『天使の翼』第11章(30)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
わたしは、そして、間違いなくシャルルも、その時ある予感を覚えた――いつかSSIPと対決する日が来ると……
そして、ほとんど同時にあることに気付いた――スカルラッティを暗殺したのはシッポの工作員ではなかろうか?……それとも、対外諜報を担当する機関は別にあるのか?……歴史好きのわたしの知識から言うと、警察・諜報関係の機関は、肥大化し合体する方向に進化することが多い……
「……デラ殿下は、巡洋艦が航跡を絶ったとされる星域に辿り着くと、膨大な予算をつぎ込んで、それこそありとあらゆる科学捜査を試みたのだけれど、もともと宇宙空間にあるもの以外は結局塵一つ発見できなかった……巡洋艦クラスの大型宇宙船が、たとえば爆発事故を起こしたりすると、必ずその痕跡が残るものなんだけど」
「それは、爆発など起きておらず、船体が、何らかの損傷はあっても残っている、という事かい?」
ローラは、肩をすくめてから、ひらひらと飛んできたハート型の葉っぱを、髪から払い落とした。
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