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自分たち自身が変わる。全社員が「SELFing」を体現できる会社を目指して。

 1985年に創業したヒューマングループは、2002年8月にヒューマンホールディングス株式会社を設立。2022年8月に同社は設立20年を迎えます。この節目に際し、20年間を振り返ってみた今のお気持ちや「SELFing」に込めた想い、ヒューマングループの未来について佐藤社長にお話を伺いました。

経営理念を一緒に体現していく仲間が増えて嬉しい

――2002年にヒューマンホールディングスが設立され、代表取締役に就任されてから20年が経ちました。この20年間の会社とご自身を振り返ってみて、今のお気持ちをお聞かせいただけますでしょうか。

 一番印象に残っているのは、上場したということですね。ただ、上場後3年目で赤字になって、5年目で行政処分を受けて。そこからもう一度再起をかけて闘ってきて、ようやく僕の目標である売上高1,000億円、営業利益50億円が見えてきたところです。そういう意味ではやっと9合目ぐらいまで来たわけですが、外部環境の変化もあり、目標達成のためにはまだまだ気が抜けないなと思っています。
 20年で会社の規模も大きくなり、社員も増えてきました。企業は常に成長を求められるので、会社が大きくなっていくことは非常に重要なことだと考えています。何より、我々の経営理念を体現していく仲間がどんどん増えていくというのは、やっぱり嬉しいことですね。

――会社に対する想いに変化はありましたか?

 僕は今年で59歳。会社をいかに継続させるかという想いが強くなってきました。20年前というと40歳手前。当時は自分自身に力をつけたいという気持ちの方が大きくて。自分が成長することで会社も成長するんだ、と。もちろん今もそうした気持ちはあるのですが、最近は、僕がいなくなっても永続的に成長できる会社にするにはどのようにしたらよいのかを考えるようになりました。

僕自身も知らず知らずのうちに「SELFing」を体現していた

――2003年にバリュープロミスの「SELFing」を作られてからのことを教えてください。

 2003年に新しいブランドコンセプトやロゴが完成し、社員の理解や共感を得ながら、すべてのステークホルダーに働きかけていました。最初は良かったのですが、2007年の会計制度変更の影響を受けて教育事業は債務超過、連結でも大赤字になってしまって…。それから何年かは、まずは業績を立て直すことに注力しなければいけない状況が続き、ブランディングどころではなくなってしまったんです。なかなかブランディングまで踏み込めない時間が続いたのですが、改めて社内浸透に動きだしたのがここ5年ぐらいですね。
 「SELFing」の概念というのは、なりたい自分を発見して、それに至るプロセスを設計し、そのプロセスを徹底的にサポートすることです。今回はお客様に対して提供する価値だけではなく、我々にとって非常に重要な位置づけである従業員をメインとして考えてみたい、という想いがありました。
 その理由は、これまでずっと朝会というものをやっていたのですが、なかなか効果が出てこなかったんです。細かく指導しても、それがノウハウとして積み上がってこなくて。あるとき、「何をやりたいか」が明確になっていない中でいろいろ言っても人は動かない、ということに気づきました。
 一方で、「どうなりたい」や「何をやりたい」が明確になると、それに対するアプローチはそれほど難しくないですよね。過去を振り返ってみると、僕自身もそうだったなと。
 改めてブラディングを始めるにあたり、マンダラチャートを元に「SELFingシート」を開発しました。なりたい自分を真ん中に書き、それに至るプロセスを周りに展開していく。上司と部下でしっかりと運用しながら、社内に「SELFing」を浸透させようと徹底的にやっています。

――この5年を振り返って、いかがでしょうか。

 目標が明確になって、それが成果となってあらわれている社員もいます。最近では社外から「SELFing」を受けてみたいという声をいただくことも増えました。社内ではまだ徹底できていない部分もありますが、今後も根気強く続けていくことによって必ず成果があらわれると信じています。
「SELFing」が全社員に浸透したら、ブランディング成功ですね。単にイメージを変えることではなく、「自分たち自身が変わる」ということが真のブランディングだと思っています。

――「SELFing」は社外からも反響があるのですね。

 そうですね。さまざまなところで「SELFing」のようなものを目にする機会も増えているので、世の中がその重要性に気づき始めたのかもしれないと思っています。ライザップや武田塾でも、まずはなりたい自分を描くところからスタートし、それが定まったらプロセスを考える。まさに「SELFing」と一緒だな、と。
 また、最近いろいろな人と話をする中で、“SELFingの多様性”のようなものが出てきたなと感じています。僕らのときには出なかったような「なりたい自分」がたくさん出てきて、正直うらやましいなと思っています。生まれ変わって、もっと早く「SELFing」に出会ったら、また全然違う道を歩むかもしれないですね。
 一方で、選択肢が増えれば増えるほど、なりたい自分を見つけるのは難しくなるかもしれません。ですが、SELFingシートの真ん中は途中で変わっても良いですし、自由なもので良いと思っています。サーフィンがしたいならサーフィンを真ん中に書く、というように。ただ、サーフィンをやるためには、やっぱり稼ぐ必要がある。どこかに必ず仕事が出てくるはずだから、そのような位置づけの仕事にどのような目的や目標を定め進めていくのか、ということを考えれば良いのではないでしょうか。

――佐藤社長の「SELFing」のお話について、もう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

 僕自身はもともと早く自立したかったというのがあって、大学を出て証券会社に入りました。営業のやり方を色々試した結果、会社の為にも自分の為にも効率的にノルマを達成しようと考えて、他社のビッグクライアントだった学校法人の理事長宅へ毎朝行くようにしたんです。そうしたら、上司から「新入社員が毎日朝礼に出ないとはどういうことだ!」と怒られて…。(笑)
 それでもやっぱり、「早く自立したい、自分の目標達成は自立することなんだ。自分が自立することによって会社やお客様のためになる。」という想いは強かったですね。上司の言うことを聞かずに毎日やっていたら、最後はつまはじきになって飲み会も誘われなくなって…。でも、それよりも自分の成長の機会を奪われる方が怖くて、自立したい一心で頑としてやり続けました。
 やり続けた結果、それは成果としてあらわれてきました。結果が出たから良かったし、やった意味もあるし、やれば結果は出るんだ!と確固たる自信になりました。自立したいからこうやると決めて、やると決めれば行動に移し、行動すれば結果が出る。今思えば、知らず知らずのうちにSELFingを体現していたように思います。

「SELFing」を体現する人になってほしい

――ヒューマングループの未来について、どのようにお考えでしょうか。 
  
 とにかく「SELFing」を体現し、徹底的にやっていくということです。社員に徹底したら、今度はお客様にも徹底的に提供していく。我々がお客様のためにとことん寄り添うわけです。それをサービスのコアとしてやっていきたいと考えています。我々の提供する本質的なサービスというのは、まさにそこなのです。社員全員がSELFingを体現する重要性をしっかりと理解して、事業の発展に結びつけるー。それこそが、僕が期待する会社の姿です。

――佐藤社長ご自身の今後の目標についてお聞かせください。

 まずは売上高1,000億円、営業利益50億円を達成したいですね。その後のことも徐々に考え始めています。年齢的なものも段々と出てきて、何を書こうかなと今は結構迷っていますね。(笑)

――最後に社員の皆さんへメッセージをお願いします。

 「SELFing」を体現する人になってほしい。本当にそこに尽きますね。

<プロフィール>

ヒューマンホールディングス株式会社 代表取締役社長 佐藤朋也(さとう ともなり)

1963年兵庫県生まれ。1987年関西学院大学商学部卒業後、日興証券株式会社に入社。本郷会計士事務所(現 辻・本郷税理士法人)を経て、1991年11月ザ・ヒューマン株式会社に入社。ヒューマングループ各社の取締役を歴任し2002年8月、ヒューマンホールディングス株式会社代表取締役社長就任(現任)

<ヒューマンホールディングス株式会社・会社概要>
 
ヒューマングループは、教育事業を中核に、人材、介護、保育、美容、スポーツ、ITと多岐にわたる事業を展開しています。1985年の創業以来「為世為人(いせいいじん)」を経営理念に掲げ、教育を中心とする各事業を通じて、労働力不足、高齢化社会、待機児童問題など、時代とともに変化するさまざまな社会課題の解決に取り組み、独自のビジネスモデルを展開してきました。
 人と社会に向き合い続けてきたヒューマングループは、いま世界全体で達成すべき目標として掲げられたSDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組んでいきます。SDGsへの貢献を通じて、「為世為人」の実現を加速させ、より良い社会づくりに貢献していきます。

※「SELFing」については、HHCサイトをご覧ください。
https://www.athuman.com/philosophy/system/


※2022年7月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。


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