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デジモン After break world  ④After break world

「デスチャージ」 「イグニッションプロミネンス!!」  開幕の号砲を鳴らしたのはエネルギー弾と業火による爆発だった。  アバドモンが射出した砲弾とラグナロードモンの盾から放出された炎、互いの必殺技がぶつかり合う。  爆炎と煙が2体の間を覆い、それぞれの視界が覆われた。  仁とアバドモンの視界からラグナロードモンの姿が見えなくなる。  その瞬間に、仁の視界の隅に黄金の閃きが走った。 「――っ!! アバドモン!! 右後ろ後方、防御して!!」  仁の指示とアバドモンが槍を振るうのは

    • デジモン After break world   ③break world

       仁の視界が切り替わると見慣れない部屋だった。彼は持ち上げられた勢いのまま、今度は床に落下する。  着地した彼が周囲を見渡すと部屋の全容が目に入っている。  奥行は広くはあるが、テーブルと椅子があり壁にはデジモングッズが置いてあるシンプルな部屋だった。そして仁が上を見上げると、天井が高く2階部分が吹き抜けになっていた。  彼はそのすべてが目の前にいるデュランダモンとの交流に合わせた物だろうという事がすぐに理解できた。  つまり。 「ごめんね、登録先の一番上にあるのがマイルーム

      • デジモン After break world    ②歩みと襲撃 

         エリスとアサヒのデジモンバトルから数日が経過していた。  仁曰く普通の中学校の生活を過ごし、彼は再びの休日を迎える。  そして休日の朝はいつものように仁へとやって来る。 「仁ー? 早く起きてきなさーい」  今回はスピーカーからの音声では無かった。  仁は母親からの呼びかけで顔をあげる。枕元に置いていたスマホを手に取ると、もう既に母親が家を出る時間が近くなっている。 「じーんー?」  母親の声が間延びし始める。  このままではまたスマホのアプリからの呼び出しに切り替わる事は彼

        • デジモン After break world     ①出会い

          ※今作品はデジモンノベルコンペティションに応募した作品です。 既に結果が発表されていますので、そちらを是非ご覧になってください。 折角なので私の作品も供養のために投稿しておきます。 以下本文 ①出会い 『初めまして。これからユーザー設定を行います。画面の指示に従って操作をしてください』  静かな部屋に機械的な声が流れる。  勉強机に向かっている少年の手には傷一つ無いスマホが握られていた。  彼はスマホにインストールしたばかりのデジモンアプリの指示通りに情報を入力していく

        デジモン After break world  ④After break world

          藍月なくるさん1stワンマンライブ『クラリムステラ』感想記事

          初めに  藍月なくるさんの1stライブ『クラリムステラ』に行ってきました。  今回はその感想記事になります。  ライブのネタバレ、オタクの感想や妄想を含みます。また私は藍月なくるさんの楽曲に詳しくありません。初期の頃やEndorfin.方面の曲には手を出せていません。  ご注意ください。  藍月なくるさん。  実はらぷりから知って、その後に聴き始めたのが藍月なくるさんの楽曲からでした。  らぷりもハマったのが『純情アンビバレンス』からだったので、知らず知らずのうちに藍月

          藍月なくるさん1stワンマンライブ『クラリムステラ』感想記事

          棗いつきさん1stワンマンライブ『SEEK for MYSELF』感想記事

          ※棗いつきさん2ndワンマンライブ『パラレルショット』の記事を書いていた際に、私の執筆アプリの中から発掘された物です。 確認すると投稿していなかったので供養がてら放出しておきます。 ……なんで私、日記代わりに書いてたのにこんなブログ調の文章なんでしょうか? 6月の私どうした? 初ライブでおかしくなってたのか?  棗いつきさんのソロワンマンライブに参加しました。  ライブに参加するのはこれが初めて。  初めに到着して思った事は「私はライブを舐めてたな」です。  物販の待機列に

          棗いつきさん1stワンマンライブ『SEEK for MYSELF』感想記事

          棗いつきさん 2ndワンマンライブ パラレルショット感想

          前書き 1月27日に開催された棗いつきさん2ndワンマン『パラレルショット』感想となります。  この内容はライブの内容を含みます。ご注意ください。    棗いつきさんの2ndワンマンライブに行ってきました。  1stで過去と今の作風を物語に取り入れてライブに仕上げていた棗さんの2ndライブです。  演出が凝っているという事前の情報もあり、絶対に何か仕込んであると想像はしていました。  概念3Dを使うのだろうか。もっと物語色を強めて来るのかな。  色々と想像はしていましたが

          棗いつきさん 2ndワンマンライブ パラレルショット感想

          竜に願いを(Triptych Symphony二次創作小説)

          前書き らぷりアドベントカレンダー 16日目の記事です。 前回の記事はこちらになります。 次回の記事は下記となっております。 公開後挿入予定 注意事項 ・今作はTriptych Symphonyを元にした二次創作小説です。 ・オリジナル要素が多数含まれております。 ・nayutaさんがヒロイン、いつきんくるが世界を滅ぼすお話です。 上記の内容が苦手な場合がブラウザバックしてください。 以下より本文が始まります。  本文1.世界の終わり  人々の頭上を2匹の竜

          竜に願いを(Triptych Symphony二次創作小説)

          棗いつきさんアルバム『HYPNO SONIC』感想 

          注意 この記事は棗いつきさんのアルバム『HYPNO SONIC』とその特典小説の内容を含みます。 ご注意ください。 はじめに   ようやく休みの日が来たので棗いつきさんの小説と音楽の感想です。  投稿にも書きましたが、10万字の小説と6曲の楽曲の複合の感想を140時でまとめようとすると「面 白 か っ た で す ! !」としか書けなくなるのでここで記載します。  ちなみに私は『音楽を聴く→小説を読む』という流れです。  また小説の内容にふれますのでご注意ください。ま

          棗いつきさんアルバム『HYPNO SONIC』感想 

          推し短歌~藍月なくるさん&nayutaさん~

          藍月なくるさんとnayutaさんについて上記の前回の記事の棗いつきさんと、そして今回の藍月なくるさんnayutaさんは3人で「La priere(らぷりえーる)」さんというユニット活動をされています。 元々最初に知ったのがLa priereさんからでした。 そのため、まずそれぞれ個人の記事を書いていこうと思ったのですが……。 はい。思うように時間が取れずにこの記事で書いていこうと思います。 いや、おかしいですね。何でなのでしょうね。 ちなみに何故か私の傍らにクリア済みの『イ

          推し短歌~藍月なくるさん&nayutaさん~

          推し短歌~棗いつきさん~

          棗いつきさんについて皆さん、棗いつきさんを知っていますでしょうか? 株式会社一二三所属の主に同人音楽で活動されてる方です。 「リアルとバーチャルを行き来するシンガー」として活動をされています。 詳しい内容はYouTubeチャンネルをぜひご覧になってください。 私に「推し」という言葉の意味と「ライブ」の楽しさを叩き込んでくれた方です。 ①咲き開く ガラクタの花 捨てられた いつかの思いも 養いとしてまず一曲目『Garbage Flower』という曲です。私の一番好きな曲です。

          推し短歌~棗いつきさん~

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第24話(終了)

          『――へぇ、じゃあ次のマッチング相手見つかったんだ。良かったね!!』  画面の中ではいつものローレルの定期配信が合っている。  どうやら以前の配信で振られたリスナーが再びデートにこぎつけたようだ。  嬉しそうにローレルが祝福の言葉を述べている。  そして時間はあと少しで23時になろうかという時間だった。  拾われる話題はあと1つ程だろう。 「……ふぅ」  私は震える指と心臓を意識しながらキーボードを操作していく。  こんな事をして良いのかいやただの自意識過剰か、と嫌な速さで思

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第24話(終了)

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第23話

          「あ、先生居た居た」 「……千里さん、貴方ね?」  瑞香から一方的に電話を切られてから一時間程、彼女は悠々と歩きながら姿を現した。  既に日が落ちかけている廊下に瑞香が歩いているといつかの再来のようだ。  懐かしくは思いながらも、私は口調と表情は不機嫌を装いながら言葉を続ける。 「一体何を……」 「だから、電話でも言ったでしょ? フリークスがいて殺したって。鈴谷の部屋に行けば死体が残ってるよ」 「そこは疑っていないけど……」 「でもしょうがないでしょー? 相手は飢餓状態で私の

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第23話

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第22話

          「……ここ、かな?」  瑞香がやって来たのは世帯者向けのマンションだった。  1人暮らし用に比べて明らかに部屋数が多い。  しかし、オートロックなどは無くいわゆる高級住宅では無い。  瑞香は頓着していなかったが、医者が住んでいるにしては貧相な場所だった。  番号から鈴谷の部屋を探し出した瑞香は扉を開ける。  一歩部屋の中に入ると、鈴谷は足を止めた。  険しい顔で部屋の中を見渡していく。  室内はシンプルなものだった。  履いてすぐの扉はおそらく水回り、正面にはリビングが見える

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第22話

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第21話

          「ったく、当たったんだから死んどきなさいよ」  鈴谷が走り出したのを確認し、思わず自分の口から悪態が漏れてしまう。  あの再生速度からかなりの体力だろうと想定はしていたが。 「頭と身体吹き飛ばしてもまだ動けるとか一体どうなってるのよ!!」  正直まともな個体ではない。そもそも一体どのようにしてフリークスになったのか。  駆け寄って来る鈴谷は人間はおろか、フリークス離れした速度を出していた。  瑞香の拘束も無いこの状況でライフルで狙い撃つのは無理だろう。  だから機関銃や小銃を

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第21話

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第20話

           数十分後、高校にたどり着いた瑞香の視界が、グラウンドの中央に立っている鈴谷を捕らえた。  未だ距離があったが鈴谷が手を振ってくる。  それは彼女が瑞香と同じ視力を得ている事の証明だった。 「そこで動かないでください」  グラウンドに足を踏み入れようとした瑞香を鈴谷が制止する。  言葉通り素直に瑞香は足を止めた。 「随分時間がかかりましたね?」 「バス使えばこんなもんでしょ?」 「貴方ならバスより早いでしょうに?」 「冗談。それで珍獣としてTVに映されろって?」 「……なるほ

          「彼女と交わす取引と、そして普通を望む化物の学校生活」第20話