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シンガポールでSTAY@HOME 10月17日(月)通算924日目 イエロー(DORSCON)175日目

シンガポールで採用されている警戒レベルDORSCONが、新型コロナウイルスの流行以降、2年ぶりにオレンジ色から黄色へと4月26日に変化しました。また、ワクチンが完全接種であれば、入国に検査と隔離も免除となり、一層かつての生活に近づいてきていることを実感します。

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10月17日(月)通算924日目 イエロー(DORSCON)175日目
 先日、日本経済新聞に掲載された「『バカの壁』と『円安の壁』 広がる世界との距離」が不思議な内容だった。筆者としては「円安によって、外国に行くことが阻まれた結果、海外を体験することは難しくなるだろう」といった内容が書きたかったのだと推測する。その主張自体に何かを申したい訳ではないのだが、その内容に至るまでに列挙された例が変なのだ。

 ケニアやマレーシア、そしてシンガポールでの話が知人からの伝聞形式という形で紹介されている。当地に関しては「シンガポールで入った王将も『餃子セットが2000円!』。歯医者では20分話しただけで2万円かかり絶句した」と、違和感を覚える内容だ。

 まず、王将に関してだが、餃子セットの内容が不明だ。有名なのだとは思うものの、一体何が入った2000円なのかで印象が全く異なる。また、日本と寸分違わない内容なのかも言及がなく、一概に値段だけでは判断できない。私自身、あまり王将に行かないためよく知らないが、もしも餃子が20個付いた上にご飯と汁物が付いていたとしたら、非常にコストパフォーマンスが良い商品になる。日本の円安を強調したいのなら、もっと詳しく比較をして欲しいところだ。

 調べてみたところ、日本にある大阪王将での餃子セットは税込み917円で、餃子12個、唐揚げ2個、御飯、スープが内容となっているようだ。一方当地は私が調べた限りでは、餃子12個とご飯のみでS$13(1300円)はあったが、知人の指しているメニューは不明だった。ちなみに今回の記事では「王将」とあるだけで、餃子の王将か大阪王将の言及はない。それでも大阪王将で比較したのは、当地で広まっているのは後者だからだ。

シンガポールの大阪王将の餃子セット
大阪王将大館店の餃子セット

 知人は餃子以外の料理も付いたセットを注文したと思われるため「餃子セット」と説明するのは、不適切に感じる。確かに唐揚げ2個とスープが無い上に、値段も約400円高いため円安である事実に違いはないものの、かなり印象が違うはずだ。余談だが、レストランでは当地では10%のサービス料と税金が後から追加されるため、実際には大体1500円程度になる。

 次に歯医者の件だが、そもそも国民皆保険制度が適応されない海外では、10割負担となり、高額になるのは当然だ。今回の20000円の3割なら、6000円となる。もちろん、それでも日本でかかる費用より高い印象だが、一体何の相談で行ったのか不明な上、救急だった可能性もある。先ほどの大阪王将の件は情報をきっちり提示すれば円安を説明する例になり得るが、こちらに至っては国民皆保険の違いがある以上、例として取り上げても混乱を招くだけではないか。当地以外の例に関しても変な所はあったが、あまりに長くなるため割愛しておく。

 恐らく筆者は自論に合う情報を探した結果、知人の話を曖昧な状態で引用することにしたのだと思う。あまり良いことではないが、私も自身の主張に合うデータを探すことはあるため、気持ちはとても分かる。しかし、この記事では筆者は円安の壁により、海外のことを実際に知る機会は減るといった内容を書きつつも、既に本人が知ったつもりの状態に陥っているように感じる。海外で暮らしている私は、筆者からすると恵まれた「円安の壁」を越えている人間なのだと思う。知らない海外の情報を鵜呑みにしたくない、と改めて実感する記事だった。

日本経済新聞の記事はこちらです。有料記事ですが、今回のnoteで指摘した部分は無料でも閲覧できる範囲なので良かったら開いてみてください。
日本経済新聞「『円安の壁』と『バカの壁』 広がる世界との距離」(2022年10月17日
15時51分閲覧)
「円安の壁」と「バカの壁」 広がる世界との距離: 日本経済新聞 (nikkei.com)

参考文献
大阪王将 大館店「メニュー」
大阪王将 大館店 メニュー (osaka-ohsho.com)
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去年(2021年10月17日)の記事はこちら↓

一昨年(2020年10月17日)の記事はこちら↓

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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