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シンガポールでSTAY@HOME 2月25日(土)通算1055日目 グリーン(DORSCON)13日目

シンガポールでは病気のリスクを示す指標であるDORSCONが鳥インフルエンザ等と同じ緑に変更され、公共交通機関ではマスクの着用義務が撤廃されました。以前の生活に戻ってきていることを日々実感していますが、WHOは収束宣言をしていません。当地での様子を引き続き記していますので、お付き合いいただけますと幸いです。
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2月25日(土)通算1055日目 グリーン(DORSCON)13日目

 昨日辺りから、Twitter上で日本の学校図書館の除籍が話題になっている。児童文学評論家のインタビュー記事が発端のようだが、大きく分けて論点は2つあるようだ。1つ目は、除籍という行為について。2つ目は、記事内で語られている今やミステリーは血の1滴で犯人が分かるといった内容を発言していること。新型コロナウイルスの流行以降あまり図書館は利用できていないが、司書の資格を持っている人間であり、小説家志望として一応考えをまとめておきたいと思う。

 1つ目に関しては、学校図書館という性質上仕方がない。刊行物全てが保存される国立図書館や、多くの資料を有する学校図書館、あるいは閉架書庫を持つ公立図書館であれば、すぐに除籍という判断に至らないものもある。ただ、学校図書館には、長い目でみれば価値があるかもしれない、といった図書を保存するスペースはない。それよりも、調べ学習などの授業で使える資料が揃っていることが大事なのだ。例えば「成人は20歳」と書かれていたら、教諭や司書が児童に違うと説明しなければならない。手間が増える意味でも、ニーズに合っていないと言える。図書館は知を保存する場所ではあるものの、学校図書館に限っては少し違う立ち位置と考えた方が良いだろう。

 2つ目は、時代にそぐわない例として挙げたかったのかもしれないが、この評論家はミステリーを読まないのだろうなという感想しかない。舞台が過去であれば、血が流れても犯人の特定には結びつかないからだ。また現代の話で、血が流れないものもある。科学の進歩と共に作家たちは手を替え品を替え、ミステリーを紡いできた。科学によって、推理小説が廃れるというのは誤りだ。
 子ども向けのミステリーは、江戸川乱歩の頃から存在している。傷みや文字の古さ等で廃棄される場合はあると思うが、新装版等であれば十分に購入される価値はある作品のはずだ。その意味でも、この児童文学評論家はミステリーを知らないのだと思わざるを得ない。

 記事全体を通して、除籍は仕方がない思うので、基準には問題がありそうだが行為そのものに異論はない。しかし、ミステリーを例に挙げたのは完全なる悪手だったという感想だ。

参考文献
東洋経済「児童文学評論家・赤木かん子の『学校図書館ビフォーアフター』がすごい」(2023年2月25日15時4分閲覧)
児童文学評論家・赤木かん子の「学校図書館ビフォーアフター」がすごい | 東洋経済education×ICT | 変わる学びの、新しいチカラに。 (toyokeizai.net)

去年(2022年2月25日)の記事はこちら↓

一昨年(2021年2月25日)の記事はこちら↓

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。



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