『天使の翼』第4章(8)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
――ここでなら出演を断られる心配はない。そして、わたしは、自分のすべてに自信がある――決して過信ではなく……わたしの歌にも、そしてわたしの容姿にも――わたしは、もうすぐ三十になろうという頃に一つの真実を悟っていた――男性の心は、決して厚化粧の整った顔のメイクには揺り動かされない。そうじゃないのだ。素朴な薄化粧で十分なのだ――彼女が生き生きと無心に輝いていさえすれば……
わたしは、エアタクシーを降りた所にそのまま突っ立って、思わせぶりに、海からの風に長いブルネットの髪をなび