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シュートへのファシリテーション的アプローチ

「ゲームの中でシュートを決める」

バスケット選手においては、誰もがまずは目指すところでもあり、ある意味、オフェンスとしては一つの到達点でもあります。

このシュートへのアプローチについて、これまで在籍したバスケットスクールの経験で得た学び、気づきと、この2年間のバスケワークショップの中で立てた仮説を、この4月にバスケワークショップ内で実践してきました。
※バスケワークショップの内容については下記記事を参照してください

結果、そのひと月で予想以上の成果と手ごたえを感じています。

成果としては、中1同士の練習試合ではありますが、新中1のある選手が3ピリしか出ていないのにも関わらず、6本の3Pシュートを決めました。その後の練習ゲームでも1試合4~5本はアベレージで決めています。上の学年相手ではこうもいかないかもしれませんが、中1のこの時期にその成功数は、なかなかの成果だと感じています。その選手だけではなく、他の中1の選手も軒並みゲーム形式のシュート率が上がっているところが手ごたえでもあります。
他の手ごたえとして大きかったのは、試合中に自信を持ってセレクトしてくれるようになったことが挙げられます。
本当に素晴らしいです。
(僕自身はその時期、フリースローすら届かなかったのに。。。)

さて、どのようなアプローチをしたか、そこにも触れさせてもらいます。

これはもちろんバスケワークショップのテーマである「考えること」、「対話すること」から始まります。まずは選手たち同士のコミュニケーションの量を増やしました。その中で少しずつ質を高めるため、「勝つためには」という前提を置き、ゲーム形式の中でその状況を作っていきました。
同時に個人としても「考える」ために、「感じること」も大切にしてきました。あえて言語化はしなかったのですが、彼らがどう感じて、どう心身のエネルギーが動いていくか、どう身体を動かしているのか、じっくりと観察できたこともとても大きいです。
そうすると、仮説的にはありましたが、ある思い込みがあることが如実に出てきました。

「シュートは無理のない良いタイミングで打った方が良い」

一見間違いないように思えます。
むしろ言っていることは正しいです。
これがなぜ思い込みか。

それは、「その子がどう捉えているか」を観測しないと、試合に置いて適切なシュートのタイミングを掴むことができなくなるからです。どうしても、それまでの指導者の色、もしかしたら親御さんの意向なども含めて反映されてしまっている子を多々見てきました。その子の思い込みがどうプレーに作用しているか、ここを見極めることがとても大切なのです。

前提として、どのチームにおいても通じるオフェンスの概念を共有し、そのうえで、「なぜか」を感じること、「どうしたいか」を考えることを共に実践してきました。

私「なぜ、あのタイミングでシュートを打たなかったの?」
選手「入る気がしなくて」
私「シュート練習では打っているよね。ゲーム練習でも打たないと、試合に向けた練習にならないと思うけど、どうかな?」
選手「打っていいんですか?」
私「なんでいけないの?」
選手「いや、特に(理由)はないです」
私「じゃあ、チャレンジだね!」
~~~
私「なぜ、あのタイミングで3Pシュートを打ったの?」
選手「打てると思ったから」
私「他の選択肢はあった?」
選手「あったけど、空いていたし挑戦したかったから」
私「OK!教えてくれてありがとう。意図があってのシュート、素晴らしいね。次は決めてね」

上記のようなやりとりは一例ですが、このようなアプローチをしてきました。
こうやって、自分でシュートの幅と意識を広げ、特にゲーム練習内でチャレンジをたくさんしてもらっています。最近では2~3人ではありますが、平気でディープスリーに挑戦しています。(し、入ります)

ただ思い込みを外し、自信を持って打てるようになっても、それだけではシュートは入りません。良い身体の使い方(シュートフォーム)で打たないと、やはりシュートは入るようにならないのです。

そこで取り組んだことは「心身との対話」です。自分の心と身体を感じ、どうしたら良いか考え動かす、身心の操作に取り組んできました。

・滞りのない、“まっすぐ”を感じる
・身心の可動域を知る、感じる
・重心と中心を知る
・重力に抗わない

全体へ共通して展開したことを強いて言語化するとすれば、こんなところがテーマでしょうか。従来のシュート練習とはかなりかけ離れたものでしたが、それぞれのこれまでの心身の使い方、身心の感じ方をふまえ、よりシュートが打ちやすいように個々に合わせてアプローチしてきました。着実に成果を感じています。

身体の使い方、見た目もまっすぐ
最高到達点おそらく5m以上

写真の選手は160㎝くらいの子ですが、平気で3Pライン1~2m後ろからも打っています。
着目してほしいのは、アーチの高さ。特に打ち方、アーチの高さを指示したわけではありません。彼が一番滞りない力の加減でシュートを打つために、リリース位置についてちょっと提案はしましたが、自分の感覚で自然とこの高さに行き着きました。

参考:他の子の中で最高到達点が最も高かった子でも手すりのやや上である(同じ位置から撮影)

シュートは本人の感覚に寄り添えるか、指導者は思い込みを押し付けない対話(ファシリテーション)を実践できるか、それが大切だと思っています。それはこれまでは仮説だったことで、少しずつですが証明でき始めているとも感じております。

あたりまえの話ではありますが、「“何が何でも”上手くなりたい」という気持ちがあることが前提だとあらためて思っています。親やコーチに言われて、なんとなくだとやはり難しいです。それも実経験の中で感じていることでもあります。

また、色んな形がある中でも、自然で対等な親子関係がとても大きな要因だとも感じいています。あたりまえに、のびのびとした風土(環境)があること、そしてちょっとした緊張感もありながらプレーできること、その環境を作る大人がいるからこその成果でもあります。(そこにいる大人のかかわり方、あり方についても、今後ぜひお話したいと思います)

以上がシュートへのファシリテーション的アプローチについてのまとめとなります。

こういった成果も出るバスケワークショップを、5月も神奈川県厚木市を中心に実施しておりますので、よろしければぜひ体験にお越しください。

ゲーム練習を通して「考えること」、「対話すること」を身につける
『TD:Think(考える)&Dialogue(対話)の意』
※対象は小6以上の男子となりますが、7号かつ男子相手でもOKであれば女子も参加できます

心身との対話と操作を中心にシュート練習をする
『WO:ワークアウト』

上記2種類の練習を実施しております。
直近の日程もございますが、体験参加も受け付けていますので、ご希望の方は、ぜひぜひ下記申込みフォームよりお申込ください!

※詳細日程・場所はフォーム内にあります

素敵な親子とつながりが双方の可能性がさらに開くご縁があることを楽しみにしています!

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