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投稿先ジャーナル選択サイトはちゃんと投稿先を選んでくれる?
論文の投稿先を教えてくれるサイトがあるのをご存じですか?
たとえば,いろいろなジャーナルを出版している出版社は,独自にサービスを展開しています。「journal suggester」とか「journal finder」といったキーワードで検索すると,あれこれヒットしてきます。
そこで今回は,すでに出版された論文の情報を入力したとしたら,どんな雑誌を紹介してくれるのかということを試してみたいと思います。
入力する情報
入力する情報は,自分が最近出版した,「日本における情緒不安定性の増加─YG性格検査の時間横断的メタ分析─」というタイトルの論文です。日本語の論文ですし,日本の雑誌に掲載されたものですが,英文のタイトルとアブストラクトはついています。これを入力したら何がヒットするかということを試してみましょう。
Springer Journal Suggester
最初のサイトは,多くの研究雑誌を出版しているSpringerが提供する「Springer Journal Suggester」というサービスです。
アクセスすると,タイトル,本文やアブストラクト(要約)のテキスト,研究領域を入植する画面が表示されます。論文のタイトルとアブストラクトを入力して,研究領域は「Psychology」を選んで「Suggest journals」をクリックしてみます。
すると,画面の下に結果が表示されます。面白いのは,それぞれの雑誌の情報が一覧表示されるところですね。インパクトファクター,投稿して最初の決定がなされるまでの期間,それから投稿した論文が採択されるパーセンテージです。雑誌に論文を投稿するとたいてい最初はエディターが内容をチェックして,査読に回るかどうかが決められます。「First decision」の期間は,その後最初に査読に回って,返ってくるまでの平均でしょうね。多くの雑誌は最初の決定に2ヶ月くらいかかることがわかります。
最初の雑誌は精神病理系,2冊目から4冊目は心理学の中の領域を限らない雑誌になっています。パーソナリティ系統の雑誌がこの出版社ではヒットしてこないようです。
Elsevier Journal Finder
次のサービスは,これも世界最大規模の学術出版社Elsevierが提供するサービス「Journal Finder」です。
アクセスすると,同じようにタイトル,アブストラクト,キーワード,研究領域を入力する画面が出てきます。キーワードは1つずつ入力する形式になっていますので,要注意です。「Find journals」をクリックすると結果が出てきます。
このサービスでも,結果がそれぞれの雑誌の情報とともに表示されます。
最初の雑誌Journal of Research in Personalityは自分の研究領域に近い雑誌なので,ヒットして当然だろうなとは思います。2冊目以降は合っているのかどうかがちょっとよくわかりません……。2冊目はフランス語圏の雑誌のようです。
Wiley Journal Finder
次も大手の出版社Wileyが提供するサービス,Journal Finderです。まだベータ版のようですが,検索はできます。
他のサービスと同じようにタイトルとアブストラクトを入力して,「FIND」をクリックします。
このサービスでは,検索の時に検索する研究領域を入力しないのですよね。検索結果の最初の雑誌はJournal of Personalityで自分の領域に近いのですが,2冊目以降は,うーんちょっと心理学の雑誌からも遠ざかり気味です。
JournalGuide
他にも探すといろいろなサービスがヒットしてくるのですが,出版社以外でもサービスが提供されています。たとえば,JournalGuideというサイトです。
画面はシンプルで,タイトルとアブストラクトを入力して「SEARCH」をクリックするだけです。
このサービスは,検索の仕方がいくつか指定できるようで,充実しています。ネット上からの論文データベースと入力された情報で,それくらいマッチするかで結果を出すようなのですが,過去何年の記事を検索するか(10年以内),インパクトファクターはいくつ以上か,オープンアクセスジャーナルかどうかなどを指定することができます。
検索結果も,まあまあ自分が予想した雑誌が出てくる印象です。でも実は,4件目に「Shinrigaku Kenkyu」という結果が出ていまして……これは自分の論文が掲載されている雑誌の情報ですね。ちゃんと,アブストラクトから自分の論文を見つけてくれたようです。
どの雑誌に投稿するか
どの雑誌に投稿するかという悩みは,研究者もそうですしこれから自分の論文を投稿しようとする大学院生にとっても大きな問題です。
日本国内の雑誌の場合は,多くが自分が所属していて年会費を支払っている学会の雑誌に投稿することになりますので,それほど選択肢が多いわけではありません。しかし国外の雑誌となると,あまりに多くて悩んでしまうことがあります。
そういう時には,こういったサービスを活用することも効率化のためのひとつの方策でしょうね……しかし,これも自分が院生の頃にはまったくなかったサービスです。
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