見出し画像

テクノロジーとスキルの腐れ縁

 日経電子版の記事【トヨタ、海外工場が3Dプリンターに飛びついた理由】は、日本で世界をリードする新しい生産技術を生み⇨国内工場で展開⇨海外工場に「横展」するのが基本のトヨタにあって、一見意外な事に、海外の方が3Dプリンターの実用化に積極的、というリポートです。

  


 記事では、そのような現象の理由として、わざわざ3Dプリンターを使わなくても試作車を作り上げてしまう、試作部門の技術力の高さが挙げられています。

 確かに、一般論として、既存のテクノロジーを使いこなす高度なスキル(技能)によって、高品位なプロダクトを作れるとすれば、新たに高度なテクノロジーを導入しようという機運は生まれにくいのかも知れません。

 しかしながら、このような事態は、生産の効率化・高度化、そして、それによって生み出される製品のクオリティという観点からは、明らかにガラパゴス化のリスクにさらされている、と言えそうです。――特定のテクノロジーを使いこなすスキルが極限に近付いた時、さらに革新的なプロダクトを目指して、新たなテクノロジーに貪欲となる姿勢――そんな事をこの記事は教えてくれているようです。

 テクノロジーとスキルは切っても切れない関係にあり、その関係が腐れ縁に留まることなく、常に発展的、前向きに進化し続ける事が、第4次産業革命の時代、DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代の要請なのかも知れません。


▶テクノロジーとスキル

ローテク✖低レベルのスキル

「どうやってプロダクトのクオリティを高めるか?」⇩               ⇩
ハイテクの導入✖現状のスキル  現状のテクノロジー✖スキルの向上
⇩               ⇩
「この状態からさらに高めるには?」「この状態からさらに高めるには?」
⇩               ⇩
ハイテク✖スキルの向上    ハイテクの導入✖スキルの向上



#COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?