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進まない日

数日前からちょっと気になる症状があるので、台風前にと思って病院へ行った。
空いていてすぐに呼ばれた。
初診なので、基本的な診察をして後日の検査の予約を取るのだと思っていたら、今日このまま検査と言われた。
えっ?
いきなり?

検査後は5~6時間の後遺症?みたいなものがある。
タクシーか家族の同伴が望ましいと、ネットには書いてあった。
同伴する家族がいない人は、こういうときの選択肢のなさに、結構めげる。
日本社会は何につけても「家族単位」で、家族がケアすべしみたいな風潮がある。

今日は検査の予約だけ取って、その足でハローワークに行くつもりだったから、どちらを取るかで悩んだ。
細かい用事で連日出かけるより、いったん外に出たら何もかもその日に済ませてしまいたい。
ハロワも到底一度では済まないことがわかっていたので、とにかく早いうちに行っておきたい。

「これ、ほおっておくと深刻なことになりますか?」と医師に訊くと、「それを調べるために検査するのです」と言われてしまった。
そりゃそうだ。
我ながらつまらない質問をしたものである。

8月も末だというのに、猛暑は一向に収まらない。
ノロノロ台風が温かい湿った空気を大量に送り込んでいるらしく、外に出ただけでクラクラする。
行きだけで徒歩30分。
検査後のぼんやりした頭のままヨロヨロ歩いたら、また事故に遭いそうだ。
検査は次回にお願いすることにした。
状況によって、帰りはタクシーを呼ぼう。

電車に乗り、ハロワのある駅へ移動。
病院まではさしていた日傘(片手転倒のリスクを冒してまで差さずにいられない日差しの強さだったから)を、突然雨傘として使う。
青空の中にぽっかりと浮かんだ黒雲が、そこだけスポットのように豪雨を降らせているのだった。
すこし離れたところなら、きっと雨柱が見えるのだろう。

ハロワも空いていた。
みんな、暑いから先延ばしにしているのだろうか?
すぐに呼ばれて、ものすごい丁寧な説明をしていただいた。
職務上、承知のこともあるが、経過措置や特例措置は、その立場にならないと気付かない。
私の状況はちょっと特殊だったので、どういうケースが「お得か」を逐一説明してもらって本当に助かった。
結果、月を超えてあらためて申請するのが最善とわかってそのまま退散。

今日は何も進展しなかったなぁと、雨上がりの空を見上げて思う。
まあ、何が最善かを知るためには、いくつもの無駄足が必要ということだ。

4時間くらいかけてランチをすれば、この足で午後の診療時間に検査も可能。
しかし、汗で濡れたままのTシャツが、今度は傘をはじいた雨しずくで濡れて、倦怠感が増している。
体力や気力低下による注意力散漫は、私が日常生活でもっとも気を付けていること。

周囲からは過剰と言われてしまうが、家の外で緊張感が途切れることが何より怖い。
というか、人前で緩んだ私は私でない気がする。
おとなしく帰ることにした。

昼過ぎに帰宅して、シャワーを浴び、着替えてようやく一息ついた。
ほんの数時間外出することが、こんなにしんどくなったのは加齢のせいか。
先月まで、朝1時間歩いて出勤していたではないか。
あれは朝だったから?
いや、7月より8月のほうがうんと暑くなってるよね。

昨日作ったバンバンジー素麺を食べる。
夕食のために、冷凍してあった塩鯖を冷蔵室に移す。

台風10号が気になるのでテレビをつける。
南海トラフ緊急情報のきっかけになった日向灘の地震の被災地も心配だし、能登だって家屋の修繕はまだまだだろう。
今日は、東海地方にもたくさん雨が降って、いまは新幹線も止まっている。

月末だし、今月中に移動して取引を成立させなければ資金が行き詰まる会社もあるだろう。
手形が落ちないとか、本当に怖い。

離れて暮らす親御さんに万一のことがあったら、どうやって移動するのか。
心配は尽きなくて、他人様の悪い事態まで考えるのもどうかと思うが、それが私だからしかたがない。
自分のところはガラスフィルムを貼ったからいいというものではない。

検査もハロワも、9月2日に先送り。
予報の気温は33℃となっていて、うへっと思うけれども。

台風が無事に過ぎ去って、早く秋冬になってほしい。


読んでいただきありがとうございますm(__)m