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明日少女隊、5周年!!明日少女隊立ち上げのストーリー(1)

4月で明日少女隊は、活動を始めてから5周年となりました!
私たちを応援してくださる皆さま、とくに、私たちがまだ無名だった頃から応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!!!

私たちのブログも、ちょうど5年で、Tumbler からnoteに移行しました。
これまでの活動が詰まった2015~2020年までのブログはこちらです。

5周年を記念して、明日少女隊の発起人、尾崎翠が語る立ち上げ時のストーリーをこちらに掲載します。

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(Photo by San Weng Sit, Los Angels, 2018)

発起人、尾崎翠からの明日少女隊立ち上げのストーリー(1)

活動の始まりと立ち上げメンバー

明日少女隊は2014年の後半頃からメンバーを集め始めて、2015年の4月に発足しました。

日本人アーティストの私こと尾崎翠が、韓国人アーティストのキム・ミョンスン、韓国人デザイナーのケイ・ウォル、アメリカ人ライターのベアテ・シロタ・ゴードン、日本でワーキングマザーをしている矢川澄子とチームを作り、その他多くの友人たちの協力により、なんとか立ち上げました。

注:明日少女隊は匿名団体で、隊員はみんな戦後活躍した女性の名前を名乗っています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。


明日少女隊をはじめようと思ったきっかけ

長い間、おそらく中学生の頃くらいから、日本の女性問題について気になっていました。

ただ、大学院を卒業した時点で、日本を離れてから10年ほどたっていたので、漠然と、日本も21世紀に入ってから諸外国同様フェミニズムもどんどん進展しているはずで、日本の女性問題は海外に住んでいる人が心配する必要はないとも思っていました。

転機が訪れたのは、大学院を卒業してすぐに、結婚、妊娠、出産という経験をしたことだと思います。

子供が生まれてから、私は、主にアメリカのママのコミュニティ(日本人はほとんどいない)とアメリカ在住の日本人ママのコミュニティ(駐在員の妻が半分以上)に属すようになりました。

その2つのコミュニティーを行き来するうちに、同じ月齢の子供を持つ母親でも、アメリカ系のコミュニティーのママたちの悩みと、日本人コミュニティーのママたちの悩みが全く違うことに気がつきました

例えば、赤ちゃんが生後6週目くらいの頃、アメリカではお医者さんから検診で「避妊具はなんにしますか?」という話をされます。6週目を過ぎたあたりから、体が妊娠できる状態になっていくのですが、出産と妊娠の間が短いと、早産や未熟児、新生児と母親の死亡率上昇といったリスクがあるからです。
なので、その頃のアメリカ系の母親たちは、避妊具の話で持ちきりです。

「毎日カオスすぎてピルなんか無理だよね」「やっぱり手間がかからないIUDかな!」「私はリングでいいよ、なれてるから」「パッチはどうなんだろう?」

アメリカでは、避妊具は保険の対象なのでほぼ無料で手に入るのと、いろんな種類の避妊具があるので、自然と「どれにする?」という話になります。

そして、同じ頃「そろそろ夫とのデートの時間を作らなきゃね!みんなどうしてる?」という話題も多く聞かれました。シッターを雇うか、雇うお金がなかったら友人どうして交代で子供を見て交代でデートをするのはどうかとか、両親や義両親に子供を見てもらってその間にデートをしようとか。

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同じ頃、同じ月齢を持つ日本人ママたちは、夫が家にいると仕事が増えて大変、夫と寝室を別にした、夫とできれば距離を取りたいという話題が多く聞かれました。夫に、子育ての大変さを伝えられず悩んでいるという人もいました。避妊やデートの話は全くなく、夫があまりにも家事や育児を手伝ってくれないのでロマンティックな気持ちにはなれないというのが本音のようでした。

さらに、経済的に余裕のある日本からの駐在員の妻たちが、「もう美容室に行くのは諦めた」「もう自分の歯医者さんに行くのも諦めた」というのに驚きました。

と、言うのも、私の属するアメリカ系のママのコミュニティーでは、アーティストも多いので裕福な人ばかりではありませんが、それでも、母親が美容室や歯医者さんに行くのを諦めたというのを聞いたことがなかったからです。

駐在員の妻たちに「日本人の信頼できるシッターさんやハウスキーパーを紹介するよ!だから歯医者さんも美容室も行っておいでよ!」と言っても、「夫や日本の家族がいい顔しないから、、、」というような反応が帰ってくるばかりでした。

その頃、日本のメディアでは、日本にシッターサービスが足りない、というニュースを多く伝えていました。しかし、私の目の前には、異国の地で、子供を実質たった一人で育てている裕福な女性が、質の高いサービスが目の前にあっても使えない現実がありました。彼女たちや、彼女の家族たちの心の中に「母親は人の手を借りずに子育てに専念すべき」という大きな壁があると感じました。

私なりに、この壁を打ち破るにはどうしたらいいんだろう?と考えた結果、心の壁を打ち破るには、フェミニズムを広げるしかないと思い、日本に向けてフェミニスト・アーティストの団体を作ることを決めました。

(続く)



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