人事評価は「未来へのバス」だ【中小企業の初めての人事評価3部作①】
あなたの会社の人事評価制度はあなたの愛でしか作れない。
人事評価制度構築に必要な要素は、専門知識でも法律でもなく、あなたがあなたの事業をもってどのような未来を創造していきたいかという情熱と、その未来に一緒に連れていきたい人材を生み出していきたいという「愛」だということです。
・いい人材が育たず事業が伸び悩んでいる
・ともに会社を盛り立てて行ってくれる人材がいない
・一人により評価がバラバラで不公平
そんな悩みを抱えている中小企業ばかりでしょう。
一方、中小企業において人事評価制度があると回答した会社は4割程度です。(中小企業診断士協会 平成28年6月調べ)
さらに言えば、「ある」と回答した会社のうち実際に適切に運用できている、例えばきちんとルールが浸透している、経営者が制度を適切に理解して公平に実施しているかという会社は、おそらく5割もいないことでしょう。
ほとんどの中小企業は人事評価の制度もなく、経営者がなんとなく鉛筆を舐めながら月給をプラス何千円なんてやっているところが6割。
もしくは、どこかの専門家に相談してもらった評価項目が何十項目もある大風呂敷のような評価制度で「人事評価制度を導入した気分」で満足している経営者が2割。
このように人事評価制度などというイメージから、なんとなく持っている「ヒトの評価はこうあるべき」といった既成概念から、きちんとしたモノをつくればきちんと人を評価できると勘違いしてしまう。
いや、そうではないと思うのです。
人事評価制度、特に中小企業におけるそれは、あなたがあなたの事業または会社を未来に残していくために必要な人材をどのように選ぶ、または育てていくためのツールです。
そのため主語は、経営者である「あなた」なのです。
「働くスタッフに幸せになってもらいたい」
「みんなが楽しく働ける職場環境を作りたい」
そんな思いで人事評価制度を作る経営者は多いですが、このような思いの土台には、あなたの会社の発展があるはずです。
そもそも、スタッフが10人いれば10人の幸せがあり10人の生き方がある。
その意味で、その10人全てを幸せにするのは無理なのです。
考えなくてはならないのは、あなたの会社の理念に共感してくれ、一緒に成長していってくれる人材をどう選び、どう育て、どう評価していくかです。
・自分の会社の未来に不要な人を入れさせない
・自分の会社の未来に一緒にいることが想像できない人は評価されない
・自分の会社の未来に「一緒にいたい」と互いに思える人を高く評価する
ヒトを評価するということは、自分の会社の未来を評価するということでもあるかもしれません。
・事業を成長させていきたい
・会社の成長に貢献してくれる人材を育てたい
・人の問題に関するわずらわしさから解放されたい
とお考えの経営者様、どうぞこの先読み進めて見てください。
誰をバスに乗せるか
ビジネスにおいては、何をやるかよりも誰とやるかという方が重要と言われることがあります。
これは実に核心を得ている言葉だなと思いますが、やはり中小企業においては人材が不足する中でただただ理念だけを高く描いても絵にかいた餅になってしまう。
偉大な本にも上記のように記載されており、会社として成功していくためには、「誰と一緒に」未来を創っていくかを考えていくことが重要です。
その「誰」を考えていくときに、とても役に立つのが人事評価制度なのです。
人事評価制度では「どのような行動や成果が評価に値するか」を明文化するため、働くスタッフにおいても「会社がどの方向に進みたいのか」を理解することができるためです。
人間、誰でも評価されたいし、高い給与が欲しい。
そのため適切な考えを持つスタッフであれば、その人事評価制度で会社が求める成果や行動に合わせて自分を成長させようと努力する。
その努力が見られないスタッフは、結果や行動が見られないから評価されずに給与も上がらない。結果として不満が募り会社を自ら去っていく。
このように自然と、未来へのバスに乗っている仲間が選別されていくことになる。
このような役割を人事評価制度は担うべきなのです。
目的を「みんなをより公平に」では達成は永遠にできません。
ヒトの何を、どのように評価(=褒める)か
次に、人事評価において、人の「何を、どのように」見て(評価)していくかです。
↓こちらの記事にてご確認ください。
賃金をどのように決めるか
次に、人事評価において、賃金をどのように決めていくのかを学んでいきましょう。
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