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「ふたりの夫婦(仮)」出版プロジェクト

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産後の夫婦関係改善のための出版プロジェクト。夫婦ふたりが幸せになれる方法を記事で公開し、最後に一冊の本として出版します。
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2022年8月の記事一覧

ふたりを苦しめる”恋愛結婚”の幻想

ふたりを苦しめる”恋愛結婚”の幻想

初めて恋に落ちたとき、体重が10kgも落ちたんです。

14才のときでしたが、彼女のことを考えるだけで体が宙に浮かぶように浮かれて、ご飯がのどを通らなかったんですね。

反抗期まっさかりでしたが、恋に落ちている期間は気分がよくて、家族にも親切な気持ちを抱いていたことをよく覚えています。

妻と出会ったばかりの頃のぼくも浮かれていて、毎日が楽しくてしかたありませんでした。

でも、結婚から何年も経つ

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”男女脳”ではなく”妻の脳”にフォーカスを

”男女脳”ではなく”妻の脳”にフォーカスを

(なんで、そんなまわりくどい言い方をするんだろう…?)

妻との会話でそう思うことがたびたびあるんです。

ぼくになにかをお願いするときに用件をはっきり言わずに、メッセージを匂わすようにぼんやりとした話をするんですね。

ぼんやりとした霧のなかにある妻のメッセージに気がつけないと「もういい!」と怒られてしまったり、「なにが言いたいの?」と詰め寄ってしまったこともあります。

もやもやした霧に隠れた

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男も女も知らない”夫婦の恋愛の終わり”

男も女も知らない”夫婦の恋愛の終わり”

「もう、あなたに恋愛感情はないの」

妻にそう言われ、悩みを抱えた男性がぼくのところにやってきます。

なぜセックスをしたくないのかと妻に問い、妻から「恋愛感情がないから」と言われる。

だからしたくないのだと。もう家族なのだと。

”恋愛感情がなくなればセックスはしたくなくなる”

この”恋愛感情”はどこからやってきて、どこへ行ってしまったのでしょうか?

この記事では、夫婦関係を改善したくてぼ

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男性が知らない”産後女性の環境の変化”

男性が知らない”産後女性の環境の変化”

「あたしがどう思っているかわかってないでしょ?」

長い沈黙のあとで、妻はそう言った。

沖縄本島にあるリゾートホテルの中庭で、ぼくは自宅にいる妻に電話をかけていた。

沖縄への社員旅行二日目のことだった。

中庭の向こうでは、他の社員たちがビールを飲み、楽しそうに笑っている。

仕事のストレスをすべて忘れてしまったかのように、みんなとてもリラックスしている。

リラックスとはほど遠い妻の声を聞い

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男性が知らない"産後女性の体と心の変化"

男性が知らない"産後女性の体と心の変化"

病室のドアを開けると、ブルブルと震える手をぼくに伸ばす妻の姿が目に飛び込んできた。

「どうした!?」

ぼくが駆け寄ると、妻は青ざめた唇をふるわせ、消え入りそうな声でこう言った。

「体がおかしくて、震えが止まらないの……。」

それは、出産から二日後のことでした。

産後8週間を産褥期と呼びますが、ぼくがその存在を知ったのは妻が3人目の子どもを妊娠したときでした。

最初の出産(双子でした)の

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"情緒的飢餓"が妻を夫から遠ざける

"情緒的飢餓"が妻を夫から遠ざける

「なぜだか分からないけど、触れられなくないの」

妻はそう言うと、ソファーから身をよじるようにして、ぼくから距離を空けた。

大人が二人座れるほどのその距離は、ぼくにとって途方もなく長い距離のように感じられた。

”なぜだか分からない”のなら妻を責めようもなく、時計の針が進む音がやたら大きく聞こえ、今まで訪れたことがないような沈黙の中、ぼくと妻はただただ困惑していた。

いったい、ぼくらになにが起

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