朝倉宏景(小説家)

3月に双葉社から長編『ゴミの王国』刊行予定。4月に東京創元社「紙魚の手帖」に短編掲載予…

朝倉宏景(小説家)

3月に双葉社から長編『ゴミの王国』刊行予定。4月に東京創元社「紙魚の手帖」に短編掲載予定です●第7回小説現代長編新人賞奨励賞●第24回島清恋愛文学賞●2022ひょうご本大賞受賞

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小説家としての半生と反省④長編小説のアイデアを出す秘策編

この記事を読んだら、誰でも長編小説を書くアイデアが出てくる! とまで言うと誇大広告なので、ヒントにはなると思って(でも、ちょっと騙されたと思って)読んでみてください。できれば、前段の②③あたりの記事も読んでいただけると、より理解が深まると思います。 さて、小説家の村山由佳さんが、渡辺淳一さんに言われたというこの言葉。 「特殊を描いて普遍に至るのが文学だよ」 では、まず「特殊」とは何なんでしょう……? 適当に奇抜なことを設定をしても、それを一冊の長編小説に仕上げるのは至難の

    • 小説家とジョギングについてのお話。

      せっかく前回の記事でジョギングについて書いたので、愚痴ばっかり言っていないで少しは建設的なことを書こうかなぁと思います! ジョギングは私の趣味――というよりは、なかば義務のようになっています。週に1,2回くらい、8~10キロを走るので、あまり大した距離をこなしているわけではないのですが、書くことと、走ること、この二つは両輪でうまく転がっていくような印象です。 ちなみに、私はロードバイク(自転車)にも去年から乗りはじめたのですが、やはり自転車を漕ぐのと走る行為は全然違って、書

      • 見ず知らずの人がジョギングで張り合ってきて困るお話。

        こんにちは、今日も読んでいただいてありがとうございます! 私はジョギングを趣味にしております。いつも、大きな公園のジョギングコースを走っています。 そんなに速くは走れません。抜かすことよりも、抜かされることのほうが多いです。自分のペースを守って、ゆったりしたスピードで、だいたい8キロほどを走ります。 市民ランナーは、皆さんだいたい自分のペースを把握していて、このスピードなら、この距離を走りきれるというある程度の経験をもとに走っていると思います。ダイエット、健康維持など目的

        • 見ず知らずの人から日本語について説教されたお話。

          これは、私がとある大きな文化施設でアルバイトをしていたときのお話です。 その施設は18時で閉館でした。 とはいえ、18時を過ぎても鑑賞をつづける方は大勢いらっしゃいます。私は「恐れ入りますが、閉館時間です。ご鑑賞をお急ぎくださいますよう、お願い致します」と、フロアの全体に向けて広報をしてまわりました。 すると、一人の中年男性が近づいてきました。そして、私の耳元でこうささやくのです。 「『閉館時間』じゃなくて、『閉館時刻』が日本語として正しいんだ。『閉館時刻』と言いなさい」

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        小説家としての半生と反省④長編小説のアイデアを出す秘策編

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          小説家としての半生と反省③2作目の壁編

          いつも読んでいただいて、ありがとうございます! 前回、エンタメ小説をはじめて書いたら、勢いのままするするできてしまって、小説現代長編新人賞の奨励賞を受賞してしまったというお話をしました。 そんな私が2作目を書くときにぶちあたったのは、「え……、エンタメのストーリーってどうやってつくるの?」という、そもそもの疑問でした。 なんで、そんな大事なことを考えていなかったのでしょう……。まさか、受賞するとは思っていなかったということもありますが、私の間が抜けていたということもあります

          小説家としての半生と反省③2作目の壁編

          小説家としての半生と反省②純文学vsエンタメ編

          私は大学生くらいから小説を書きはじめました。 そもそも小説を読みはじめるきっかけが、大江健三郎だったり安部公房でした。女性作家では金井美恵子さんや松浦理英子さんが好きなので、自然と私も純文学と呼ばれる分野に足を踏み入れることになりました。 純文学とエンタメって何? という疑問を、けっこうよく聞かれるんですけど、私はこう答えてます。 純文学は地下にひたすら穴を掘っていくようなイメージです。最初は井戸みたいな小さい穴から、暗く深い、さらに深奥へ。掘る対象は、自分自身だったり、

          小説家としての半生と反省②純文学vsエンタメ編

          小説家としての半生と反省①人生楽しもうぜ!編

          こんにちは、はじめまして。 朝倉宏景と申します。 講談社の小説現代からデビューさせてもらって、約10年経ちました。 刊行したのも10冊くらいで、だいたい1年1冊ペースでしょうか。 小説の書き方についてだったり、日々感じたことなどを気の向くままに書いていきます。自分自身でも、過去の道程をたどり直してみたい時期にさしかかったのかもしれません。 やはり最初の投稿なので、なぜ小説を書きはじめたか、どんな新人賞に応募してきたか、どうやってデビューしたか、あのときああしていればもっとよ

          小説家としての半生と反省①人生楽しもうぜ!編