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ショートショート

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#恋愛小説

アイスクリームデイズ【恋愛 ショートショート】

アイスクリームデイズ【恋愛 ショートショート】

「こんにちはー、今日も来ちゃいました」
「真奈美さん。いつもありがとうございます」

会社の昼休み、私は時々近くの公園で日光浴していた。
すると、5月から、可愛らしいアイスクリーム屋台が立つようになった。
バニラ、チョコ、ストロベリー。三種類しかなかったが、手作りアイスは思った以上に美味しかった。最初はアイスクリームのおいしさに惹かれて通っていたが、やがてアイスクリーム売りのお兄さんへの会いたさの

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生霊ラブソング♥【恋愛 ショートショート】

生霊ラブソング♥【恋愛 ショートショート】

ああ、やっちゃってるなあ。自分で分かる。
多分生霊飛ばしてる。

実は最近好きな人ができたのだ。
ずっと一緒に育ってきた幼なじみ。めっちゃ今更である。
同じ幼稚園で出会い、小中学校は学区が同じだから当然同じ、高校は…彼のほうが追いかけてきてくれた。
けれど。一年の文化祭のときに、なんと彼は同じクラスの女子と付き合い始めてしまったのだ。もっとも、その頃は、私にも他に付き合っている人がいたのだが…。

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雨音は子守唄【ショートショート】

「ねえ、私と一緒に死んで」
雨の夜、私は傘もささず歩いていた。
渉と目があった。彼は微笑んだ。
その夜、私達は闇色の海へ飛び込んだ。

私は生き残り、渉は死んだ。その日から私は心を失くした。ううん、彼と出会ったときには、私はもう失くしていたのかもしれない。
皮肉なことに、彼が死んだ日から、私はどんどん彼に恋い焦がれていった。それまでの彼なんて、何一つ知らないのに。
それと同時に、彼が藍色の帳の向こ

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恋愛【ショートショート】

久々にスタジオ入った。暗くて狭くてヒヤッとしてて良い。
電気つけてキーボードの準備してたら、マキオがラリラリになって入ってきた。
「うっすー、カヨコひとり?」
「あんた、目やばいんだけど」
「んーん、ちょっと気持ちいいの飲んできただけだよー、別に悪いことはしてないよー」
合法かもしれないが、この状態でクルマ乗ってきたのはアウトだろ。
「カヨコもやる?すうーっとするよ!気持ちよーく演れるよ」
「あた

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