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国語の教員免許&司書資格保持者が伝えたい!! 読書感想文攻略法(選書の方法)

 ※授業や対話をイメージして、敬語で書いています。

 読書感想文には、向いているとされる本が存在すると思います。ただ、選び方を間違えると読書が全く楽しいものにならず、苦痛だけがつきまとう結果になってしまうのも事実です。選書のポイントは3点です。

超有名な文豪の作品はおすすめ
課題図書は避ける
子どもが選んだ本を尊重する
 
超有名な文豪の作品はおすすめ
 誰でも知っているような文豪の作品にはハードルを感じるかもしれませんが、面白い作品も多いです。読書感想文をチェックする大人もそういった作品で書くことに不満を持つとは思えないので、あえて有名どころから選ぶのもありだと思います。
 個人的におすすめしたい文豪は小学生~中学生であれば児童向けにも小説を書いている芥川龍之介で、面白いものも多数存在します。個人的には以前紹介した「魔術」が、比較的書きやすいと思います。中学生以上であれば、猿蟹合戦のその後を描いた「猿蟹合戦」もおすすめです。もちろん、中には「河童」や「歯車」のように大人を対象としたものも存在するので、注意は必要です。
 また、中学生~高校生であれば、ミステリーも手掛けている坂口安吾が良いと思います。1番のおすすめは「アンゴウ」です。
 その一方で太宰治は、難しいです。小説好きとしてはもちろん好きな作家なのですが、起承転結が明白でない作品も多く、普段からあまり読書をしない人には少し書きづらいかと思います。
 
課題図書は避ける
もしかすると「え、一番の安パイじゃないの⁉」と思った方もおられるかもしれないですが、どうか避けて欲しいタイプの本です。断っておくと、本そのものが良くないという意味ではなく、読書感想文として読まないで欲しいのです。
 基本的に課題図書には、何かしらの教訓が込められていたり、そう読み取れたりするものが採用されています。その意図に乗って文章を書くことは可能ですが、多分楽しくはないです。読書への興味や関心が減退する大きな要因となりかねないので、極力避けてください。
 
子どもが選んだ本を尊重する
 仮に「それでどうやって読書感想文を書くの?」と思うような本を持ってきたとしても、子どもの意見を尊重してください。自分で選んだというだけで、他人からのお仕着せよりもモチベーションは上がるはずですし、それだけ読書に対しても前向きになってくれると思います。
 子どもが「つまらなかった」と結果的に感じたとしても、大人から渡された本ではなく自分が選んだものということで、書き終えるまで向き合う原動力になる可能性があります。図鑑や漫画など、本の形態として読書感想文が認められない場合以外は、どうか尊重してください。
 
 ①~③を総括すると、有名な文豪作品に限定して、その中から子どもに選んでもらうのが良いかもしれないです。最近は青い鳥文庫など子ども向けのレーベルが、有名作品をファンシーな表紙にして発売しているので、①~③が合致した作品も探しやすいと思います。ハードカバーで探すのも良いですが、ぜひ色々な棚を見てみてください。また、図書館の司書さんや書店員さんに相談するのも、きっと親身になってくださると思うのでおすすめしたいと思います。
 
 

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