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U2とウクライナ侵攻と戦後PTSD

【U2のボノとジ・エッジ ウクライナのキーウを訪問 防空壕となっている地下鉄の駅でライヴ実施】
音楽情報サイトamass.jpの記事だ。

こんにちは。明日葉 ありすです。
今日は、こちらのニュースを取り上げます。

若い方たちのU2に対する知名度がどれ程なのかは分からないが、私達世代にとってはリアルタイムで、私が最も好きなバンドの1つでもある。
数年前に来日してくれた時は、埼玉スーパーアリーナまで観に行った。

なんで島国アイルランドのバンドがウクライナに?という疑問を持つ方もいらっしゃるかも知れない。まさにその、アイルランドという出身国が、彼らを駆り立てる動機として、非常に大きな割合を占めると私は解釈している。

U2は常に社会問題に対して、音楽を通して様々な訴えをしてきた。
その背景には、彼らの故郷であるアイルランドが抱えてきた、「北アイルランド問題」が大きく影を落としている。
北アイルランドの帰属に関して、イギリスとアイルランドで長きにわたって続いた地域紛争だ。

彼らの代表曲の1つは、その北アイルランド問題の時に、軍が非武装の市民を殺傷した“ボグサイドの虐殺”、またの名を“血の日曜日事件”を題材としており、曲のタイトルもまさに“血の日曜日 -Sunday Bloody Sunday-”になっている。

凄惨なシーンが多く出てくるので、苦手な人はこの動画の下の、オフィシャル音源のみの視聴をお勧めしたい。

今回、キーウの地下で演奏された、“Walk On”という曲がある。
その際、アウン・サン・スー・チー氏について書かれた内容の歌詞を、ゼレンスキー大統領に置き換えて披露している。

当初、スー・チー氏の熱心な支持者であったVoのボノだが、後にミャンマー国内で発生した、イスラム系少数民族ロヒンギャに対する迫害問題を受け、辞職を要求している。

前述した埼玉スーパーアリーナのコンサートでも、アフガニスタンの人々のために尽力し、殺害された中村哲医師を讃えている。
ステージ上で繰り広げられる演出も、社会問題や平和への渇望と切り離せない内容になっている。

ボノがノーベル平和賞の候補に上がるのも頷ける活動内容だ。

よく、「ロックは反抗心だ」と言われるが、根底にあるのは“愛と平和”だ。時代と体制に翻弄され、脅かされるままであることを良しとせず、音に乗せて訴えかけるのがロックだ。
ロック=反抗心=不良=酒とドラッグ というイメージが先行しているが、その背景には、抗うことが困難な時代背景が必ずと言ってよいほど介在している。

特に個性の爆発した1970年代のロックに関して言えば、戦後を引きずった混沌とした時代や生きづらさが描かれる事は多い。だが、まだ理解が浅いような気がしてならない。

夫マッドさんと私の持論だが、戦中派の戦後PTSD世代に育てられた若者たちが抱えた、無理解や機能不全家族、親からの虐待が彼らのパフォーマンスの根幹に有ると思っている。彼らの多くは恐らく、ある意味サバイバーで有り、発症しているかいないかは別として、複雑性PTSDに近い気質を持ち合わせている気がしてならない。

時代を彩った1970年代ロックのミュージシャン達。
例えば、エルトン・ジョン。フレディー・マーキュリー。
バンドであれば The Who、Pink Floyd。

調べれば調べるほど、戦後世代を親として持った彼らが、間接的に戦争の影響を受けて育っており、親との確執や虐待、生きづらさを抱えていたことが分かる。

ロック=反骨心という図式は、型通りの見方に留まってしまっていると感じる。

ロック=サバイブを強いられてきた者たちの魂の叫びだ。
愛に満たされたい、平和でありたいという、命がけの願いだ。

そして、叫べば叫ぶほど己が疲弊し、命を削る過酷な作業だと思う。

話をU2に戻すが、ボノ以上に、ウクライナを今訪れる事が最も相応しいミュージシャンは、他に思いつかない。
あのヤフコメ(笑)に肯定的意見が多く寄せられているという事実だけを見ても、U2を、ボノを知っている人であれば「よくぞ動いてくれた」と、自然に思えるのだろう。

紛争や戦争。繰り返される混沌。
抱えきれない傷を負う人々。その人々を親として育つ人々。
そんな、表現のしようがない苦悩が繰り返される事で産み出されてくる、音楽を始めとした表現。

それが商品として世に出たことで恩恵を受けてきた私が、言える事では無いのかも知れないが、そんな悲しい表現は必要なのだろうか。

でも、その表現を知ったからこそ、今その手本に倣い、自分を癒やしているのも確かだ。救われているのは確実だ。

忸怩じくじたる思いが拭えない。

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