『既にあるものを組織化する』という価値~プラットフォームの本質とは~
日経電子版の記事【いきなり!ステーキが社食に シンシアージュ】で紹介される「どこでも社食」のビジネスモデルには、卓越したものがあると思います。『既にあるものを組織化する』ことで、新たな価値を生み出し、多方面に得(利益)をもたらして、大きな課題を解決へと繋げているのです。
「どこでも社食」の場合、『既に街にある飲食店を組織化』して、『街の社員食堂という新たな価値』を生み出し、『自社を含めた4者に利益』をもたらして、『社食のない企業という大きな課題』を解決しています――
▶多方面に得(利益)をもたらす
①サービス提供企業・・・今までにないプラットフォームからの利益。
②サービス導入企業・・・社食に代わる福利厚生を従業員に提供できる。
自前で社食を設営しなくて良い。
③導入企業の従業員・・・社食がなくても、簡単に街の飲食店で息抜き。
④提携飲食店・・・新たな顧客の獲得。
このような「どこでも社食」のビジネスモデル、『既にあるものを組織化』して価値を生み出すビジネスモデルは、プラットフォーム型ビジネスの原点とも言えるものではないでしょうか。プラットフォームと言うと、ともすれば、モノ・サービスの利用者と提供者を繋ぐ『ビジネスの場』という表現で定義されますが、ここでは、既にバラバラに存在していて、十分にそのポテンシャルを発揮できていない企業群を、組織化、グループ化することによって一定の社会課題・生活課題へのソリューションへと変えていく、という捉え方をしたいと思います(例えば、日本中の技術力のある町工場をグループ化して、試作・量産を希望するスタートアップとマッチングさせる、など)。
このように『既にあるものを組織化する』事によって価値を生み出すには、いくつかのポイントがありそうです――
▶価値を生み出すために
①『見える化』・・・プラットフォームへの参加(登録・提携)企業の強み
が見える化されている事。(例)一味違う自信の人気定食
②『ニーズ』・・・プラットフォームのユーザーのニーズ、ユーザーの期待
しているモノ・コトを見極めたプラットフォームになっている事。
(例)社食がない会社の悩み
③『マッチング』・・・ユーザーが自分の探しているサービスを見付け
やすい、ユーザビリティーの良いインターフェースになっている事。
(例)口コミなどを比較一覧できる機能
この世の中には、まだまだ、組織化すれば価値を生み出せる街の企業、組織化すれば価値となるサービスが埋もれているはずです。『組織化(グループ化)』という切り口で中小の企業の活性化を図り、それによってユーザーのニーズを満たすようなプラットフォーマーの出現が待たれます。
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