見出し画像

企業のメタモルフォーゼ~米ネットフリックスに学ぶ『変化対応』~

 日経電子版の記事【Netflix「ディズニーがやらない」に勝算】は、米ネットフリックスの企業戦略を、自社のプロダクト(モノ・サービス)を、顧客ニーズに合わせ、かつ競合と差別化することで、顧客の記憶にユニークに位置付ける『ポジショニング』の観点から説いた興味深いリポートです。



 この記事を通読して強く印象に残るのは、ネットフリックスが、その時々の顧客ニーズ、社会の変化、競合との差別化の中で、常に変化してきた、その『変化対応』、企業のメタモルフォーゼの歴史です。『変化対応』は企業の必修科目ですが、ネットフリックスの事例は鮮やかな軌跡を描いて私達に訴えかけてきます。

 さっそく、記事からピックアップしてみると――

▶ネットフリックス、その『変化対応』の歴史

(時代)米国のDVD普及率が数%

①1997年創業~郵送によるDVDのレンタル~
(競合)レンタルビデオ店
(ユーザーのメリット)店舗に行かなくてもDVDを家まで届けてくれる。

(ユーザーのデメリット)ソフトが届くのに1日以上かかる

②延滞料金の廃止+借り放題の月額定額制サブスクに変更。

貸し出しの半数を取得コストのかかる新作が占め、しかも、その新作が会員
の家に滞留することで費用が増大


③旧作・マイナーな作品を宣伝。

宣伝した映画に貸し出しが集中してしまう

④会員の好みに合わせて映画をレコメンドするシステムを開発し、
需要をバラつかせる(在庫切れのDVDは非表示)。

(時代)モバイルの普及+ネット回線速度の向上

⑤2007年~動画配信サービスを開始~

一部の映画会社が自社独自の動画配信サービスを検討

⑥2011年~コンテンツの制作に着手~
⑦2016年~自社スタジオを設立~
(ポジショニング)1.ドラマが中心(一部ドキュメンタリー・コメディー)
2.スポーツ中継・ニュースは扱はない。
3.コンテンツの多様性(ダイバーシティ)=多様な地域発のコンテンツ

(時代)競合はユーザーの自由時間を取り合うゲームなど

*今後の展開から目が離せない。



 1997年の創業当時に、誰が今のネットフリックスの姿を想像できたでしょうか?この記事で紹介されるネットフリックスの事例は、企業の必修科目『変化対応』の見事なケーススタディーです。
 自然界の進化では、偶然に有利な形質を獲得したものが生き残っていきますが、経済界において進化、成長するには、自ら有利な条件を見付けてメタモルフォーゼしなくてはなりません。ネットフリックスとてその例外ではなく、もし変化を諦めていれば、その二十数年の歴史のどの時点で成長が止まっていたとしても、何ら不思議はありません。 



#COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?