『一緒』 (中高生たちの超短編小説 016)
やぁ、君からすると「初めまして」かな?
ん?僕は何者かだって?
そうだなぁ、幽霊とでも言っておこうか。
そんな嫌そうな目で見ないでくれよ〜。
幽霊と言っても悪い幽霊ばかりじゃないんだよ。
まぁ、僕は良くも悪くもないけどね。
僕は君が生まれたからこの世に存在するようになったんだ。
君が明かりを消して寝る時に僕も寝て、
君がお日様の光で目覚めた時に僕も起きる。
僕はずっと君と一緒だったんだ。
だから多分死ぬまで一緒なんじゃないかな。
いや、待てよ?
もしかしたら僕の方が少しだけこの世にいる時間が長いかもしれないな。
君が死ぬ、棺に入れられる、お経を唱えられる、運ばれる、燃やされる、
そして棺より小さい、中くらいの箱に入れられる。
その時が僕の終わりだ。
悪いなぁ、君が僕を生んでくれたっていうも同然なのに長生きしちゃって。
まぁ、そこからは君は僕につきまとわれることは無くなるよ。
だからさ!その時まで、このままでかまわないだろう?
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