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むさしの写真帖

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「写真っていうのはねぇ。いい被写体が来たっ、て思ってからカメラ向けたらもう遅いんですよ。その場の空気に自分が溶け込めば、二、三秒前に来るのがわかるんですよ。その二、三秒のあいだに…
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2023年5月の記事一覧

雨が降りはじめた

雨が降りはじめた

雨というと村上春樹さんの「中国行きのスロウ・ボート」の中の「ニューヨーク炭鉱の悲劇」を思い出す。
雨が降ると軍用のポンチョを被って動物園に出かけ、猿だかの檻の前で缶ビールを飲む友人の話が出てくる。
その描写がなんとも言えず好いので、雨の日には必ず思い出すのだ。

たぶん高校生だったと思うが、当時付き合っていた女の子と雨の日にデートをした事がある。
今のようにあちこち遊べる所も少なく、喫茶店でコーヒ

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北新宿

北新宿

この辺りは民家が多い。
大きなマンションもあるがタイムスリップしたかのようなアパートもある。
ここも新宿。
#北新宿 #新宿 #どうしようもない私が歩いている

眺望

眺望

今日は豊洲に来ている。
昨日までの雨があがり、空気が洗われたためか富士山がきれいに見えている。

4月から新宿にいる事がほとんどになったので、こうした眺望を得るのは久しぶりになってしまった。

やはり富士山はいい。
#富士山 #オフィスからの眺め

帰省

帰省

娘(25)が週末に帰ってきた。
帰ってきたといっても都内にいるのだから、そう遠いわけではない。
一人暮らしをすると家を出て、もう1年以上になるか。
聞けば毎日弁当をこしらえ、実家では起こすまで意地でも起きてこなかったのにきちんとアラームで起きているという。
掃除や洗濯もルーティンの中に組み込まれていて、今のところ心配ごとは杞憂に終わるようだ。

帰省というのか微妙だと思うが娘にとっては「実家」であ

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神田川

神田川

オフィスから少し歩くと神田川にかかる淀橋がある。
某大手家電量販店チェーンの名前になっている淀橋だ。
その下を浅い流れになって流れているのが神田川だ。

神田川は江戸時代に整備された神田上水だ。
水源は井の頭公園にある井の頭池である。
井の頭というのは水を表す「井」と始まりを表す「頭」からなる。
つまり江戸の水の始まりという意味だ。

神田川というとかぐや姫の「神田川」を思い出す。
まぁ他に神田川

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東京ライフ

東京ライフ

出先で仕事を終える。
見上げると六本木ヒルズが燃えていた。

新宿警察署裏

新宿警察署裏

「裏」ってどうよと思うけど笑
この右手にはよく観光の人が写真を撮ってるロバート・インディアナという人の「LOVE」のオブジェがある。

新宿に初めて来たのはかなり昔の話になるが、早朝に夜行のバスを降ろされて、とりあえず目についた吉野家で朝メシ代わりの牛丼をかき込んだ記憶がある。
その吉野家は早朝にもかかわらずほぼ満席で(さすが東京だわ)と思った。
今思えば歌舞伎町の真ん前なんだから別に不思議でもな

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紙垂

紙垂

そうか、もうそんな時期なのか、と思う。
ここ数年はコロナの影響で山車も出せなかったが、今年はようやくできるということだろう。

名古屋から東京に越してきて思ったことのひとつに祭事を盛大に行う、ということがある。
もちろん名古屋でもやってはいるのだけど、こちらほど町単位や社とかで賑やかに行うことは稀になっている。
そこに住んでいる人たちの地元愛というか、単なる祭好きというか。
とにかくこの時期や秋の

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Ferrari

Ferrari

488GTB(たぶん)

ぼくにはまったく食指が伸びないタイプの車だ。
しかし圧倒的な存在感である。
そして大変にきれいでもある。
スーパーモデルのようだ、と思う。
そういうのは眺めているのがいい。

ぼくは1.4リッターから1.6リッターくらいのマニュアル車がいい。
過去に乗っていて大変に気に入っていた車がシトロエンAXやルノールーテシアだった。
いずれも小排気量の大衆車である。
清貧とは言わな

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スペリートップサイダー

スペリートップサイダー

何十年かぶりの邂逅なのである。
キャンバスのスニーカーは常に身近にあったのだけど、何年か前にオールスター履きつぶしてからここしばらくは置いておらず、昨日出かけた先にあった某ABCマートで見かけて、ティーンエイジの記憶とともに久しぶりに履いてみたい気持ちに突き動かされたのと、あの頃に比べて激安と言っていいくらい安価であったので購入したのである。

高校生くらいの頃にこのキャンバススニーカーが大ヒット

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祭り

祭り

七月の蒸し暑い夜、小さな村は賑やかな祭りの準備に忙しく駆け回っていた。夕日がまだ西の空に残っている間に、鮮やかな提灯が一つ一つと灯され、街路には華やかな屋台がずらりと立ち並んでいる。鈴の音や子供たちの笑い声が響き渡り、その風景はまるで夢のようだった。

静かな田舎町に住む僕は、毎年この時期になると心が躍る。村の祭りは、村人たちにとって特別な瞬間であり、街に新たな息吹を与える。日常の喧騒を忘れ、心地

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