マガジンのカバー画像

小説家としての半生と反省

4
小説の書き方とか、経験とか、いろいろ書いてます!
運営しているクリエイター

記事一覧

小説家としての半生と反省①人生楽しもうぜ!編

小説家としての半生と反省①人生楽しもうぜ!編

こんにちは、はじめまして。
朝倉宏景と申します。
講談社の小説現代からデビューさせてもらって、約10年経ちました。
刊行したのも10冊くらいで、だいたい1年1冊ペースでしょうか。
小説の書き方についてだったり、日々感じたことなどを気の向くままに書いていきます。自分自身でも、過去の道程をたどり直してみたい時期にさしかかったのかもしれません。

やはり最初の投稿なので、なぜ小説を書きはじめたか、どんな

もっとみる
小説家としての半生と反省②純文学vsエンタメ編

小説家としての半生と反省②純文学vsエンタメ編

私は大学生くらいから小説を書きはじめました。
そもそも小説を読みはじめるきっかけが、大江健三郎だったり安部公房でした。女性作家では金井美恵子さんや松浦理英子さんが好きなので、自然と私も純文学と呼ばれる分野に足を踏み入れることになりました。

純文学とエンタメって何? という疑問を、けっこうよく聞かれるんですけど、私はこう答えてます。

純文学は地下にひたすら穴を掘っていくようなイメージです。最初は

もっとみる
小説家としての半生と反省③2作目の壁編

小説家としての半生と反省③2作目の壁編

いつも読んでいただいて、ありがとうございます!
前回、エンタメ小説をはじめて書いたら、勢いのままするするできてしまって、小説現代長編新人賞の奨励賞を受賞してしまったというお話をしました。
そんな私が2作目を書くときにぶちあたったのは、「え……、エンタメのストーリーってどうやってつくるの?」という、そもそもの疑問でした。

なんで、そんな大事なことを考えていなかったのでしょう……。まさか、受賞すると

もっとみる
小説家としての半生と反省④長編小説のアイデアを出す秘策編

小説家としての半生と反省④長編小説のアイデアを出す秘策編

この記事を読んだら、誰でも長編小説を書くアイデアが出てくる! とまで言うと誇大広告なので、ヒントにはなると思って(でも、ちょっと騙されたと思って)読んでみてください。できれば、前段の②③あたりの記事も読んでいただけると、より理解が深まると思います。

さて、小説家の村山由佳さんが、渡辺淳一さんに言われたというこの言葉。
「特殊を描いて普遍に至るのが文学だよ」

では、まず「特殊」とは何なんでしょう

もっとみる