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映画『君たちはどう生きるか』が刺さった私という人間 【ネタバレなし】

ご高覧いただきありがとうございます。

本日は映画『君たちはどう生きるか』についてです。

宮崎駿監督の盟友であり師匠。
高畑勲監督が亡くなったのが82歳。
そして、映画公開時の宮崎駿監督が82歳。

どこか運命めいたものを感じる映画『君たちはどう生きるか』。

この映画が心にグッサリ刺さった結果、1日モヤモヤしていた私の話です。


タイトルが説教みたいだなぁ

「タイトルが説教臭い」。

そんな理由で見に行かない人もいるそうです。
たしかにタイトルを見ると説教の感じが強いですね。

私もそう思います(笑)

私のようなメンタルの不調で社会から脱兎のごとく逃げた経験があると、
そのタイトルは震え上がる
ものがあります。

実際、映画鑑賞後に思ったことは「好きに感じろ」だったことです。

この「好きに感じろ」とは?

そもそも映画とは、非常に高度な娯楽とされています。

理由は「分からない?お前(観客)の所為だろ?」という暗黙の了解です。

例えば、同じジブリ映画『紅の豚』のセリフが分かりやすいです。

「近頃はな、札束が紙クズ並の値打ちしかないんだよ」というセリフ。

これはハイパーインフレが起こっている世界恐慌の時代が舞台だからです。

これ子供には理解できませんよね?
私もかなりの回数見ている映画ですが、大人になって理解できました。
なんなら、歴史やお金関係が苦手な大人は分からないと思います。

これに対して説明をしないのが映画です。

監督が「普通わかる」「常識」「分からない方がおかしい」と判断したら説明なし!

アニメーションだけではありません。
全ての映画で同じことが起こります。

何故なら説明する尺がないからですね。
限られた上映時間で、映画を作るために発生する現象です。

その為、監督の教養や知能が高ければ、観客の知能レベルが求められてしまいます。

話がそれましたね。

重要なのは『君たちはどう生きるか』で重要なのは、

そんな知識を必要としない点です。

そして、『解釈は自分だけのもの』と感じたのです。

映画で初めて解釈を託された気がしたなぁ

私は様々な映画を見てきました。

金曜ロードショー、ゴールデン洋画劇場。
火曜洋画劇場、木曜洋画劇場、日曜洋画劇場、

これらの番組名を知らない人もいるかもしれませんね。

これらは実在したテレビでの映画放送枠です。
私の幼少期は、映画がこれだけの放送枠でテレビ放映されていました。

ゆえに私の一番近くにあった娯楽の1つは映画でした。

また大学では文学関係を学びました。
その為か、人よりは作品を解釈できる側でした。
もちろん、それ自体が傲慢な考えであることは理解してます(笑)

しかし、理屈っぽい私は解釈や解説を聞いたり話すのが好きです。

なので、そのあたりを感じ取るのはそれなりに自信がありました。
ところが、『君たちはどう生きるか』は解釈ができませんでした。

つまり、宮﨑駿監督の意図が読み取れなかったのです

まるで何もない気がしました。
訳が分からないと言えばそれまでですが・・・。

解釈なんて当てずっぼうでもいいはず! でも、読めなかった。

ただ、映像と物語に引き込まれたのは久々の体験でした。

そして、感動を覚えました。
この感動は、まさに感情が動いたということです。

泣いたわけではありません。
泣くだけが感動ではない。

心が動くのが感動です

そして、何故感動したか?
基本的に「こういう事です!」と監督や作家は作品を作るものです。

ところが、この映画は違いました。

『君たちはどう生きるか』は、まさにタイトルの映画と成った。

そう、問いかけのように感じてしまったのです。

まるで「さぁ、どう思う?」と言われた気がしたのです。

感じ方は人それぞれ。私が常々あなたへ届けたい言葉

私の記事を読んでくれている方々。

いえ、あなた。

私の記事で「感じ方は人によって違う」という言葉を見たかもしれません。

これはつまり、「君はいつも元気だね」と言われてどう感じるか? ですね。

お褒めか、皮肉か。それは言った本人にしかわかりません。
そして、この言葉をどう感じるかは自分だけのものです。

基本的に映画を鑑賞してどう感じるかは自分だけのものです。

そうは言っても監督には伝えたいスタンスがあります。

しかし、映画『君たちはどう生きるか』には、そのスタンスがない。

まさに「さぁ、この映画を見た君はどう生きるんだい?」と、

ただ投げかけられた気がした。

そんな稀有な体験をさせてくれた映画でした。

説教ではなく、ただ問われただけ。
まるで哲学書のような印象。

「ああ、このモヤモヤは苦しい。けど、貴重な体験だ」

これが私の感想でした。

宮崎駿監督。そして、ジブリスタジオのスタッフ。
映画に携わった全ての方々へ。

ありがとうございました。

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