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ブラジル的人種/ジェンダー

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ブラジルと言えば人種のるつぼ、陽気で開放的なカーニバル…一見多様性豊かで自由なユートピアのようにも見えます。そんなイメージとは裏腹に16世紀から300年以上続いた奴隷制度の上にで…
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#人種差別

【ブラジル知られざる宗教事情】根深い差別と偏見を感じる時

【ブラジル知られざる宗教事情】根深い差別と偏見を感じる時

奴隷制度の上に築かれたブラジル

明日11月19日にアフロブラジリアン信仰形態の一つであるカンドンブレー Candomblé を主に日本の方々に紹介するオンラインイベントを企画している。

サンバや最近ではカポエイラが日本でも人気が出て来ているのも、ブラジルの正反対に位置するにも関わらず、弛まぬ努力を続けて来た先駆者たち、今も続ける指導者の方々のおかげである。

日本のSNSでも毎日カポエイラの指

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【ブラジル総選挙2022】憎悪は何も生み出さない

【ブラジル総選挙2022】憎悪は何も生み出さない

ブラジル総選挙の結果の実情

4年ぶりのブラジル総選挙が怒涛のように終わりました。ここバイーア州はブラジルの低所得者層が多い北東部に位置しており、今回のルーラ勝利はほぼこの北東部の支持者が強かったためです。

赤が労働党のルーラ、青が社会自由党のボウソナーロが勝利した市町村。北部と北東部以外は南に行けば行くほど青の勝利率が高くなっています。人口分布も北:貧困層と南:裕福層の割合が高くまた混血の具合

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「差別」とは。ブラジルで奴隷制度廃止から何が変わったか考える。

「差別」とは。ブラジルで奴隷制度廃止から何が変わったか考える。

(2019年11月20日)
ヘイトスピーチ(差別扇動)、ジェンダーといったキーワードが、日本発信のニュースに目につくようになった。ブラジル在住中のため、ネットを介したニュースなどでしか触れる事ができないが、人種やジェンダーについての論議は、どこでもいつでも、なにか居心地悪いものだという印象が拭えない。

ブラジル国内でも、経済力も生活水準も低めで、有色人種が多い北東部。そこにあるバイーア州首都サル

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