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無意識にある「しがみつき」【分離不安】

 前回に引き続き、今回も「分離不安」について触れていきます。

■自分が人に求められることを求めている

 彼らは求められ、感謝されたがっているのである。それを逆にいえば、彼らが無力感、無意味感に苦しんでいることでもある。
 彼らは小さい頃母親から、自分が本当に求められているという実感がないまま成長したのではなかろうか。人に求められたいという欲求が満たされていないのである。その欲求が満たされないまま、不安なのであろう。
 決して悪い人ではない、善意の人である。しかし何となくその人といると束縛感がある。そういう人は、相手にいつも自分の行為に対する反応を求めているのである。

 何というか、自分の中に「誰かの役に立たなければならない」といった意識できない強迫観念があり、それに囚われている自分の行動に違和感を感じることが多々あります。

 自分は無意識に「感謝」されることを求めているのかもしれません。支援職についてから「感謝されたがっている自分がいるのでは?」という自分に朧げに気が付き、過去記事で触れましたが、違和感を感じ「まずは自分を充足、充実させることが先決だ」と方針を見直すことにしました。


■心の支えがないから、人からの評価を求める

 自分自身のために生きられない人は、恩着せがましくなる。
自分自身のために生きられない人はおそらく愛情飢餓感が根底になるのではと推測される。
 つまり何よりも相手との関係が大切なのである。相手との関係から最大の満足が得られる。何よりもまず自分が相手から求められる存在でありたい。求められることにより何より生きがいを感じる。

 個人的には、支援職にありがちな感じがします。自分も「求められることにより何より生きがいを感じる」ということを感じ、仕事をしていて「これは何か破綻をもたらすのでは」と嫌な違和感を感じ始め、色々と自己分析しながら今に至っています。


■所有欲、独占欲の深いところに愛情喪失体験がある

 富と名誉と数多くの女性を所有しつつ、不安にさいなまれている男もいる。自分の所有欲のさらに深いところに重大な愛情喪失体験があることに気がつかないでいる人は、生涯焦り続けるであろうし、本当に親密な人ができないであろう。
 自分が自分の感情をもてあましている時、その最も奥深いところに幼い日の重大な愛情喪失体験があるのではと反省してみることである。愛情喪失体験者は、その心の空白を埋めようと焦るし、その心の空白を埋められないでいるからこそ、自分で自分をどうしようもなくなっているのである。

 過去に富と名誉を得て、数多くの女性にモテれば幸福になれると思っていた時期がありました。結局のところどれも叶わなかったのですが、もし叶ったとしても「幼い日の重大な愛情喪失体験」があることに気がつかなければ、結局のところ心の空白を埋めようと、訳もわからず焦っていたかもしれません。
 自分に「幼い日の重大な愛情喪失体験」があるのかは、記憶が定かではありませんが、このことを言語化できたのは大きいなと思います。
 どうやら、道を思いっきり外すことを防いでくれそうです。


■他人にしがみついている人は怒りを表現できない

 そういう人は他人に絡みつきながら生きていく人になるだろう。一人になることを恐れる。一人になることをいやがる。一人で何かをすることができない。一人で旅に出ることを嫌がる。
 一人で何かをすることがいやがるからといって、他人といる時楽しいというわけではない。そういう人は他人といることを楽しめないけど、一人では何もできないのである。
 このように他人に心理的に絡みついて生きている人は、怒りをストレートに表現できない。
 この怒りのエネルギーは容易に自分にむいてしまう。大人になってもこのプロセスは同じである。大人になっても、怒りを自分にむけてしまった人は淋しさに耐えなければならない。しかし、たいていは怒りを自分にむけてしまった人は淋しくて一人でいられなくなる。そして他人と群れていようとする。

 自分はかつて人が怖いのに人に依存してしまうという謎の生物になっていたのですが、この文章を読んでめちゃくちゃ納得です。
 特に高校時代までは他人といることが楽しくなくても、一人は嫌だなという思いを強く持っていました。それは社会人になっては薄れていったものの、しっかり残っているのかもしれません。

 そして、怒りのエネルギーはいつも自分に向いていましたが、障害受容を契機に自分に対する怒りが軽減し、逆に失礼なことをしてくる人をバシッと切れるようになりました。
 愛情飢餓感があることも、それを認めながら許していく過程が必要かもしれません。自分の障害受容はまさにそんな流れで進んでいきました。

 自分に対する怒りを許しに変えること。自分の障害受容から出た答えの一つです。 


【参考文献】


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