBiz解剖(上)】では、独シーメンスの戦略を通して、デジタル化による『未来の工場』の姿が描かれています。
今般のコロナ危機は、テレワークの普及・オンライン診療の導入など、様々な分野でデジタル化の潮流を加速させていますが、工場にとってはどのような意味を持っているのでしょうか――
▶コロナ危機が生産現場に迫るもの
(1)サプライチェーン上のリスクを見直し、先進国の生産回帰が起きる。
(2)その場合、高賃金の地域で競争力を保つには、デジタル化が必須。
(3)同様に、土地代が高く、拡張余地のない中、コンパクトで変化対応力
に優れたラインを作るには、デジタル化が欠かせない。
(4)一つの工場での少量多品種生産が問われる。
(5)今まで以上にイベントリスクへの即応、需要の変化、消費者の変化
への迅速な対応が必要になる。
など
リスクに強く、かつ、競争力のある工場をデザインするにはデジタル化(IT化・IoT化・オンライン化・ロボット化・自動化など広い意味でのデジタル化)が不可欠である事は明らかで、それを実現するためのテクノロジー、第4次産業革命の時代のアクセラレータである『5G+IoT+AI』は、どのような『未来の工場』を作ろうとしているのでしょうか?
▶『未来の工場』を作る3つのデジタル化
(1)第1のデジタル化
『無人搬送車(AGV)が組み立て中のプロダクトを運ぶ』
●常識⇨組み立て中のプロダクト・部品を運ぶのはベルトコンベヤー。
●ブレークスルー⇨ベルトコンベヤーをなくせば、コンパクトな
スペースに、作るプロダクトに応じて変幻自在の
ラインを組める。
(2)第2のデジタル化
『製造装置がプロダクトに合わせて動く』
●常識⇨製造装置は文字通り工場の床に据え付けられている。
●ブレークスルー⇨製造装置が動けば、生産効率を追求したり、
ラインの組み換えも自由自在。
(3)第3のデジタル化
『デジタルツインでシュミレーションする』
●常識⇨現場でデータを収集し、試行錯誤する。
●ブレークスルー⇨フィジカルな工場のあらゆるデータをIoTによって
リアルタイムに収集し、サイバー空間にその環境を
再現する事で(デジタルツイン)、自在な
シュミレーションが可能となって、リスクの検知や
予知、カイゼン、新たな工場のデザインに使える。
『未来の工場』には、ベルトコンベヤーはなく、AGVと製造装置がロボットのように自在に動き回って、様々なプロダクトを作り出していく。そして、工場の環境は、IoTによってすべて繋がり管理されていて、そのデジタルツインのシュミレーションを通して常に進化し続ける……
ロボットがロボットを作る、まるでSFのような世界がまた一歩近付いてきたようです。
(付記:2020年5月19日、皆様のおかげをもちまして、noteへの連続投稿が500日を達成できましたことに、改めてお礼を申し上げます。下記の拙稿で振り返りをしています。)
《連続投稿526日目。
当ページにご来訪いただき、ありがとうございました!》
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