風の子

ドイツ、ベルリンから発信する勝手な絵本レビュー。海外に住む日本人の子供たちのための日本…

風の子

ドイツ、ベルリンから発信する勝手な絵本レビュー。海外に住む日本人の子供たちのための日本語習得と、違う文化で子育てに奮闘する両親たちのコミュニティづくりについて日々考えています。また自身の体験から、コーチとして絵本を通じた自分探しの旅のコーディネートもしています。

マガジン

  • 紹介していただきました

最近の記事

【絵本レビュー】 『ことばコレクター』

作者/絵:ピーター・レイノルズ 訳:中川千尋 出版社:ほるぷ出版 発行日:2022年5月 『ことばコレクター』のあらすじ:ジェロームが集めているのは、石でもカードでもなくて、「ことば」でした。耳に飛びこんでくることば、心ぞうがどきんとすることば、声に出すと楽しいことば。たくさん集めてスクラップしていたら、ある日…すってんころりん! 転んで全部、ぐちゃぐちゃになってしまったのです。 『ことばコレクター』を読んだ感想:皆さんは言葉にどれくらい重きを置いていますか? 日本には

    • 【絵本レビュー】 『なんにもできなかったとり』

      作者/絵:刀根里衣 出版社:NHK出版 発行日:2015年7月 『なんにもできなかったとり』のあらすじ:なにをやってもうまくできない不器用な一羽のとり。 そのとりは、当時、無力感を抱いていた作家自身でした。 生きるとは何か、幸せとは何かを考えさせられる結末に、心が震えます。 『なんにもできなかったとり』を読んだ感想:何をしてもうまくいかない時ってありますよね。することすることが上手くいかず、悪い方向に進んでいく。そんな時は誰にでもあるはずです。 ただそんな日が続くとだん

      • 【絵本レビュー】 『くらやみこわいよ』

        作者:レモニー・スニケット 絵:ジョン・クラッセン 訳:蜂飼耳 出版社:岩崎書店 発行日:2013年4月 『くらやみこわいよ』のあらすじ:ラズロは、くらやみが こわい。くらやみは あるひ、「みせたいものが あるんだ」と、ラズロによびかけてきた。ラズロは こえに みちびかれ、いえの ちかしつへ……。 『くらやみこわいよ』を読んだ感想:暗闇が怖い、というのは子供にとって人生で一番最初に自覚する恐怖ではないでしょうか。私も子供の頃暗闇が怖くて、夜寝る時もいつも小さなランプをつけ

        • 【絵本レビュー】 『ちび竜』

          作者:工藤直子 絵:あべ弘士 出版社:童心社 発行日:2019年12 『ちび竜』のあらすじ: 小さなつぶからうまれたちび竜は、水たまりからとびたち、いろいろな生き物に出会う。とんぼからは飛び方を、フナからは「うろこ通信」のやり方を教えてもらい、ほかにもたくさんのともだちに出会って、あそび、風や水や土となかよくなった。どんどんでかくなっていったちび竜は、やがて、光る青い地球を抱いて……。 『ちび竜』を読んだ感想: 子供はいろんな人に育てられる。 自分が親になってみて初めて気

        【絵本レビュー】 『ことばコレクター』

        マガジン

        • 紹介していただきました
          0本

        記事

          【絵本レビュー】 『おうさまのたからもの』

          作者/絵:糟屋奈美 出版社:至光社 発行日:2017年9月 『おうさまのたからもの』のあらすじ: ほんとうにたいせつな宝物って なんでしょう?おうさまは、すてきな箱に入れる宝物を探しにお城の外へでかけます。 でも、宝物はなかなか見つかりません。泣いているおうさまを森のどうぶつたちがなぐさめていると、どこからか別の泣き声が聞こえてきて……。 『おうさまのたからもの』を読んだ感想: お久しぶりです。元気にしていますか。レビューを書く時間が取りづらいこの頃ですが、私は日々絵本を

          【絵本レビュー】 『おうさまのたからもの』

          【絵本レビュー】 『ほんとうのことをいってもいいの?』

          作者:パトリシア・C・マキサック 絵:ジゼル・ポター 訳:ふくもとゆきこ 出版社:BL出版 発行日:2002年4月 『ほんとうのことをいってもいいの?』のあらすじ: リビーはお母さんにうそをついて友だちと遊びに行こうとしました。はじめてお母さんについたうそ。おなかが苦しくて、涙があふれて…。その日から、リビーはほんとうのことだけを言おうと誓います。ところが、正直になろうとすればするほど、友だちを傷つけてしまうことになり、リビーは混乱します。単なる正直ではなく、まず相手の気持

          【絵本レビュー】 『ほんとうのことをいってもいいの?』

          【絵本レビュー】 『ふしぎなキャンディーやさん』

          作者/絵:みやにしたつや 出版社:金の星社 発行日:2007年9月 『ふしぎなキャンディーやさん』のあらすじ: タヌキのおじさんが売っているふしぎなキャンディーをなめると、すごいことが起こります。 キャンディーを買ったブタくんは、いたずらを思いつきますが…。 『ふしぎなキャンディーやさん』を読んだ感想: お久しぶりです。元気にしていますか。レビューを書く時間が取りづらいこの頃ですが、私は日々絵本を読んで元気にしています。最近絵本を使ってのグループコーチングを英語で始めまし

          【絵本レビュー】 『ふしぎなキャンディーやさん』

          【絵本レビュー】 『あすはきっと』

          作者/絵:ドリス・シュワーリン 絵:カレン・ガンダーシーマー 訳:木島始 出版社:童話館出版 発行日:1997年6月 『あすはきっと』のあらすじ: 目をさまして「おはよう!」っていうと、もうその時が、あす。あすは、いっぱいできるよ、今日できなかったことも。あすは、何から何まで、ずっと今日より良くなるよ。きっと、あすには…。 『あすはきっと』を読んだ感想: 「明日」という言葉にどんな印象を受けますか。 楽しみ? 希望に満ちている? 気が重い? うんざり? みなさんいろいろ

          【絵本レビュー】 『あすはきっと』

          【絵本レビュー】 『ねずみくんはおおきくなったらなにになる?』

          作者:なかえよしを 絵:上野紀子 出版社:あかね書房 発行日:2007年10月 『ねずみくんはおおきくなったらなにになる?』のあらすじ: おおきくなったら なにに なるの? ねみちゃんにきかれたねずみくんは、考えこんでしまいました。そこへ仲間達がやってきて・・・。 『ねずみくんはおおきくなったらなにになる?』を読んだ感想: 「大きくなったらなにになりたい?」 大人が子供たちによく聞く質問ですね。でも私にとってはいちばん苦手な質問でした。というのも、私には「大人になる」と

          【絵本レビュー】 『ねずみくんはおおきくなったらなにになる?』

          【絵本レビュー】 『フォックスさんのにわ』

          作者:ブライアン・リーズ 訳:せなあいこ 出版社:評論社 発行日:2019年10月 『フォックスさんのにわ』のあらすじ: フォックスさんと犬は離れたことがない。いっしょに遊び、おやつを食べ、同じ音楽を楽しんで、冒険にも出かける。とりわけ好きなのは、いっしょに庭仕事をすること。でもある日、思いもしない悲しいことが起きて……フォックスさんは庭をめちゃくちゃにたたきこわしてしまった。豊かな土地はそれでも何かを育まずにはいない。 『フォックスさんのにわ』を読んだ感想: 大切なもの

          【絵本レビュー】 『フォックスさんのにわ』

          【絵本レビュー】 『おとうさんはウルトラマン』

          作者/絵:みやにしたつや 出版社:あかね書房 発行日:2012年3月 『おとうさんはウルトラマン』のあらすじ: ウルトラマンが生まれて30年。スーパーヒーローの活躍に胸おどらせた子どもが今お父さんになった…。ウルトラマン世代に向けて放つ、お父さん賛歌。一生懸命まじめで不器用なウルトラ・パパの子育て絵日記。 『おとうさんはウルトラマン』を読んだ感想: ウルトラマンが生まれてから三十年なんですね。私もウルトラマン世代です。すごいファンではなかったけれど、時々見ていたし、ウルト

          【絵本レビュー】 『おとうさんはウルトラマン』

          【絵本レビュー】 『あめのひのおはなし』

          作者/絵:かこさとし 出版社:小峰書店 発行日:1997年6月 『あめのひのおはなし』のあらすじ: あめのひに、おかあさんをむかえにいった、さあちゃんとゆうちゃんは、かえるちゃんたちと……。おかあさん、はやくかえってきて! 『あめのひのおはなし』を読んだ感想: 小学生低学年の頃住んでいた家の近くには小さな川がありました。普段はチョロチョロと流れているだけなので、なぜこんな川に大きな川堤が必要なんだろうといつも思っていました。引っ越してきて最初の豪雨の日、その理由がすぐに

          【絵本レビュー】 『あめのひのおはなし』

          【絵本レビュー】 『きちょうめんななまけもの』

          作者:ねじめ正一 絵:村上康成 出版社:教育画劇 発行日:2008年5月 『きちょうめんななまけもの』のあらすじ: 動物園のなまけものは、木にへばりついているだけのなまけものに見えるけれど、動物園が閉まって、見物客がいなくなったとたん…何をするのかな? 『きちょうめんななまけもの』を読んだ感想: 「なまけもの」 これは子供の頃の私の別名でした。命名者はもちろん父。「なまけもの」と名付けられた理由は、何かを言われてもすぐにしないからです。でも私の言い分としては、父が物事

          【絵本レビュー】 『きちょうめんななまけもの』

          【絵本レビュー】 『ぼくのたからものどこですか』

          作者:角野栄子 絵:垂石眞子 出版社:福音館書店 発行日:2010年12月 『ぼくのたからものどこですか』のあらすじ: ノブくんは幼稚園から帰ってくると、留守番を頼まれました。ノブくんがふくれていると、お母さんはいいものを隠しておくから、宝さがしして待っていてといいます。しっぽがついているという、その宝物を探して、押し入れの布団の間、本棚の本の間、タンスの引き出しなどから、はみだしているものを引っ張ると、ネズミやペンギン、ウサギ、ブタなどが次々と現れますが……。 『ぼく

          【絵本レビュー】 『ぼくのたからものどこですか』

          【絵本レビュー】 『おにはそと』

          作者/絵:せなけいこ 出版社:金の星社 発行日:2010年12月 『おにはそと』のあらすじ: 豆まきにあった鬼たちが逃げ出し、残されたちび鬼は、人間の子どもたちと仲良く遊びはじめます。ちび鬼がつかまった、と慌てた鬼たちは相談し、鬼の親分が鎧を着てちび鬼を連れ戻しに行きますが…。 『おにはそと』を読んだ感想: 今となっては懐かしい節分で、もう何年も豆まきすらしていません。恵方巻きが今のような大ブームとなる前に日本を出てしまったので、このありがたい海苔巻きも食べたことがあり

          【絵本レビュー】 『おにはそと』

          【絵本レビュー】 『第二番目の悪者』

          作者:林木林 絵:庄野ナホコ 出版社:小さい書房 発行日:2014年11月 『第二番目の悪者』のあらすじ: 金色のたてがみを持つ金ライオンは、一国の王になりたかった。 自分こそが王にふさわしいと思っていた。 ところが、街はずれに住む優しい銀のライオンが 「次の王様候補」と噂に聞く。 ある日、金のライオンはとんでもないことを始めた―。 『第二番目の悪者』を読んだ感想: 「ねえねえ、聞いたんだけど。。。」 「ネットで読んだんだけど。。。」 誰かから聞いた話やネットで読んだ

          【絵本レビュー】 『第二番目の悪者』